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第4回 イラストレータ・絵本作家 佐藤正人さん

第4回 デザインの世界はもっとグローバルになっていくと思います

広告業界からの依頼も多いと思いますが、佐藤さんが本来やってらっしゃる仕事と、広告関係の仕事ではどのような違いがありますか。


広告の仕事は、相手が求めてくるものに対して自分の個性を出しながらイラストレーションを描きあげなければいけないという目的があるので、必ずしも自分のやりたいこと、描きたいことを出せばいいというわけではないですね。ある程度の制約の中でどう自分を表現するかですから…。自分の満足のいくものを創っていますが、ただ時間が経つと、自分のやりたかった方向性と違ってくることがあるんですね。ですから、個展を開くときは、広告で描いたような作品はまず展示しないですね。
個展はあくまでも自分のやりたいことを発表する場ですから、そういう発表の場を必ず年に1回は作るようにしてますので、そこで発散されてしまう部分もあるんですよ


あ、なるほど。個展が発散の場になるんですね


そうですね。個展は自分のやりたいことができるということですね。それだけに何を書こうかなと考えることもありますが…。でも仕事ではないので楽しみながら描けますし、自分にとってのいいステップになります


発注する側のクオリティというものもありますよね。僕も広告の仕事をしていた時代があるのでわかるんですが、せっかくの企画をクライアントにぐちゃぐちゃにされることってありますよね(笑)


ありますね。どこから企画に参加するか、いろいろなケースがありますけど、クライアントやディレクターなどと打ち合わせていくうちに、ぐちゃぐちゃになってしまうことはたまにありますね。最初の方向性はなんだったんだ、みたいな(笑)まあそれはそれで仕事として割り切っていますが…

えれくとーんぎゃらりぃパレットわーくぶっく





ここ10年で地場の広告代理店がバタバタ潰れましたよね。協同広告や経宣、パブリックセンターとか…。地元の代理店が潰れていって業界は変わりました?







う~ん。やっぱり変わりましたね。10年前に比べて代理店に元気がない状態ですよね。代理店のやるべきことが無かったり判らなかったり…。代理店のチカラが昔に比べて全然なくなりましたね。

札幌でも、有名な賞を受賞したようなレベルの高いデザイナーなどが増えてきているんですよ。そういう人たちは、クライアントと直で仕事をすることも多いようですね。そのような仕事のやり方が増えてくると、代理店って何だろうって思います。ですから、(直で仕事をする)30代のデザイナーが今元気が出てきていますね







それはフリーデザイナーさんということですか?







そうそう。フリーだったりユニットを組んでいたり…。以前は、デザインプロダクションに所属するかフリーかで分かれていたんですけど、今は個人でもいろいろなユニットを組んで活動している人も多いですね。プロダクションのデザイナーでも他の会社のデザイナーとユニットを組むとか。そういったやり方が増えているのでデザイナー自体は活気がありますね







イラストレーターは道内に何人くらいいらっしゃるのですか?







どれくらいだろう…。100名は超えるでしょうね。「自称イラストレーター」も含めてですけど(笑)







100名というと、この狭い市場の中では大変ですね







そうですね。札幌で20年もこの仕事をしていると、もうこれ以上間口が広がらないのが判るので、今は東京の仕事が多いですね。半々か…あるいは東京の仕事の方が多いかもしれないな~







あ~やっぱりそうなるんですね。20年札幌で仕事をしていらして、やっぱり東京にいってしまえ、とか東京に来ないかとか、そういうのはなかったんですか?







札幌の戻ってきてからも、以前の仕事関係との繋がりは続いていたんですね。今は全く違うルートからも仕事が来たりしていますが…。でも、完全に拠点を向こうに移してしまおうとは思わなかったですね。たまに仕事で1週間くらい東京のホテルで過ごすことはありますが、こちらにいるほうがいろんな意味で楽ですし…。今は電話とメールとFAXとで、どこにいても関係ないですから



パフォマーケット




専門学校で講師もされていますね。どんなことを教えているのですか







イラストレーションですね







生徒さんは「ゲーム世代」ですよね?







そうなんです。だから好きに描かせるとみんな漫画傾向になっちゃうんですよ(笑)確かに今、イラストレーションという括りも昔と違って広く捕らえるようになってきているんですね。だからゲーム的なもの、漫画的なものもイラストレーションの中に入ってはいるんですよ。アート的なものも入ってきていますし…。時代とともにイラストレーションの世界も広がっています。ただ、若い人がやりたいと思っているイラストレーションの傾向は漫画系が多いですね







具体的には彼らにどういったことを教えているのですか?







技術的な部分です。今イラストの世界ではアクリル絵具が画材として主流なんですね。アクリル絵具って様々なバリエーションを表現するのに適しているんです。ですからいろいろなタッチを教えたり、表現の完成までの流れ的な部分を教えたり、とかですね。実際の広告関係で描かれているようなモノの流れを実践的に教えています







ご自分の10代のころと違うなと思うことはありますか







描く内容はやっぱり違いますね。でも描きたいと思う情熱は昔とそんなに変わらないと思いますよ。ただ、イラストに関しては女性が殆どなんですよ。教室の三分の二、いや四分の三が女性なんですね







女性が多いんですか?!それはちょっと意外でしたね。半々くらいなのかと







いえ、今は殆どが女性ですね







北海道のデザインの世界、グラフィックの世界はこれからどうなっていくと思いますか?







今までは情報もデザイナー自身もあまり外に出なかったんですけど、これからは北海道という枠にとらわれないで、全国に、世界にとグローバルに考える人たちも出てきているので、北海道のデザインのポジションももっともっとグローバルになっていくと思います。いい意味で







インターネットの世界とか、いろんな意味で発信しやすくなっているということもあるんでしょうか







そういうこともあるでしょうね。よく『日本のデザイナー100人』のような本がありますが、かならず北海道のデザイナーも名を連ねていますからね







作品を作るうえでも北海道の環境はいいのでしょうか?







そう思います。四季がはっきりしていてメリハリがあるじゃないですか。仕事じゃなく遊ぶにしても、そういったことがとても大切だと思いますね







それでは、佐藤さんのこれからの活動についてお聞かせください







そうですね~。これからは自分の作品の発表の場をもっともっと増やして行きたいと思ってます。ちょうど今、『ムーニャとほしのたね』の原画展を富山でやっているんです。

東京のほうでも展覧会をどんどんやって行きたいですね。

今まで20年北海道で仕事をしてきて、北海道に育てられた、お世話になったという気持ちがあるんですね。もう自分も50近くなってきたので、今度は何か北海道にお返しするようなことをやっていけたらな、とも思っています。個人的なワークショップとか、ボランティア的なことで他の人たちと活動するとか。そんなことも考えていますね







わかりました。今日は長い時間ありがとうございました







こちらこそありがとうございました






(2007年10月25日)

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