今日も本屋さんをぶらぶらしていたら、本の帯に「産まなければよかった」と大きく書かれた本が目に留まりました。
松野明美さんの「いちばんじゃなくて、いいんだね」という本でした。
そして帯にはダウン症の息子と母の~と書かれていて、「松野さん、ダウン症のお子さんがいたんだ」と思いながら立ち止まることなく家路を急ぎました。
家に帰ってテレビを流しながらアイロン掛けをしていると、松野明美さんという声がテレビから聞こえてきました。
テレビではダウン症の息子さんとのドキュメント番組が放映中でした。
この不思議な偶然に思わず、テレビに見入ってしまいました。
松野さんは当初、息子さんの健太郎くんのことを隠していたそうです。
バラエティ番組などに出演している元気で明るい自分のイメージを守るためです。
健太郎くんを抱いて外出する時は帽子を深くかぶって、ひと目につかないようにしていたそうです。
それがなぜ公表する決心がついたかというと。
健太郎くんをある児童施設に連れて行った時、それは家の中だけで育てていた健太郎くんが初めて外の世界の人と接した時のことでした。
そこで目にしたのはニコニコと笑っている健太郎くんです。
その楽しそうな笑顔を見て、社会との繋がりが必要だと感じ、公表することにしたそうです。
それから健太郎くんの心が段々と成長していき自我が芽生えてきました。
それは喜ばしいことですが、わがままになってきました。
そこでランナーだった松野さんは親子でマラソン大会に参加することにしました。
マラソンを通じて、社会では嫌なこともやらなければならないときがあるという厳しさも知って欲しいと、母の願いです。
大会当日、健太郎くんは周りの人に抱っこをして欲しいと甘えます。
走りたくないのです。
松野さんは忍耐強く走り出すのを待ちます。
スタートから3分遅れで健太郎くんは走り出しました。
足元はヨタヨタですが、しっかりと大地を蹴っています。
「ヨーイドン」
健太郎くんがしゃべりながら走っています。
一言もしゃべれなかった健太郎くんが。
「ヨーイドン」は松野さんと健太郎くんが練習の時に、走り出す合図として使っていた言葉です。
どんなときも自分の足で歩ける人になって欲しい、母の願いが通じた瞬間です。
競争に勝つことだけを追い求め、一番でないと意味がないと生きてきた松野さんに、人生は競争ではない、自分のペースで生きるということを教えてくれた健太郎くん。
健太郎くんは人間として大切なものは何であるかを教えるために現れた天使ちゃんです。
この人さえいなければ~とか、なんでこの人なんだろうとか、万が一思うことがあるならば、その人は天使ちゃんかもしれません。
天使ちゃんは人生のターニングポイントに必ず現れます。
それは小さな利己心が大きな愛に変わる瞬間です。
別に名前は何でもいいのですが、天使ちゃん、そう心の中でつぶやくと、微笑みが生まれるから天使ちゃんと呼んでいます。
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「天使ちゃん」ですか。そう考えると、ちょっとラクになれます。
もしかしたら、私も誰かの「天使ちゃん」かも!?
そうね。
のりこさんも私もみんな、この世に現れた天使ちゃんかな。