韓国のアーティストのプロモーションビデオが、日本の有名なゲームソフトにある映像と殆ど同じだとわかり、著作権上問題になっているようです。韓国のPV制作者は、ゲームソフトへの「オマージュ」だと主張しているようですが...。
「パクリ」「パロディ」「モチーフ」「オマージュ」...。
その案件によって様々に主張されてしまうことに、著作権判断の難しさがあります。
ちょっと前の話題になります。
1998年に発売された(ジャニーズの)SMAPのアルバム「La Fiesta」のジャケットデザインが、ビーチボーイズの名鑑「ペット・サウンズ」というアルバムジャケットに酷似していました。これに対し数十年来のビーチボーイズファンである作家の村上春樹氏が公式HP上で「パクリ疑惑」の発言をしました。
案の定、SMAPのファンから村上氏に多数の猛烈な抗議メールが届きました。
「SMAPのスタッフ側は、『ジャケットデザインは「ペット・サウンズ」をモチーフにしている』 と認めているのだから、SMAPとスタッフの <遊び> だと思います。パクリなんて失礼じゃないですか!?」というのがSMAPファンの主張でした。
これに対し村上春樹氏は、SMAP本人やその音楽性を批判しているわけではないと前置きした上で、かなり辛辣な反論を書いています。
氏曰く
『CDの内容が「ペット・サウンズ」を<モチーフ>にしているというような音楽的要素がはっきりと認められるのなら筋が通っているし、それを<オマージュ>と呼ぶことも可能』
しかしながら、 『SMAPのCDと「ペット・サウンズ」の音楽とのあいだには、ハリネズミの屁ほどの共通性もない』 と言い、『引用の必然性のない引用は、ただの流用にすぎない』と、バッサリと斬り捨てています。
実に痛快で明晰な文章で、全文を紹介したいところですがそれでは著作権問題になるので残念ながらできません。
興味がある方は 村上春樹見氏の著書(CDROM本) 『スメルジャコフ対織田信長家臣団』をぜひ読んで見てください。
村上氏は「オマージュ」や「パロディ」を否定しているわけではありません。一人のクリエイターとして、「いいかげんな商品をつくる日本の企業に対して」怒りをぶつけていたわけです。
パロディに関しては「パロディモンタージュ写真事件」(最判昭和55年3月)などいくつかの有名な判決があります。機会があればご紹介しますが、「著作権保護と表現の自由」との関係など、多くの論点を提示しています。
すぐれたオマージュやパロディ作品はそれ自体、文化を担うものだと僕は考えていますし、「学ぶ」ことは「マネぶ」ことから始まりますね。(金八先生みたいだな...)
ただし、創る側や受け取る側にも、「目線の高さ」のようなものがなければただのパクリでしかなく、無法地帯になってしまいます。
そこに法律が介在するのは、現状ではやむをえない事と言えるでしょうね。
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