サンフランシスコの坂道を25万個の色鮮やかなカラーボールが落ちて行くという、とても印象的で美しい海外CMがあります。ソニーの薄型テレビ「ブラビア」の英国ソニーのCM作品「Bouncy Balls」です。(日本では放映されていませんが、SONYのサイトから見ることができます http://www.bravia-advert.com/ )
このCMが、視聴者から世界最大の動画共有サイト「ユーチューブ」にUPされると、多くの広告クリエータから一般アマチュアまで、この映像をパロディとした、あるいはモチーフとした映像作品が世界中で作られユーチューブにアップされたそうです。
日本でも最近、サントリーモルツのCMで「たくさんのカラーボールが階段を転がってくる」という場面を使ったテレビCMが放映されていました。おそらくブラビアのCMを「モチーフ」としたものでしょう。
さて、日本の著作権法では「公衆送信権」(勝手に公衆送信されない権利)というものがあり、インターネット上に無断で作品等アップロードするだけで権利の侵害となります。
ユーチューブには違法にUPされたと思われる画像が多数存在します。2006年11月、ユーチューブを買収した「グーグル」はガイドラインをつくり、権利者からの通報によって削除されるシステムをつくるなど、著作権侵害の阻止に対して真摯に対応しています。しかし、あまりに数が多すぎて整備しきれていないのが実情のようです。昨年の調査数字でも、動画ファイル総数は4000万件以上。毎日3万5千件ずつ追加されているという凄い数字です。
こうした流れをの中、ユーチューブをひとつの「広告メディア」と捉えてむしろ利用する動きが出てきました。上記の「ブラビア」の例のように、結果的には予想をはるかに超えた広告効果が得られたことを無視できなくなってきたためです。ユーチューブは著作権の侵害者だったはずが、バイラル効果(口コミなどによる宣伝効果)が非常に高い宣伝媒体と考えられるようになってきたのです。
ユーチューブは設立されたのは2005年の2月。急激に成長して大きな影響力を持ち始めたこの媒体に対し、「著作権」という考え方にねじれ現象がおきています。(つづく)
*参考資料 「YouTube革命」 神田敏晶著 ソフトバンク新書
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