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「夜分スミマセン」

知人と仕事絡みの食事を終え、馴染みのバーに移ってホッとしていたときのこと、不意に携帯電話のコールが鳴りました。見知らぬ番号表示。事務所電話からの転送のようです。
時刻は夜の11時半すぎ。
「ワタナベさんでいらっしゃいますか?」
「...はい、そうです」
「私、○○株式会社の××と申します。夜分にスミマセン」
明らかな営業コールの口調です。
「(皮肉っぽく)本当に夜分ですねえ、お急ぎのご用件ですか?」
「本日は、東京の不動産物件への投資のご案内で...」
「ブツッ...」
ツー・ツー。
日中であれば営業電話は珍しくないので、丁重にお断りするところですが、さすがにこの時ばかりは問答無用に電話を切りました。
様子を見ていたマスターが声をかけます。
「お仕事の電話ですか?」
「いや、不動産に投資しませんか、だって...」
「この時間にですか?!」

電話を切ってしまったものの、別の意味で後悔しました。
「あなたは会社の指示で、この時間に営業電話をかけているのですか?むしろ何かの効果的な作戦なのですか?」と訊いてみたかったのです。
全く心がこもっていない「夜分にスミマセン」という声だけが耳に残っています。
このご時世、何かが「麻痺」している。
そんな思いをした、ある日の夜でした。

Watanabe


(2009年03月19日)

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