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褒められもせず苦にもされず

1997年。そして10年。

年の瀬を迎え、メディアでは10年前の象徴的な事件がしばしば報道されています。
1997年の秋。山一證券自主廃業。ほぼ同時期に北海道拓殖銀行が破綻しました。

メディアで報道されるたびに、否が応でも見入ってしまいます。それは、拓銀破綻の数ヶ月前、僕が当時勤めていたK広告社が倒産したからです。
K広告社のメインクライアントであった、雑貨量販店B社の経営破綻による連鎖倒産でした。
当時、K広告社のメインバンクは拓銀。K社幹部は幾度となく拓銀に緊急支援を要請しましたが、ずるずると返答を先延ばしされるだけ…。
民事再生法などもまだ成立していない時代。K広告社はなす術もなく、たった数ヶ月で業界老舗としての長い歴史に幕を下ろしました。
後から解ったことですが、既に拓銀にはK社を支えるだけの力さえ残っていなかったのです。

K広告社の倒産は経営方針の失敗によるものでしたから、拓銀に主な原因があるわけではもちろんありません。
しかし一方で、中小企業といえども北海道の広告業界のリーダーを失ったことで、業界は急激に変化、縮小せざるを得ませんでした。その意味で、メインバンクとしての責任も重大なものであったと思います。

ばらばらに散っていった300人の社員たち。
倒産間際には様々な「駆け引き」と人間模様がありました。
さて、あれから10年…。
多くの人は広告業界に残り、また多くは異業種に移籍しました。

10年前の悔しさを、多分誰一人として忘れてはいないでしょう。
当時の同僚や先輩方と、今の仕事を通じて会う度に、転んでもタダでは起きない「しぶとい」人たちばかりだと、つくづく思います。
悔しさを燃料にしながら、次の10年に向けて、さらにしぶとく北海道に根を張り続けて行くことでしょう。もちろん僕も、その中の一人です。


(2007年12月20日)

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