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第3回 株式会社北国生活社 内藤大輔社長

亜麻は「北海道開拓使」が広めたものなんです

今日はお忙しいところ恐縮です。よろしくお願いします


こちらこそ、よろしくお願いします


「亜麻」って歌のタイトルでは耳にしますが、僕も含めて実際にはよく知らない人も多いと思いますので、どのような植物なのかをまずお聞きしたいのですが


はい。
亜麻は中央アジア原産の一年草です。「麻の仲間でしょ?」とよく言われるんですが、ちょっと表現が難しいんです。というのも『麻』ってすごく曖昧な表現でして、茎や葉から繊維がとれる草のことをみんな麻って言ってしまうんですね。亜麻も苧麻(ちょま)も大麻もみんな麻といってしまうのですが、植物分類上では違います。亜麻はアマ科、苧麻はイラクサ科、大麻はクワ科ですから、全然違います。
大麻と一緒のものだと誤解されて「大丈夫なの?」と言われることがあるんですが、全く違う植物ですので(笑)


はい(笑)


一般的に、タネを食用にする麻といえば大麻のことなんですね。七味唐辛子の中にある「麻の実」というのは大麻の実のことです。
ただ繊維名でいうと、例えば衣類に「麻100%」と書いてあればそれは亜麻か苧麻のことです。大麻は「ヘンプ」と表示しなければならないので...。そのあたりがややこしくて誤解されやすいところですね。
世界的には、亜麻は紀元前8千年のチグリスユーフラテス文明のころから利用されてきたという記録が残っています。古代エジプトでも、タネを食用にしたり繊維を採ったり...。ミイラを巻いている繊維は亜麻を使っていたんです


ミイラですか?! 耐久性に優れている繊維なんですね


そうですね。多分、「手軽に採れて丈夫な繊維」が亜麻だったんじゃないかと思うんです。それ以降、食用、繊維用として、ヨーロッパの文化の中では脈々と続いてきました。
日本では江戸時代に幕府の植物園に試験的に入れたようですが、当時、亜麻は亜麻仁(あまに)という名の漢方として比較的簡単に中国から輸入できたようで、栽培は定着しなかったようです。
日本で本格的に栽培されるようになったのは、明治時代の北海道です。北海道開拓使が茎から繊維を採るために導入し、広まって行ったということです


北海道の気候に合っていた、ということですね?


そうですね。冷涼な気候が適していますので。世界的に見ても『ミュンヘン・札幌・ミルウォーキー』というビール?のCMがあったように(笑)、亜寒帯の地域が栽培地となっています


内藤社長の亜麻との出会いはどのようなものだったのですか?


僕はもともと自分で農業がやりたかったんですね。東京での仕事で流通を覚えてこちらに戻ってきてから、あちこち農家の手伝いで回っていました。自分でやるつもりだったので、一箇所に住み込みというのはイヤだったんです。いろんな形態を見たいと思っていましたので...
でもそうすると食えないわけです。それで、魚類調査のアルバイトをしていまして...。魚も好きなので(笑)川で魚を捕って調査するというバイトです。その会社の社長が橋本(株式会社北海道技術コンサルタント社長)だったんです。
橋本の会社が公共事業を主体とした会社でしたので、北海道に還元して恩返しできるような何か新しい事業がないか、ということで亜麻の繊維を使った事業計画をずっと温めていたわけです


キーマンの登場ですね


そうですね(笑)
ある日突然「おまえ、商社にいたんだから企画書を書いてみろ」って言われまして...で、書いたわけです(笑) そうこうしているうちに、北海道技術コンサルタントの会社の中に、僕の居場所を無理やりつくってくれまして、調査を始めました


それが2001年のことですね


はい。その後、繊維を利用するということではなく、まず亜麻のタネを食用として利用する方法からスタートすることになったわけです。企画書もそのように書き換えて、調査や研究を進めて行きました。それで2004年に橋本と二人で会社(有限会社亜麻公社)を立ち上げて、事業を進めて行きました。
その年に「さっぽろベンチャー支援事業」の助成といただくことになりまして、サプリメントが開発でき、翌年には札幌市の「食産業振興プロジェクト」のモデル事業に採択していただきまして、亜麻仁油ドレッシングの開発などを進めました。
現在は、いろいろな調査研究をしながら、仲間になってくださっている方々と連携を組んでプロジェクトを進めているところです


「新連携」ですね?


はい。北海道経済産業局の新連携事業です


この間、亜麻栽培や亜麻の種を使った商品開発の研究などは、実質は内藤さんおひとりで研究機関を回られていたのですか?


ええ。道立農業試験場さんとか、商品開発では道立食品加工研究センターさんとか...。試験場の正式な検査項目には上がらない場合もあるのですが、「ちょっと興味あるし、個人的にやってみるよ」という感じで試験して下さって...(笑)
他にもいくつかの研究機関にお願いしたり、後に新連携チームとなる大塚農場さんでもやっていただきました。大塚さんはスーパー農場ですから凄いですよ


はい


一番最初は自分ひとりで亜麻栽培をやっていたのですが、どうしても農業の世界にアダプトしていかなければならないので、2年目(2002年)から大塚さんに手伝っていただいています。最初はどうすればいいのか全くわからなかったのですが、最近ではある程度の収穫量が期待できるような栽培体系ができてきました。まだまだ課題はあるんですが、ある程度は計算できるかなってところまでは来ました


(第2回につづく)

亜麻畑-花


(2007年09月06日)

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