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第3回 株式会社北国生活社 内藤大輔社長

僕は「田舎のおっちゃん」になりたいんですよ

なるほど~。学生時代からのお話しを駆け足でうかがいましたが、かなり人とは違う選択をされて来たんですね。(中村さんに)内藤さんはどういう先輩でした?


う~~~ん...

酔っ払って脱いで騒いでたよね(爆笑)


やはりリーダー的存在でしたね。部長でしたし



それでは、今の事業を山登りに例えたら何合目くらいでしょう?


え?難しいな。
なんだかルートそれちゃってる気が...(爆笑)
迷走中です。登山道を探してササ藪を漕いでます。なるべく頂上に近いところのルートに復帰できるといいんですが(笑)


それは例えばどういう?


今のしくみですと限られた畑でしか作れないので、原料の限度があるし販売も限られてしまうわけです。ボトルネックが二つあるようなビジネスモデルなんです。民芸品的に売るのであれば別のやり方があるでしょうし、大量に売るのであればまた別の方法があると思うんです。現状ではまだ中途半端な量なんですよ。そのあたりが厳しいですね。原価が中途半端に高くなっていって、そうするとある程度の量を捌かなければならないんだけれど、大手の流通さんはマージンが高くて使えない...。そんな状況ですね


まだまだ作付けが必要ということですね


そうですね。新聞記事や雑誌を見た農家さんから、「うちでも(亜麻を)やってみたい」という連絡をいただくことがありまして...驚いています。
農業って1年に一回しか作れないので、今年販売する1年分を前の年に作っておかなければならないですよね。そうすると原料の仕入れ1年分が一気に発生するわけです。それって資金的に凄く大変なんです。原料の保管場所なども必要ですしね。ですから一気に(作付けを)増やしたとしても、それに見合う資金の調達が厳しいですよね。農業ってそのあたりが大変だなって思います。必要なときに少しずつ仕入れていけたらいいんですけど、そうもいきませんから。
それから販売も、もっともっと必要ですね、当たり前ですが


亜麻事業の今後の展開についてお聞かせください


はい。亜麻に関しては、現在サプリメントとドレッシングを作っていますが、今後作付け面積が増えてもっと採れるようになったら、台所に亜麻という食材が入っていって「北海道から発信する食文化スタイル」に出来たらと思っています


「繊維」ではなくまず「食」ということですね


そうですね。繊維も利用しなければもったいないとは思いますが、繊維を取り出す作業ってとても大変なんです。設備も大掛かりなものが必要ですし、技術的にも難しいんです。職人技みたいなところがありまして...。既存の設備を借りようと思っても国内にもう無いんですよ。繊維産業って空洞化してしまっているので。繊維を取り出す設備は日本に一箇所も無いそうです


一箇所も...ですか?!


はい。商社時代の情報のネットワークでいろいろと調べたんですが、国内には無いみたいですね。僕が探した中ではゼロでした


そうなんですか...


亜麻っていうものが北海道の生活にもっと入っていけばいいなって思います。花も綺麗ですし観光資源になると思います。
ホームページで亜麻の「フォトコンテスト」をやっているのですが、もとはといえば、通りがかりの人が車を止めてよく写真を撮っていたんです。「これ、何の花ですか?」「亜麻の花ですよ」という感じで。じゃあフォトコンでもやってみようか、というのが始まりなんです。今年もたくさんの方が車を止めて写真を撮って行きますね。「畑の横でトウキビ焼いて売ったら儲かるかも」なんて冗談を言ってたくらい(笑)


ベンチャー企業と言われることについてはどう思われますか?


ベンチャーではないよ!って思ってます。バイオというよりは農産加工の方ですから。
ベンチャーというとどうしてもホリエモンさんみたいなイメージを持ってしまうんですが、僕自身は「田舎のおっちゃん」になりたいタイプなんで(笑)


それでは北海道の起業家に何かアドバイスをお願いします


僕がアドバイスいただきたいくらいなんですが(笑)
北海道って新しく事業を始めるために有利な環境が整っていますよね。支援制度も充実しているし、土井さんのようなアドバイザーもいますから。東京から来てわざわざ会社立ち上げる人もいるくらいです。
僕は最初に仕事を覚えたのが商社なので、商社的なカラーが強いのかなって自分でも思うことがあります。それが自分で気に入るときもイヤだなって思うときもあるんですが...。
商社ってよく「人材の材は財産の財だ」って言うんですね。何も作っていないで商品を右から左、つまり人で商売するのが商社ですのでそういうことを叩き込まれたというのはあります。結局商売って、会社の看板を背負っていても最終的には人と人との繋がりですから...。まあ僕の場合それしかないというか、自分で出来ないことばかりなので皆さんに助けてもらっているんですが(笑)
今一番自慢できるのは人脈とか友達ですね


ありがとうございます。では亜麻事業以外で御社の今後の展開などを最後にお聞きしたいのですが


まだ企画中なんですが、フリーペーパーのような情報発信の事業をやりたいと思っています。北海道、札幌の自然や食というものを、子供や親たちに楽しく伝えるようなものを...。北海道、札幌ってとても良い所なんですが、意外と見えてこないものがあるような気がするんです。どうしても日本って東京中心の文化ですよね。でも自然や食って地域によって違うはずなんですよ。
ウチも3歳の子供がいるんですが、例えば『カブトムシを捕りにくぬぎの樹液を探そう』なんてことが本に書いてあったりします。でもくぬぎなんて北海道に生えていないし、カブトムシもいませんよね、今は国内外来種としているようですが。カマキリの特集号があっても、カマキリもいませんね。サツマイモも北海道ではほとんどできませんし。
東京の中央発の情報と地方が発信すべき情報ってあると思うんです。そのあたりのことはオトナになってくるとある程度見えてくるんですが、子供はそうは行かない。せっかく北海道、札幌に生まれ育っているんですから、自分の土地のことを子供のころから良く知ってもらって、大きくなったときに「やっぱり北海道が好きだ」って思ってくれたら北海道も大分変わると思うんです。人が東京ばかりに集中することもなくなると思うんですね。
そういうような情報発信の事業をしたいと思っています


わかりました。本日はお忙しい中本当にありがとうございました


ありがとうございました



(2007年09月27日)

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