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第9回 NPO法人ほっかいどう増販情報センター 理事 鹿内 幸四朗さん

2. 「良い質問ができる人」は能力の高い方です

僕のことばかりじゃなく、弊社の広報の女性たちもとても人気があるんです。
「彼女たちを見ていると勉強になる」と言って、自分の会社の女性スタッフを連れてくる方もいらっしゃいます。広報スタッフの二人の動きを見ていると、「気遣い」とか「運営する」「取り仕切る」というのはどういうことなのかがよくわかるから...と言って下さって。そういうものを学ばせるために来ていただける社長さんもいらっしゃいます。スタッフを褒められるのはとても嬉しいですね


広報のお二人は、会計事務所のお仕事もされているのですか?


一部、会計の方の仕事もしていますが、殆どは増販塾の広報の仕事です。常時3つくらい新しいことを仕掛けていますので、僕の片腕になってくれています。ですから税務の仕事はしていないです。
僕も会計事務所に入って21年。今の札幌事務所に来て6年経ちますが、3年ほど前から僕も会計事務所の実務はしていないです


そうなんですか。鹿内さんは所長代理の名刺もお持ちなので、両方のお仕事をされていて大変なんだろうなあと思っていましたが


スタッフの営業について行くということはもちろんあります。マーケティングの話題やお客様の新事業のお手伝いなどは、先方にお伺いしたり、事務所に来ていただいてスタッフと一緒に打ち合わせをしています。
お客様の相談にのっている時間のほうが多いかもしれません。というのも、お客様の悩みが税務云々ではないことが多いですし、商売を辞めるかどうかの瀬戸際のご相談者もけっこういらっしゃいますから。その状態を引くのか進むのか。進むのであればどうすればいいのか。シビアな状況のお客様も応援させていただいています


総合的な相談を受けることが多いのでしょうね


そうですね。今日も「知り合いの就職先を見つけてくれないか」なんて連絡がありましたし、先日も、札幌でラーメン屋を開業したいから不動産を探してくれ、なんて依頼もあったりして。「不動産屋じゃなんだけどなあ」なんて思いながらも、「はい、わかりました」と言ってしまう自分がいるわけで(笑)すぐに知り合いの不動産屋に連絡しました。
そうやって、皆さんの縁を繋ぐというか、人を紹介するようなことも多いです


人を紹介するって、リスクを背負いませんか?「あんなヤツ紹介しやがって」みたいなことを言われたりしませんか?


ないですよ。リスクは背負いません(笑)
というのは...「直感」なんです。適当なこと言ってるなって思われるかもしれませんが、なんとなくわかるんですよ。
ウチのスタッフ、皆感じが良いでしょ。ウチの事務所の応募資格は、学歴は不問ですが「笑顔が素敵で元気な挨拶が出来る人」なんです。その心は何かというと、学歴は不問ですが経験は不問じゃないんですよ。キャリアを重視します。この業界ってライセンスを重視する事が多いんですよ。ライセンスを持っているけど笑えない人を教育するより、ライセンスが無くても笑える人を教育したほうがいいんです。
例えば「お客様のところに行ったとき、何が一番大切だと思う?何を築かなければならないと思う?」って新人に聞いたとしますよね。「信頼関係です」って答えます。では信頼関係を築くためには一番最初に何をするかというと、笑顔で元気な挨拶をすることです。容姿がいいとかスタイルがいいとか、そういうことではなく自然の笑顔が出てくる人を僕は評価しています。
この業界はライセンスに拘る人が比較的多いのですが、ライセンスの前に「人間力」。その最低の条件が「素敵な笑顔」なんです。自然に笑えて瞬間に友達になれること。これができないと何をやっていても上手くいかないことが多いと思います


はい


僕らは、人にお金をかけなければならない業界なので、どこにギャラを払うかというと、笑顔です。ですから、面接で面白いことをたくさんいって笑わせるんです。その笑顔を見て、いいなあ、めんこい笑顔だなあって思う人をまず残します。
それが最低条件で、次に重要視するのはコミュニケーション能力です。これを見抜くために「ラビ式面接」という方法をとります。
合同企業説明会などで、普通の面接は、テーブルを挟んで1人か2人ずつ面接をしていきますよね。でもラビ式面接は、テーブルの周りに15人くらい集めるんです。一度に大人数と面接をします。
何をするかというと、こちらからはあまり説明をせず、資料を渡し、「僕に何か訊きたいことがあったら言って。何もなかったらパスでもいいからね」と言って、順番に当てていきます。パスをする人がいたら次の人。何かを訊かれたら、僕が答えていきます。それを続けると、既にほかの人が質問したことと同じような質問をする人が現れてきます。「あれ、それってさっき質問されて僕が答えたよね?今の質問に答えられる人?」って言って手を挙げてもらいます。手を挙げた人に質問の答えを説明させるんです。
ところが、話を聞いて理解していることと、伝えることはまた違う能力なんです。自分では解かっているつもりでいても、なかなか説明できないんですよ。「他にも説明できる人います?」と聞きなおして、また手を挙げた人に説明させる。キチンと説明できる人がいたら、その人の履歴書をチェックします。
質問の仕方と伝え方を見るわけです。
この面接方法だと、3時間で80人くらい面接できるんです。普通の面接方法だととてもそれだけの数は面接できませんよね


ラビ式面接

はい。なるほど


「ラビ」とはユダヤ教の『先生』のことです。ラビは「一番いい質問をした人」を評価するんです。ラビ式面接をすると、核心に触れるような凄くいい質問をする人が出てきます。それはなぜかというと「観察力」「傾聴力」「質問力」「伝達力」この4つの要素をきちんと駆使しているからです。
「よくぞその質問をしてくれた」って思うような質問ができる人は、人の話をよく聞いているからです。この能力があると実社会に出たときも、お客様と短時間で仲良くなれるんですよ。
良くぞ聞いてくれました、という質問を、僕は「待ってました質問」といいます(笑)一撃でその質問が出来る人は、非常に能力が高いです。相手の「ホットボタン」が見える人です


その資質はそれまでの訓練によって得たものなのでしょうか?


訓練もあるでしょうが、「感覚」として持っているんですよ。「親の教育」なんです。しっかりした親御さんからきちんと愛情を受けてきたのでいい笑顔ができる。
それと、いい先輩に恵まれているということ。言葉遣いや物腰、考え方。そういったものがブレないでしっかりしている。学校時代に尊敬する先生がいたとか、社会人になっていい先輩に教えられたとか、そういう環境の中で身についたものです


はい


ビジネスは「何をするか」ではなくて「誰とするか」だと思っています。ですから、誰を仲間とするのか、誰をお客様にするのか、アライアンスを誰と組むのかが重要なわけです。「お金で繋がった人間はお金で裏切る」というのが僕の経験で得た感覚です。お金で裏切らない関係、あなたと一緒に仕事したいという関係、これがとても重要だと思います。
それを突き詰めていくと、弊社のスタッフも「金をくれるから働いている」のではなくて弊社の誰かと、例えば鹿内と働きたい。彼から学ぶことが多いからここで働きたい。そう思ってもらえるかどうかです。
先ほどの面接の話に戻りますが、「この人と働いてみたい」と思わせることができるかどうかです。そうではなく金だけでぶら下がってくる人はあとで金で裏切ります。そんな人はいらないし、パワーもない。私が面白いと思うことを共感できる仲間ではないということです。
増販塾でこれまでに講師をお願いした方々は「それおもしろいね!」っていう感覚を共感できる人たちです。お互いの考えや理論を面白いと思える人たちです。
そんな風に、おもしろいことばっかり探しているほうが、ビジネスも成功の確率が高くなるんですよね


鹿内さんのそのスタンスはいつから生まれたものなのですか?


すばらしい質問ですね(笑)
私が札幌に出てきたのは平成14年の7月です。それまでは14年くらいずっと岩内にいました。僕の奥さんはもともと札幌の人です。その関係で義母の面倒を見なければならなくなって、平成13年に札幌にマンションを買っちゃったんです。実は事務所を辞めようと思っていたんですよ。いつまでも田舎の会計事務所にいても仕方がないなと思ってましたし、義母の面倒も見なければならない。
平成13年の6月に、弊社代表の中野に「先生、僕札幌にマンション買いました。辞めさせてもらいます」って言ったんです。すると先生が「いや、待て待て。来年税理士法の改正で支店が作れるようになるから。札幌に支店を作ってやるから1年間待て」と言われたんです。「わかりました」と答え、中野の言葉に従うことにしました


(第3回に続く)


(2009年04月09日)

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