10年以上前から、札幌で電気工事業を営んでいるY社長。
まだ若手経営者といえる年齢ですが、自社製品の商標登録や実用新案登録申請を行ったり、ススキノで飲食店を営んだりと、建設不況の中にあってなかなかのやり手経営者です。
先日、Y社長と打ち合わせをしていたときのこと。
「ワタナベさん、僕、建設業の専任技術者になれたっけ?国家資格は持ってないけど」
と訊かれました。
Yさんの会社は、もう何年も前に、500万円以上の工事を請け負うことができる建設業許可を受けています。でも、許可要件のひとつである専任技術者は現在社内に1人だけ。
Y社長「工事も増えてくるし、僕も技術者登録しておきたいんだけど...」
ワタナベ「社長はずっと代表取締役ですし、実務経験実績で専任技術者になることができますよ。でも、10年間の実務経験を証明しなければならないです。120ヶ月分の工事注文書や請け書が必要ですね」
Y社長「10年分かあ。多分大丈夫だと思うな...。おーい、Mさん、ちょっと。」
Mさん「はい」
Y社長「10年前からの注文書、揃えておいてよ」
Mさん「10年前から?ずっとですか?!」
さあ大変なのは経理のMさん。
120ヶ月分きっちり揃えるというのはかなり難儀な作業です。
1週間後、Mさんから連絡がありました
「一応そろったと思うんですけど、見てもらえますか?」
早速伺って見てみると確かに注文書の山。
でも、よく見てみるとどうやら足りない月がありそう。
ワタナベ「数ヶ月にまたがっている工事は、比較的大きな金額じゃないと、数か月分とは認められないんです。これですと1ヶ月ぶんにしかなりません」
Mさん「そうなんですか...」
ワタナベ「それと、この『雑工事』ってなんですか?」
Mさん「ああ、それはロードヒーティング工事です。その会社の注文書は『雑工事』って書かれるんです」
ワタナベ「そうですか...。残念ですけど、窓口ではねられるでしょうね。電気工事がどうかわからないし」
Mさん「はあ...」
がっくりと肩を落とすMさん
Mさん「帳簿には残っているけど、注文書がない工事もかなりあるんです。どうしたらいいでしょうか?」
ワタナベ「帳簿にあるのであれば、改めて先方の会社に再発行してもらうしかないでしょうね。それと、先ほどの『雑工事』を書きなおしてもらうとか...」
Mさん「はあ...やってみます」
おっとりしているようで頑張りやのMさん。
次に連絡があったのが3週間後のことでした。
今度は間違いなく120か月分の注文書が揃いました。
ワタナベ「10年分は揃わないことも多いんです...。大変でしたでしょう?」
Mさん「...そうですね...かなり(笑)」
Y社長、いい部下をお持ちですね。
Mさんご苦労さまでした。
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 120ヶ月分の注文書
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://spiritlink.80code.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/1227
テストです。