Mさんは考えているうちに楽しくなってきたようで、
「内装の手伝いだけはしてやろうか」
と言い出した。元々僕も箱が出来たらゆっくり時間をかけて内装を仕上げていこうと思っていたので、そうMさんに伝えると、ますます気が楽になったようで、じゃあ、カウンターは何の木でどういうのがいいとか、木材でオブジェを作る方法などを考えだした。
Mさんは日曜大工の達人で、チェーンソーひとつでテーブルを作ってしまう人である。設計だけしてくれれば、作業はしてくれるらしい。
そのうちレストランの話だけに留まらなくなった。
Mさんは
「裏にスノーモービルのコースを作ってスクールをしよう、でもそうすると雪上車で雪を踏み固めないとコースが作れないから駄目だなー」とか、
「そしたら、その雪上車にお客さんを乗せて下の沢まで連れて行けるなー」と色々アイデアが浮かんできたらしい。
そうするとOさんも負けじと
「そしたらレストランの上に自分が住む小屋を建てて、好きな時に食べに行くから俺だけは金とるなよー」、「あんたタダにしたら毎日行くから倍払いなさい」
などとまた下らない応酬がはじまっていたが、この年になって夢を話しているんだから、幸せだよなーと思いながら耳を傾けていた。
最後にMさんは
「石垣売ったお金で、雪上車とユンボ、ブルドーザー、新しいチェーンソーも必要だなー、やっぱりこの金すぐ無くなるなー」と言い出した。僕は確信した。強力な知恵袋が仲間になったと。
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