春になった。
寒い冬の間、休んでいたランニングを始めることにした。
半年振りに着たトレーニングウェア、気持ちウキウキしながら、さぁスタート。
体が鉛のように重い。
冬眠から目覚めた熊は痩せているが、冬眠から目覚めた私はマグロのトロ状態。
しばらく走ると、頭の中が阿波踊りを踊っているような感じ。
眠っていた運動神経が、いっきに動き出し行き場を見つけられずに弾けている。
頭が割れるように痛い。
ほとんど歩きで一日目は終了した。
二日目も体が重く長い距離を走ることができない。
そこで本で読んだ呼吸法を練習することにした。
鼻で息を二回吸って、口から息を二回吐く。
スースーハッハッ、スースーハッハッ、スースーハッハッ。
なんかうまくいかない。
そういえば新しい価値観を取り入れるときは古い価値観を手放すといいという話を思い出して、先に息を吐いてみた。
ハッハッスースー、ハッハッスースー、ハッハッスースー。
う~ん、吐いてから吸うと順調だ。
この世に生れてくる時はオギャーと言って息を吐く、亡くなる時は息を引き取りましたといって息を吸うという話を思い出した。
体も心も人生も一緒だ。
三日目に入ると筋肉痛で足が痛い。
「筋肉痛で痛いときに頑張って走ると痛いところに筋肉がついてくる」という師匠の言葉を思い出し、痛い足を持ち上げて走る。
そういえば心に筋肉をつけようとコーチングセミナーで講師の人が言っていたなぁ。
辛い時こそ、成長できるんだ。
体も心も人生も一緒だ。
走り出すと持ち上げた足が軽い、今日はお気に入りのナイキのシューズ。
一日目と二日目は足に合わない運動靴で走ったせいか足の先が痛くなった。
足にフィットしたナイキの靴は、まるで魔法のシューズを履いたように体が軽やかに飛ぶ。
私の走りを足元から守ってくれているって感じ。
地に足をつけて生きるというけど、本当に足元は大切。
木々が強風で揺れ動くように人生の強風にあって感情は揺れ動くけど、根っこがしっかりとしていれば倒れることはない。
ナイキのシューズは柔らかく足を包んでくれる。
まるで心を強くする必要はない、心を柔らかくしなさいと言っているようで。
体も心も人生も一緒だ。
そんなことを考えながら、スリムな体を想像しながら走る毎日。
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