以前、教えていただいた話に、「物価や人件費が高くなると、製造業や農業が発展途上国に依存するようになる。そんな中で、先進国がどうやって生き残っていくかというと、自らの歴史や文化を使うしかない。」という話がありました。誰もが行ってみたいと思う「観光国家」になっていかなければダメなんだと...
これって今各地で起こっている「まちおこし」にもつながる視点だと思います。
でも自らのまちを観光資源の観点から眺めたことなんてないですよね?(笑い)
住民にとってはそんなことどうでもよいことで。利便性とかの方が喜ばれます。
でもだれが考えたって両立できるほうがいいに決まっています。特に地方はそれで悩んでいるわけですから。これからはそういうことも含めてまちの価値を判断するべきで、「便利に住めればいい」とか「街並みは建売でいいんだ」とかいうことではなく、「ワクワク感」とか「見ているだけでいい気分になる」そんな家やまちづくりが必要だと思います。それは北海道でも可能なはずです
う~ん...。
一般的なイメージとしては、可能ではなかったと思うんです。
だから、「建売でいいや」とか「マンションで充分だ」という気持ちになってしまってきたと思うんです。オリジナルな家作りを諦めてしまっている部分がある。
それは、選択のチャンネルが足りなかったのか、僕たちが勉強していなかったのか、なんともわかりませんけども...
でも、これからだと思うんです。
これからは、人口が減って家が余ってきますよね。しかも高齢化社会ですから。
消費者がこれからどのような選択をしてゆくかということだと思うのですが...
僕が最近お薦めしているのは、「受け継ぐこと」なんです。
ここ発寒のまちもそうなんですが、住民が高齢化しますとおじいちゃんとおばあちゃんが二人で45坪の家にすんでいる。子供たちは独立していますから。
ここは駅も近いし商店もあるし、子育て世代にはとても便利なところです。
一方で、今現在子育てをしていて、仕事や生活に便利なまちに住みたい世代が、ここにはなかなか住めない。
そういう逆転現象がおきているんですよ。
そういう現実をビジネスに生かさなければいけないんです。
つまり、広い家に二人で住んでるおじいちゃんおばあちゃんに今必要なのは介護であったり、間取りにしてもずっとコンパクトなものです。そのような場所は民間借家も含めてたくさん施設ストックがありますね。
ですから、おじいちゃんおばあちゃんはそこに移る。そのかわり、空いた家を子育て中心世代に安く貸し出すわけです。それも3年契約など一定期間以上の契約条件で。
そうすると、おじいちゃんおばあちゃんにとっては資産を維持したままお金も生むようになりますし、若い世代にとっては必要な期間、子育てに有利な街に安く住むことができます。新築以外にもそんな選択肢を増やすことで本当に必要な世代が家を受け継いでくれるという、循環がもう一度もどってくるわけです
あー、なるほど
今までは、(家を建てても)自分たちのローンが終わって子供らが出て行ってしまったら、壊してもいいか...となっていたわけです。その結果、地上げされてそこに新しいマンションが建って、なんだかよくわからない人たちがまちにいきなり増えてくる。まちの雰囲気が変わってしまう。中には居住ではなく投機目的の住人もいて即完売のはずのマンションに夜灯がともらないとか(笑い)
そんなことの繰り返しだったわけですよね
そうですね
ですから、家を建てるだけではなく、まちづくりのお膳立て、地域の都合に合わせたコーディネートをするのもこれからは大切な仕事になります。
そうしなければ、高齢化したまま元気のないまちが増えてしまう。でもインフラをみたら、駅は近い、病院も学校もある、都心には近い。いいところなんですけどもね~。という矛盾からいつまでも抜け出せない。
人が減って、家が余ってきたときに、どうしていけばいいのか非常に大切な問題だと思いますよ。工夫次第で新興住宅街がどんどん郊外に広がるドーナッツ化現象も抑えられますしね
そういう循環型社会の発想は、行政には期待できないのでしょうか
東京などは、(住宅)問題が深刻ですから(行政が)けっこうやっていますね。
北海道では道庁が「社会実験」と称して古い建物を、断熱や耐震など現在の技術でリフォームしてお役所の「お墨付き」を与え、もう一度不動産市場に流す。そうして住宅の価値を再生させようという試みを行なってます。
簡単に言うと、不動産屋さんが便利な地域にある古い住宅を仕入れて、それを建築家や構造技術者を使って、最新の耐震や断熱、設備にして価値を再生をして売る、ということをしています。
そのほうが、新築よりもはるかに安いわけですから
それは、行政の事業としてやっていることなのですか?
行政のみならず民間からも参加者を募っています。
意外と知られていませんが北海道は冬の環境が厳しいので、道の研究機関なんかでいろいろな防寒技術の研究をしていたんです。
ところが、「住宅金融公庫」がなくしてしまいましたから、技術の行き先がなくなってしまった。「せっかく確立したこのノウハウをどこに使うんだ?」ということになってきた。
その技術ストックは『寒い家を暖かくする方法』であったり、『古いものを蘇らせる技術』だったり様々です。
それをもう一度どう使おうか?となったときに、今言ったような便利な地域にある古い住宅が余りだした。そちらにその技術を活用し再生リサイクルさせよう、ということになったわけです。地場の技術も一村一品ですから。(笑い)
なるほど
行政なので営利目的で全てできませんので、蓄積した技術をオープン化し提供する。それに地元の金融機関が参加し資金の面倒を見る、不動産業者は販売チャンネルを構築するといった具合に各界から参加者を募り、随時問題点を修正しながら進んでいるようです
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 4. まちづくりのお膳立てをすることも僕たちの仕事です
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