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第3回 個性豊かなビール達


本格的な夏が到来し、皆さんのビール指数、お出かけ指数も上昇中だと思います。青くて高い空、深い緑の山々、そして黄金色に輝くビール。四季折々たくさんの色彩を楽しめる北海道が私は大好きです。

お酒の中でも色、香り、味覚、シチュエーションを変えて楽しめるのがビールだと思います。夏の暑い時はホップのさわやかな苦みと香りがするラガー、ペールエール等が乾いた喉を潤してくれます。秋には麦芽の焙煎度が強いボック、ブラウンエールを夜長に収穫をむかえた美味しい食材と共に。冬はハーブ、スパイス等を加えた濃色のウィンターエール等を温かい料理と囲み仲間と楽しんだり、暖房の効いた暖かい部屋で冷たいビールを流し込んだり(北海道だけ?)春は小麦を原料とした、ほのかに果実のような風味を醸し出すヴァイスビールが似合ったり。

ビールは醸造方、材料、地域によって細かく分類すると80種以上にもなります。その一つ一つに伝統があり今でも受け継がれて醸造されています。あるビール評論家はビールをコーヒーやパンに例えます。コーヒーはインスタントコーヒーで構わない人もいれば、豆の違いからこだわる人もいます。パンも大量生産されたものでかまわない人もいれば、少量生産で材料からこだわり、作り手の顔が見えるパンの方が良いと思う人もいます。どちらが美味しいと思いますか?もちろんそれは人によって意見は違いますが、そのものの個性や味わい、温もりを感じるのは後者だと私は思います。

ワインはその年の葡萄によって味わいが変化しますし、日本酒は米によって変化します。もちろんそれらを発酵させる酵母が重要になるのは醸造酒としては当然です。ビールの主原料は麦芽です。麦芽は加工物で、いろいろな種類の麦芽が存在します。何を使うかによって色はもちろん、甘さ、渋さ、酸味など幅広い味わいを引き出すことができ、そこにホップというビールの調味料を加え、香りや苦みをつけていきます。このホップにもたくさんの種類があり、使用するものによって香り、苦みは全く変わってきます。これらの作業の時間や温度、酵母の力などからも味わいは変わってきます。

ビール職人はたくさんの食材を操る料理人と同じです。仕込み、手のかけかたで味が変わってきます。食べ物もその時の気持で選んで食べるように、ビールを飲むときもその時の気分やシチュエーションに合わせて、銘柄、スタイルを選んで飲まれるようになればと日々願っています。

お店で働いていてよく聞かれる事の一つに「一番美味しいのは何?」と聞かれます。これは一番難しい質問です。美味しい物は人によって違います。いろんなビールを機会あるごとに飲み続けていくと大抵の人は自分好みの味に出会えます。人の出会いと通じるところがあり、人にもたくさんの個性、色があるようにビールにもたくさんの個性、色があります。出会った時の喜びは必ずあなたを幸せにしてくれるでしょう。もし、量販店、飲食店で知らないビールがあったら手に取ってみましょう。そこが「あなたの知らない素晴らしきビールの世界」の入り口です。


(2007年08月03日)

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