どこかのビールメーカーのセールスコピーみたいなタイトルですが、よくお店で話題になることの一つです。
日本大手メーカーの工場に見学に行くと、たいがい出来立てのビールを飲むことができます。(それが目当てで行く方も多いと思われますが)やはり、美味しいですよね。それはビール工場という環境が美味しくさせているのはもちろんですが、ちゃんと理由があります。ビールは酵母の発酵でできるお酒です。製品化(缶詰め、瓶詰め、樽詰め等)の前に発酵に使った酵母を濾過してしまいます。
それは品質を一定に保つために行われる作業でより美味しくするためではありません。それらの酵母は発酵期間にその特性を最大限に発揮し、ある程度の役目を終えます。そのままにしておくと酵母の腐敗臭や生き残った酵母により発酵が進み風味が変化してしまいます。
以前は牛乳のように熱処理するのが主流でしたが今は超マイクロフィルターによる酵母除去が可能になったため濾過だけをしています。いつのまにか熱処理をしないのが、定義上「生ビール」ということになっていきました。
ビールは酵母を取り除いた時点から徐々に劣化が始まります。取り除く事によって品質の安定をゆっくりと保たれますが、熟成することはできません。ここに工場で飲むビールの美味しさがあります。それとは逆に製品化後ある程度、時間が経った頃が飲み頃のビールもたくさん存在します。息の長い酵母を使用する事により、発酵途中で出荷することが可能で、長い物で約十年間の瓶内熟成で飲み頃になる物もあります。それ以前でも充分に美味しいので飲み頃は自身で決めるということも楽しさの一つです。
こういったスタイルのビールはベルギーを始め、主に世界の少量生産の工場で造り続けています。モルト、ホップ、酵母等原材料の特質や量、発酵過程、出荷にいたるあらゆる要素で多種多様なビールが誕生します。ビールの味は世界の人口、もしくはそれ以上無限に造り出すことができる可能性を秘めています。人間の生き方のように若くして燃え尽きてしまう人、年が増すごとに色気を出す人、長生きで一生涯楽しんでいる人、まるでビールは人間の縮図のようにも感じます。でも、ビールは嘘をつけません。いつでも本音でぶつかってきます。それを受け止められる人が美味しくビールを飲める人なのかなと最近感じています。
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