僕のはじまり ⑨
~「お前、年下だったの?」~
私は比較的、若い頃から年齢以上の年に見られていた。
言っておきますが「老けている」のではなく、「落ち着いて」見えるのである。
独りよがりの言い訳ですが...
若い頃、よく訪問していた釧路の病院があった。
薬局長は見た目、若く見えていた。
私は訪問を開始した頃より、当然のごとく「丁寧語」で薬局長とは面談するわけです。
それは、お世話になっている医療機関だもの当たり前の当たり前。
「先生、いつもお世話になっております。 ○○製薬の柳田でございます。
本日は、前回紹介させていただきました製品の別のデータをお持ちしました。
お時間、少々、宜しいでしょうか...。」
こんな具合。
「ああ、こんにちわ。いつもご苦労様です。 それではどうぞお座りください。」
薬局長はこんな具合。
そんな丁寧な関係を半年ほど過ごした頃、私も随分と病院と薬局長に慣れてきた頃。
世間話てきにお酒の話とか、ゴルフの話とか始まるわけ。
フランクに会話も弾むようになってきました。
薬局長がふと
「ところで、柳田さんはお幾つでいらっしゃるのですか?」と丁寧に聞きました。
「私ですか? 私は老けて見えるかも知れませんが26歳です。」
「なあにィ~っ!!!」突然、薬局長の顔が豹変。
「年下だったのかあ~!!。
絶対に年上だと思って、ず~っと丁寧語で接してきちゃったじゃないか!」
「なあんだ、そうだったのか。 何だかほっとしたな。 柳田さんは何歳くらいか分からなくて
どきどきしていたぞ!」
「老け顔ですみません。 気をつけます...と言ってもどうしようもないのですが...。
じゃあ、先生はお幾つですか?」
「俺はもう30歳だ。」
「ひゃあ~、そうだったのですか。 私のような若者にも丁寧に接してくださる先生だな...と
思っておりましたでありまする~。」
「年下とわかっていたら、少しは態度もちがうさ。」
二人でわっはっはっは!
今、私は46歳。 薬局長は50歳。
今でもたまに飲みに行く仲良しさ。
あれから20年か。
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