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旬な話

ご無沙汰でした。この数ヶ月の間に私事で結婚や勤務先麦酒停の30周年イベントなど公私にわたり充実した旬を感じ、またそれらを心から楽しむことができました。
三月に結婚披露宴のためにオリジナルビールを仕込みに行ったときはまだ辺りは雪景色で夏を待ち遠しく思っていたのも、六月に入り連続する真夏日に驚いていたら、7月になりもう夏が終わってしまったかのような寒さ、温暖化の影響なのか、地球のサイクルなのかはわかりませんが地球規模で気候が変化しているようです。

ここ札幌にも四季があり季節ごとにいろいろな要素が、視覚や味覚で旬を楽しむことができます。ドイツではその昔、ラガー(下面発酵ビール)を醸造するには低温発酵、熟成が必要となるために冷却装置がなかった頃はビール仕込みの最後のチャンスが三月ということから、通常の仕込みよりも濃度を高く醸造したものを「メルツェン」というビール製法の一つとして今でも受け継がれています。
私が造ったオリジナルビールはエール(上面発酵ビール)発酵だったためスタイル的には「メルツェン」には当てはまりませんが、麦芽とホップの香り、苦味がとても豊かな素晴らしいビールに仕上がり、まさしく「旬」の飲み頃でした。

先人達は気候や風土における様々な方面からあらゆるものを発見、創造してきました。特に人間が生きるのに欠かす事の出来ない飲食物に関する習慣や技術は遥か昔から受け継がれ、より改良を重ね現代に至っています。
文明の発展の傍らにはいつもビールがありました。現代のような醸造施設が無かった遠い昔は、穀物の生育状況、気候に合わせてビール造りが行われていました。長期保存できる飲料水という目的もありましたが、ビールを楽しめるということは季節の「旬」だったのではないかと思います。

現代、あらゆるものが「旬」には関係なく楽しめる時代です。便利でとても良い事だと思いますが、先人達が築きあげてきた知恵、その意味を感じとって付き合えばまた違った一面がみえてくるはずです。少し景気や生活に閉塞感が漂う世の中ですが、日々の暮らしの中でたくさんある「旬」を感じとって、楽しみ、活用していくことが、社会が元気になるための第一歩ではないでしょうか。7月、札幌も夏本番を迎えます。まずはビアガーデンという旬を楽しんみようと思います。


(2010年07月15日)

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