ニセコの家は何坪あるのですか
約50坪くらいです
50坪!かなり大きいですね。
それでも、ペレットストーブ1台で、しかも光熱費は灯油の3分の1くらいということですね
だいたいそのくらいです
ニセコの家のような建築は、家を建てるコストは(一般のものよりも)割高になるのでしょうか?維持費や光熱費を考えると、相対的に安くなる、という発想なのでしょうか?
コスト的にいうと建築費自体が安価な都市部と割高な郡部では違いがありますが、平均的な坪単価+1割程度の予算でかなりしっかり断熱できるとお考え下さい。北海道の一軒家の場合、1年間で平均2000リットルの灯油を消費します。
ちなみに、EU各国では40坪程度で年間暖房灯油消費量400L以下の家が標準になりつつあります。
北海道の場合、やはり冬場が多くて月に約300リットル。内陸部の地域ではもっと使いますが、原油価格が高騰した今年は、月あたり3~4万円くらい灯油代がかかった家庭も多かったと思います。ニセコの家ではそこを月あたり1~1.5万円くらいでなんとかしようと、既に地場の技術蓄積として可能なんですけど、まあ残念ながらまだまだ一般的ではありません。(笑い)渡邊さんにはそういう点を是非、いろいろな場面で取り上げていただきたいなぁと思います
マスメディアには、まだまだそのような情報が見えてこない、足りない気がします。
なんだかモノゴトの本質が見えないですし...
「冬は一枚多く(衣服を)着込んで、部屋の温度を下げましょう」というキャンペーンでしかないですよね、現実は
そうですね、もっともっと周知のための報道は必要だと思います。しかしすぐ方法論に行く前に私たち自身が日々のエネルギーの無駄を意識することも大切ですね。というのは、真冬に部屋の温度を30℃にして平気なのは、全国的に見ても北海道だけなんです。短パンにTシャツで、ビール飲んだことあるでしょ?(笑)
こっちの冬の室内に東京や大阪の人を呼んだらほとんど全員のぼせちゃう。(笑)
私も北海道人だから暖かさに飢える気持は分かります。でもはっきり言ってすごく無駄ですよね。全国平均に比べて4割もCO2が多いのも分かります。冬は一枚多く着込んで、室内は20℃くらいで十分なのに30℃でビールになっちゃう。(笑い)
発想の出発点があまりに『防寒』偏重だったのでは?と最近思いますねぇ~。
防寒技術って「寒さの排除が目的」だからとかく「必要以上」に陥りやすいんです。無駄の有無より暖かさ優先に走りやすいのもそのためです。
一方『環境技術』は「無駄(負荷)を抑えることこそ目的」です。必要以上の暖かさをどうやって抑えよう?と考える。一見似ているようで発想はずいぶん違います
なるほど。そうですね
先ほどの報道の話もそうですが、実はそこのところがしっかり説明されていないと思います。だから消費者が勘違いしてしまう。住まい手の意識改革にはメディアにもっと協力してもらいたい。理想は学校で子供のうちから「住育」をしっかり教えてほしいと思います。無駄を見直すことこそ環境技術の本質なんですから
過去3ヶ月分の電気使用量を記録できる積算計。山本設計の標準仕様。PCで管理可能な優れもの
大阪に住む知人の話ですが、むこうは夏がひどく暑いので冷房をガンガン入れますね。
でも、住居の断熱や気密性が悪いので、冷房もどんどん抜けていくんだそうです。
ということは、北海道の技術を向こうに持っていけば、冷房費も減る、ということな
んですか?
はい。そう思います。
「ニセコの家」は、通常の家の3倍くらいの断熱性と気密性で設計しました。
コンセプトは「しっかり着込めば、小さなカイロ一つで大丈夫!」です。
冬の暮らしを防寒的に解決しようとする限り「暖房に投資せねば」という既成概念から抜け出せません。「寒い=暖房設備こそ命!」という発想は、断熱性の悪い室内で大きなクーラーをガンガン使うのに似ていると思いませんか?
まずしっかり着込んで建物側でエネルギーを食わないようにしてあげる。
使うエネルギーを電気にしようかペレットかで悩むなんてその後で十分。ここの勘どころをとばしてしまうと、今までの灯油がペレットや電気に換わっただけのまったく環境的とはいえない住宅ができちゃう。(笑い)
そんなこともあってニセコはすごくシンプルな考えで行きました。「しっかり断熱と気密をすれば、中で動かす暖房でも冷房でも、すごく小さくても効率よく働きます。」
なんだか抽象的なんで分かりやすく行きますね。(笑)
このグラフは今年の2/15~3/1まで室内温度を計測したものです。ピンクの線が室温、ブルーは外気温です。2/15.16(計測器を取り付けた日)以降は無人で暖房は切った状態。室内に発熱するものがまったくなくてもお昼には室温が+10℃を越え、日によっては+15℃にもなります。一方外気温は-10℃以下。えっ!なぜ?ってこれ太陽の光のおかげなんですよ、しっかり断熱をすれば厳寒期の北海道でも窓から入る光だけでここまでいけます。たとえば+20℃の室温にしたければ足りない分の10℃少々にだけお金を払ってエネルギーを補えばよいと思うんです。まあ現実は「CO2を減らそう!」なんていうとまず断熱材より暖房器具の方に関心が向きがちですけど...。残念ですよね
あー。なるほどそうですね。
でもそのような構造を変えるのはなかなか難しいような気がするのですが
もちろんそうです。暖房器具も北海道の大切な産業ですから、声を荒げて「時代に合わないからもういらない」という問題ではないと思います。
むしろ防寒技術の実績が環境技術に応用できたように、例えば「北国=暖房器具優先」的な観念から少し離れる。CO2を出さずに、冬ばかりでなく夏も冷房に使えるボイラーとか、ペレットを燃やすことで燃焼熱の他に温水も作れて、床暖しながらお風呂も沸いちゃうとか(笑い)、いままで石油一辺倒だった研究の情熱を自然エネルギーに向ける。要は暖房分野のグリーン化ですね。そういう発想に変えて行く必要があると思います。
そのためには、建築家もさることながら、もっと消費者のみなさんからクレバーなニーズを発信してほしいと思います。もちろんマスコミや学校も質の高い報道や授業で応援してほしい。そうやって地域社会が協力して賢い消費者をたくさん育てることこそCO2大国「北海道」を緑の環境大国に変える大きな力になると思います
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 6. 「環境技術」への消費者ニーズがとても大切です
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