じゃー薪暖房にするー、となるところだが、僕はOさんの話を鵜呑みにしなかった。
何故ならOさんの山荘の森に生えている白樺の木を薪にする作業を手伝った事があるからだ。
とある雪解けの時期に、例年のスノーモービル遊びをしていた。
そこにロンドン帰りのGO君という奴が来ていた。彼は帰国したばかりで金的に少し困っていたようだ。僕も帰国後しばらく無職の経験をしたことがあるが、結構不安なものである。
何せ、まだ外人の感覚で社会復帰しなければならないが、そう簡単にはいかない。仕事上の人間関係の構築は結構大変で、言いたい事を言わないと生きて行けない国が多いが、日本は数少ない逆の国だから。
そこにOさんがグッドタイミングで、この森の木を間引いて薪にして売ったら金になるぞー、最近薪の値段が上がってるからなーとGO君に言いだした。
当然、GO君としては力仕事だし、簡単に金になると考えて了解した。
次の週、僕がモービル遊びのため山荘に到着すると、
「GO君が森に入って木を切ってるよー」とOさんに言われた。
様子を見に、モービルにまたがった。
すると、GO君は友達を連れてきたようで、二人で力を合わせチェーンソーを手に白樺と格闘していた。
初めてのキコリ作業で手馴れないのは分かるが、それにしても1本に1時間もかかっているのはどうもおかしいと思っていると、チェーンソーの歯がすりへって無くなっていた。
そんな事に気がつかず1時間以上格闘している2人を見て、大丈夫かなーと思いながら僕はモービルドライブに出かけ、二人の現場を後にした。
二人は雪の森に残り、僕に手を振って「またねー」と言っていた。
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