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ユーチューブと著作権(2)

約1年前の2006年10月、日本の民法局各社とNHK、さらにJASRACからユーチューブに対し、違法投稿削除の依頼が行われ、直ちに削除が行われました。その数約3万件。この削除依頼のための監視作業(?)は大変な手間だったでしょう。

違法にアップロードされたコンテンツの削除ですから致し方ないことではありますが、では削除されたコンテンツの製作者あるいは権利者全てが削除を望んでいたのかどうかは疑問です。
例えば、新人のアーティストは一人でも多くの人に自らの作品を観て、あるいは聴いてもらいたいと思うのが本音でしょう。ユーチューブから人気が出るという可能性もある。(実際、ごく最近ユーチューブにUPされた新人お笑い芸人の出演番組のアクセスが膨大な数になったという例がありました)しかし、作品を管理している会社としたら放置するわけにはいかない。「ユーチューブにUPされることで、商品が売れなくなるのか、あるいはもっと売れるようになるのか」この判断は非常に難しく、結果として違法アップロードは一律で削除依頼をするしかないのが現状でしょう。
あるいはまた、昔にオンエアされたCMには非常に優れた作品が数多くあります。しかし、映画やテレビ番組と違い、一般の人がそれらの作品を再び観る機会は殆どありません。これは非常に残念なことで、僕は以前から、過去のCMライブラリーのようなものが出来ないものか、と常々思っています。インターネット上にUPするためには複雑な権利関係を整理する必要がありますが、スポンサーや製作者にとっても決してマイナスなことではないはずです。

『スターウォーズ』を制作したルーカスフィルムは、ユーチューブにスターウォーズがUPされているのを知り、直ちに削除要請をしました。ところが、スターウォーズのパロディ作品までも削除されてしまったことを知ると、「そこまでする必要はない」とコメントしたそうです。パロディもひとつの文化であるという認識を持っているのでしょう。
ユーチューブという動画共有サイトの台頭は、著作権というルールの中で「何を守り何を公開してゆくべきなのか」という難しいテーマを私たちに問いかける結果となっています。
既得権だけを考えていると、新しい才能や大きなビジネスチャンスを見失ってしまうこともあるでしょう。しかし「なんでもアリ」というわけにはいかない。
すでに止めることができない大きな流れの中で、「著作権」とは誰のためのものなのか、改めて考えなければならない時期が来ていると思います。
*参考資料 「YouTube革命」 神田敏晶著 ソフトバンク新書


(2007年09月27日)

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