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第73回 小室氏事件から学ぶ著作権②

あくまで報道による情報ですが、小室氏は投資家に対し「全部僕に著作権がある」と言ったとか。
その際、楽曲のリストを提出したのか、806曲一括売却で10億円という価値をどのように換算したのか、など公判の中で明らかになるのであれば知りたいところです。

小室氏はプロデューサであると共に、作詞家、作曲家としても活躍していたのはご存知の通り。例えば渡辺美里の86年の名曲「My Revolution」は小室氏の作曲です。
このように、作詞者と作曲者が別で、それぞれに創作的表現を分離して利用できる著作物のことを「結合著作物」といいます。
仮に今でも小室氏が「My Revolution」の著作権を持っているとしても、権利を行使できるのは曲だけ。インストルメンタル利用ならともかく、楽曲に利用には作詞者の合意も必要となります。

結合著作物と混同されがちですが、複数で作成する創作物には「共同著作物」というものもあります。こちらは「分離して個別的に利用できないもの」を言います。結合著作物とは別のものです。
例えば座談会、討論会形式の著作物が「共同著作物」の典型例です。
マンザイなども、共同著作物になるでしょう。(コンビのどちらかが書いたネタ帳などは作成者が著作者になります)
共同著作物を譲渡する場合など、共同著作権を行使するためには全員の合意が必要となります。但し、合意を拒否するには正当な理由が必要です。この点も結合著作物と異なるところです。

このコラナビ北海道でも対談のコーナーがありますが、では著作権は誰にあると思いますか?
コラナビ対談は、対談内容を出来るだけ編集せずに掲載するようにしています。但し、対談者の了解を得て一部を削除したり「てにはを」を修正して読みやすくしています。
対談の内容そのものは、出演者の口述著作物ですが、若干修正を加えているのでコラナビ対談は「二次著作物」ということになるでしょう。
二次著作物であっても、対談出演者=著作権者にその権利が及びますので、出演者に無断でコラナビ対談を使用することは出来ません。

しかし、全ての対談やインタビューが同様というわけではありません。
インタビューの内容が予め決められていて、その答えを編集者が企画に応じて加筆修正した場合などは、口述者=インタビューを受けた人は著作者にはならないとされた判例もあります。「口述者は、単に文書作成のための素材を提供したに過ぎない」と判断された例です。
(東京地裁平成10年10月29日 スマップインタビュー事件)


(2009年02月05日)

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