なるほど情報ウェブマガジン【週刊コラナビ北海道】毎週木曜日更新

週刊コラナビトップ > Welcome to The Beer World

Welcome to The Beer World

植野大作 プロフィール

北海道出身 こよなくビール、酒を愛する31歳 
フレッドカフマンが経営する札幌の老舗ビアバー 「Beer Inn 麦酒停」と
酒類輸入卸会社「えぞ麦酒株式会社」に十年以上勤務

*お店紹介
Beer Inn 麦酒停
札幌市中央区南9条西5丁目ヨシヤビル地下 
011-512-4774
オーナーフレッドカフマンオリジナルビールをはじめ世界各国300種以上のビールが飲めます。
壁面に並ぶ約3000種のビール瓶、缶コレクションは圧巻
アメリカン料理、多国籍なおつまみも等も充実

*会社紹介
えぞ麦酒株式会社
日本の地ビール解禁前にアメリカ、オレゴン州にある「ローグ社」と共同企画、
醸造により「蝦夷麦酒」シリーズを発売
現在はアメリカの他ベルギー、スコットランドより約30種のビールを輸入、卸、販売しています。
http://www.ezo-beer.com/

第10回 ビールと器、人の器

ビールの器といえば一般的にグラスです。グラスといってもたくさんの種類があり用途により使用するグラスが変わってきます。これからの季節、暑い日には大手メーカー等の喉越しが良いラガービールを口触りが良い薄めのタンブラーや、しっかりと冷えたジョッキで最初の一杯を流し込むのも気持ちの良いものです。

前回までの話題で記したようにビールには多種多様の味わいがあり、楽しみ方もそれぞれです。その一つに器(グラス)があり、より一層味わいを引き立たせ、楽しませてくれる道具として欠かすことができません。種類が豊富なベルギーでは一銘柄に付き専用のグラスがあります。どれも個性的でしかも見た目だけではなく、そのビールの味わいを最大限引き出してくれるものになっています。

香りを楽しむビールは口が大きく、飲み頃温度が高めのビールはブランデーグラスのように下部が丸く膨らんでいて手のひらで温めながら楽しむもの、昔の陶器のカップでは気が抜けないようにフタが付いていたりと、様々です。以前、ヨーロッパのパブに行った時、壁に細長い4Lは入ると思われるグラスが横に掛かってあり、その上には確か「4:32」と手書きで書かれていました。何かと尋ねると、このグラスでビールを飲みきった最速タイム(4分32秒)とのこと。「お前もやるか?」と聞かれその時点で5L以上のビールを飲んでいた僕は残念ながら丁重にお断りいたしました。
遊びが許されるのもビールの特権です。

綺麗に洗われたグラスにビールを注ぐと底にぶつかった液体が解き放たれた喜びを泡と化し弾けます。喜びが大きいほど登りきり、やがてグラスの中で液体と泡が分離し、しっかりと液体を包み込み美味しさを守ります。ビールを形成する全ての要素が絡み合い奏でられる瞬間です。受け止める器によってそのビール達の個性の表現が変わり、飲み手の器を試されます。時には厳しく、時にはやさしく。その時の一杯のビールから感じる何かがその人のバロメーターのような気がします。人もビールも器が大事ですね。さぁ、今宵の僕の器はどんなものか飲みながら考えてみますか。


第9回 まだまだ粋(生き)なビール 第一章

最近、私的には残念な事ですが世界的にビールの消費量が減少しているそうです。飲酒人口も減少しているのはもちろんのこと、酒造メーカーの惜しまない努力の結果、いろいろなジャンルのお酒が誕生し、消費者の選択肢が増えているのも確かなことと思います。

しかし、まだまだ世界で一番呑まれているのはビールです。たかがビール、されどビール。ここでもう一度ビールの良さを考えてみましょう。

ビール(発泡酒含め)は醸造酒です。穀物(主に大麦麦芽)を水に浸し、穀物のデンプンにより出来る糖化液(麦汁)を酵母による発酵でアルコールと炭酸を発生させます。まず、このビール酵母ですが麦汁のタンパク質、食物繊維、ミネラル、ビタミンBなどの栄養素が豊富に含まれています。サプリメントとして販売されるくらいにその効用は広く知れ渡っています。製品化されたビール中の酵母の有無がいわゆる「生」ビールであるか否であるかと個人的には思います。

おおよそ、大手メーカーのビールはボトリング(樽詰めも含む)時に風味を固定させ、品質管理のために酵母を限りなく取り除いてしまいます。その方法として二つあります。一つは牛乳等と同じように熱処理です。熱を加え酵母を取り除きます。二つ目は濾過(ろか)です。フィルターにビールを通して濾します。

現在、日本の「ビールの表示に関する公正競争規約・第4条」では熱処理しないビールを「生」ビールと呼ぶそうです。残念ながら大手メーカーの市販されているビールのほとんどが製品化時にフィルターに通し酵母が取り除かれています。世界における小規模ビール醸造(日本では一般的に地ビール)では熱処理も濾過もしない酵母入りビールが主流です。白濁しているビールを見かけたことはないでしょうか?それは酵母が入っているビールの証です。日本酒だとにごり酒、どぶろくといったところです。

酵母が生きているビールは早く呑まないといけないと考える方もいますが、ビールのタイプ、製法、酵母の質にも因ることですが酵母入りだからこそ長く保存出来るという利点も場合もあります。逆に酵母を取り除くことはその時点から劣化していくことを意味します。だからビール工場で呑むビールが美味しい場合もあります。決してどちらが良くて、どちらかが悪いということではありません。それだけビールという酒の幅、奥行きがとても広いことを意味しています。

全ての人や物事と同じように少し目線を変えて付き合っていくと新たな発見がまだまだあります。生き物と付き合うのは難しいですが、やっぱり人もお酒も「生(き)」で「粋」の方が良い気がしますね。

「酒の道は人の道」

つづく。

第8回 チョコレートビール

いつも更新が遅れて申し訳ないです。皆様どのように過ごしでしょうか?

札幌はこの数週間でまとまった雪が降り、辺りは真冬の光景ですね。来週から雪祭りも始まり街も賑やかになり、寒さもピークを迎えることでしょう。例年、雪祭りが終わると少しずつ暖かくなり、全体が春に向けて動き出したなぁと感じます。そして雪祭りが終わるとバレンタインデー。一年の中で男性が一番落ち着かない日ではないでしょうか。

最近はいろいろなアイディア商品が販売されていますが、私が勤めるえぞ麦酒(株)ではチョコレートビールを提供しています。

専門的には「チョコレートスタウト」スタウトとは焙煎度の強い麦芽を使用し、上面発酵(エール)で醸造されたビールのことです。発祥はイギリス、アイルランドと言われています。代表的なものはギネスでしょうか。

ビールと食の相性はとても幅が広く、発酵法、使用する麦芽、ホップ、色によりかなり替わってきます。ビール党の方は「ビールと甘いものなんて合わない」と思うのが大半ではないかと思われます。ですが、スタウトには甘いものがとてもよく合います。(個人差はありますが。)焙煎した麦の苦み、ホップの苦みがフレンチローストのコーヒーのように感じ、チョコレートを食べた後、舌に残る甘みを調和させながら流し込んでくれます。最高の瞬間です。そんなに相性が良いならば一緒にならないかということで企画、醸造されました。

チョコレートには油分が含んでいて、ビールにすると油とアルコールの相性が悪く、なかなかうまく進みませんでした。だったら油の無いチョコレート、すなわち原料のカカオの水性エキスの使用を試みました。すると麦芽を焙煎した時に麦芽の中の糖が焦げ、黒糖のような甘みと、砂糖、油分を一切含まれないカカオの苦みがとてもバランスが良く素晴らしいビールが完成しました。これが「チョコベアビアビター」自慢の一品です。

その数年後にラクトス(乳糖)使用したミルクスタウト「チョコベアビアスイート」も販売しました。セットも販売中です。…。あら、気付けば営業コラムになってしまいましたね。そうなんです、このビール達の営業でひたすら動き回っていたもので更新が遅れてしまい…すみません。苦みと甘みを兼ね揃えたまるで人生の縮図のようなこのビール、ぜひ贈答用、自分用に。ご賞味くださいね。私はバレンタインデーの夜、麦酒停のカウンターでお待ちしています。

第7回 可愛い子には旅させよう

ご無沙汰していました。旅行、通常業務が忙しく更新が遅れた事に対しお詫び申し上げます。

先月、ビールとテキーラの研修??の為にアメリカはカリフォルニア州のサンフランシスコ、ロス、サンディエゴ、メキシコはテキーラの産地ハリスコ州とメキシコ第二の都市グアダラハラに行ってきました。カリフォルニアのGDPはヨーロッパのドイツ、イタリアの大国と同等というからすごい。アメリカ経済の大事な基盤になっているのは間違いありません。

毎朝、飲んだオレンジジュースが美味いのなんの。アメリカでは数カ所のビール醸造所に出向き、見学させてもらいましたが,いずれも自社商品に対する誇り、品質の良さ、意識の高さに驚かせられます。その地域に住む一人一人が土壌に感謝し、仲間を尊敬し、生産物に注ぐ気持ちは計り知れないものがあります。彼らは目先の利益だけでは無く、現代の自分達が出来る事を創造しその先を常に想像し日々素晴らしいものを世に送り出しています。そういった生産物をもっともっと末端消費者として応援していきたいと強く感じてきました。

日本、特に今の北海道は自給率が100%を越える土地です。自給率は上がっていますがそれに伴う道民の意識が追いついてないような気がします。聞いた話ですが北海道にある私の田舎では鮭の水揚げが一時は日本一の町で、今でもそれに準ずる漁獲高があります。しかし、国内での流通より海外でそのブランドを発揮していると聞きました。

今日も市内某スーパーに立ち寄りましたが鮮魚売り場の鮭は全て輸入物でした。地場産は輸出され、地元人は輸入物を食べるという明らかにおかしな状態です。地産地消。地元で消費され、なおかつ、他にも供給されれば良いのですが。

ビール業界もそういった風潮が今でもあります。ドイツでは自社の工場の煙突が見える範囲しかビールを動かさない醸造所も今でもあると聞いています。小樽ビールも工場の半径100km以内にしか出荷しないという決まりがあります。他社との差別化も大事なのはわかりますし、間違いではありません。

私の考えは違います。これだけ流通がよくなったこの世界。美味しいものはどこでも(少し語弊がありますが)楽しめる世の中です。物を生産、売買するという行為がもう少し貪欲であっても良いのではないかと感じます。官公庁に頼ってばかりではなく自分達で売り込む力が今の私たちには必要ではないかと強く感じています。そして生産物をもっと広く旅させましょう。人間と一緒で、旅をすることでたくさん事を吸収してより強くなって私たちの元に還ってくると思っています。いろいろな刺激を受け試行錯誤し、切磋琢磨して、さらに良いものが生まれ、その結果良い物を見極められる力が消費者にも備えついてくると思います。

いつの日か北海道がカリフォルニアのGDPを追い越せる日を夢見て、では、今宵は富良野産ホップのを使ったビールで乾杯するとしますかー。

第6回 あなたの知らないテキーラの世界

テキーラ、なんて素敵な響きでしょう。テキーラと聞いて歌とライムを思い出した方は正常です。サボテンを思い浮かべた方はこのコラムを最後まで読むべきです。現在、麦酒停では約300種のビールと約50種のテキーラを揃えています。(知らなかった人も多いのでは?)

お酒を飲み始めた頃、この世の中にはたくさんの酒がある事を知って、できるだけ多くのお酒を知りたいと思い、機会あるごとに様々な酒を試してきました。いわゆるスピリッツを好むようになり、知らないジン、ウォッカ、ラムがあればよく飲んでいました。でも、いつもその酒の横にあるのはビール、そう、チェイサーにビールがとてもよく合うのです。、美味しく感じるのです。ドイツではキンキンに冷えたシュナップスをショットで一杯呷ってからビールを飲み始めるという文化もあります。テキーラはアルコールが強い、と思ってる方も少なくないのではないでしょうか、テキーラはほぼ全てが40%と決められています。たまに例外で38%もあります。(確かに弱くはないですね。)

そんなこんなで冒険をしてたときに出会ったのがテキーラで、どんなビールとも相性が良く、この出会いからはテキーラのアルコール度数も手伝ってかアルコール漬けの日々がしばらく続いてしまいました。テキーラはどうやって造られているのかと疑問を抱き、いろいろ調べてみることに、大半の方がサボテンと思われてるのではないでしょうか?正解はアガベ(竜舌蘭)という穀物から造られる蒸留酒です。

アガベ

このアガベ(写真)が大変興味深い穀物で生育するのに6年から10年かかります。それから糖化させ蒸留し、蒸留したてのものをブランコ(シルバー)二ヶ月以上約一年木樽熟成させたものをレポサド(ゴールド)、レポサドより長期間熟成させたものをアネェホ(エイジド)と呼ばれます。しかも下記のような規格があります。

上記以外のものはメスカールと呼ばれ、テキーラとは分けられています。
決してメスカールが下等品ということではありません。シャンパンとスパークリングワインと同様です。

来月、テキーラの産地、メキシコ、ハリスコ州に研修?のため行ってきます。今から楽しみです。ビールの話の合間を縫って、また、テキーラの話やそこで経験したことを伝えたいと思っています。乞う、ご期待を!

今回は本題から外れてしましたが、美味しいお酒はやはり相性が良く、人を楽しくさせてくれます。今晩あなたがビールを飲む時、いつものビールグラスの横にあなた好みのスピリッツを注いだショットグラスを添えてみてはいかがですか?秋の夜長、まったりとした幸せな時間が訪れるでしょう。では、Salud!!

アガベ

第5回 Michael Jackson

2007年8月30日「マイケルジャクソン」さんが享年65歳で亡くなりました。余程のビール、ウィスキー好き以外の方はムーンウォーク、スリラー、ネバーランド、黒から白の歌って踊れるマイケルジャクソンを想像するでしょう。同性同名ですが、実は違います。彼は別名「ビア ハンター」と呼ばれ、ウィスキー、ビールの評論でその業界の中では有名な方です。ベルギービールを世界に広め、日本より早く始まったアメリカのビールの小規模醸造、その後の日本の地ビールの普及、発展に多いに貢献されました。彼の著作である「世界ビール大全」「ビアコンパニオン」。今でも僕のバイブルになっています。彼の本を頼りにヨーロッパを周り、おかげで素晴らしいビールに出会えました。

彼は1996年2月と2005年2月の二度麦酒停に来店しています。初来店の時には北海道新聞のインタビュー受け、最初のコメントは「私がオリジナルです。」と茶目っ気たっぷりな方で親近感を覚えたものです。当時、店のトイレの壁は世界中から訪れるお客さんの落書き版にもなっており、それを見た彼は「面白いね、俺にも書かせてよ」と、マジックを片手にトイレに入り、片隅に「Michael Jackson was here」と書いていきました。残念ながら数年後、改装のため無くなってしまったのですが、直前にデジタルカメラで撮影して今でも大事に保存しています。

二度目は余市のニッカウィスキーに訪れた時、通訳に彼が「札幌でぜひ行きたいお店があるんだけど、調べてくれないか」と、聞かれ、店に電話をもらい、来てくれたのでした。彼の事を好きな常連さん達にも声を掛け集まっていただき、彼の著作本を持ち込んでサインをしてもらう人もいてその中にはもう廃盤になっている物もあったようで彼が驚いていました。この時麦酒停の為に書いてくれたサインは今でも飾っています。

To Phred's Bar
~One of the world great wartering holes~ Michael Jackson " The Beer Hunter"
9,Feb 2005

麦酒停さんへ
世界の偉大な飲み屋の一つです マイケルジャクソン"ビアハンター"
2005年2月9日

そんな彼は長年パーキンソン病を患い、その他の健康上の問題で8月30日にロンドンの自宅にて永眠しました。彼はウィスキーはもちろんビールにおいてはビールを愛する者達、それに付随する関係者各位全てに多大な影響を与えたのは紛れも無い事実です。彼の活動をこれからはより多くの人達に伝え、より発展させていければなと思っています。

アメリカ東部時間9月30日午後9時より世界中の飲食店で下記ポスターが掲示されているお店ではその日の売り上げをパーキンソン病基金の為に協力をしています。見かけたらぜひ入店して協力願います。我が麦酒停も9月30日(日本時間)の営業時にポスターを掲示し協力する予定です。(残念ながら私は所用で上京中です)お店は営業しています。
参考URL michaeljacksonthebeerhunter.blogspot.com/
みんなで一杯のビールについてとことん語ってみませんか?必ずあなたにとって良い時間になることでしょう。 献杯


第4回 ビールフェスタに想う

お盆も終わり、例年だと北海道は秋に向かってまっしぐらのこの季節。今年はこの夏の暑さを惜しむかのように残暑が襲っています。毎年恒例、札幌大通り公園で7/20から8/10までの三週間に渡って行われたビアガーデンは天気と暑さに恵まれて史上二番目のビール消費量だったとか。

今年は西11丁目会場がドイツ広場と称してドイツビールと料理を提供していました。本格ソーセージ、ザワークラウト、そして本場ドイツの樽生ビール、時折流れる「乾杯の歌」で気分はさらに盛り上がります。何度か足を運び、暑さを言い訳にたらふくビールを堪能したのがもう遠い昔のようです。
規模は全く違いますが8年前に行ったドイツ、ミュンヘンの「オクトーバーフェスト」を思い出します。
http://www.oktoberfest.de/en/index.php

「オクトーバーフェスト」とは、十月の第一日曜日を最終日とし、約二週間開催される世界最大規模のビール祭りで世界中からビール好きの人達が集まります。ミュンヘン近郊のビール会社14社が参加しそれぞれの醸造規模に合わせ2,000人から10,000人もの人を収容できるテントを設営します。中では中央のステージ上で生バンドが常時演奏し、「乾杯の歌」が始まると会場の人達が椅子に立ち上がりジョッキを振りかざし一斉に歌い始めます。あの迫力には圧倒されました。名物メイドのおばちゃん達が両手に1リットルジョッキをたくさん抱え歩き回っています。グリルドチキンも有名で美味しく、これだけの人数を相手にしているのに料理も抜かりなくとても素晴しいです。その会場を取り囲むように外ではプレッツェル屋さん、お土産屋さん等のお店や、移動遊園地などのアトラクションもあり一帯は巨大アミューズメントパークと化しています。このオクトーバーフェストはドイツ人、ミュンヘン市民が築いてきた伝統であり誇りなのです。ビールが似合うここ北海道、札幌でも「納涼ビアガーデン」以上のビールフェスタをいつの日か企画、実行し世界に誇るイベントに育てあげていければなと夢見ています。もっと北海道の産業が世界に飛躍していくためには必要不可欠と思います。財政が苦しい北海道、目先の利益だけを求めるのではなく、各方面からたくさんの意見を出し合って、議論して官民一体の素晴らしい土地、心作りが今の北海道には必要と思います。今宵も美味しいビール飲んで多いに自分、世界に思うビジョン語りましょう!たくさんビールが進むはずです。なぜなら、みなさんあまり気付いてないようですが、ビールの最高のつまみは枝豆でもなく、唐揚げでもなく、楽しい「会話」なんですよ!

第3回 個性豊かなビール達


本格的な夏が到来し、皆さんのビール指数、お出かけ指数も上昇中だと思います。青くて高い空、深い緑の山々、そして黄金色に輝くビール。四季折々たくさんの色彩を楽しめる北海道が私は大好きです。

お酒の中でも色、香り、味覚、シチュエーションを変えて楽しめるのがビールだと思います。夏の暑い時はホップのさわやかな苦みと香りがするラガー、ペールエール等が乾いた喉を潤してくれます。秋には麦芽の焙煎度が強いボック、ブラウンエールを夜長に収穫をむかえた美味しい食材と共に。冬はハーブ、スパイス等を加えた濃色のウィンターエール等を温かい料理と囲み仲間と楽しんだり、暖房の効いた暖かい部屋で冷たいビールを流し込んだり(北海道だけ?)春は小麦を原料とした、ほのかに果実のような風味を醸し出すヴァイスビールが似合ったり。

ビールは醸造方、材料、地域によって細かく分類すると80種以上にもなります。その一つ一つに伝統があり今でも受け継がれて醸造されています。あるビール評論家はビールをコーヒーやパンに例えます。コーヒーはインスタントコーヒーで構わない人もいれば、豆の違いからこだわる人もいます。パンも大量生産されたものでかまわない人もいれば、少量生産で材料からこだわり、作り手の顔が見えるパンの方が良いと思う人もいます。どちらが美味しいと思いますか?もちろんそれは人によって意見は違いますが、そのものの個性や味わい、温もりを感じるのは後者だと私は思います。

ワインはその年の葡萄によって味わいが変化しますし、日本酒は米によって変化します。もちろんそれらを発酵させる酵母が重要になるのは醸造酒としては当然です。ビールの主原料は麦芽です。麦芽は加工物で、いろいろな種類の麦芽が存在します。何を使うかによって色はもちろん、甘さ、渋さ、酸味など幅広い味わいを引き出すことができ、そこにホップというビールの調味料を加え、香りや苦みをつけていきます。このホップにもたくさんの種類があり、使用するものによって香り、苦みは全く変わってきます。これらの作業の時間や温度、酵母の力などからも味わいは変わってきます。

ビール職人はたくさんの食材を操る料理人と同じです。仕込み、手のかけかたで味が変わってきます。食べ物もその時の気持で選んで食べるように、ビールを飲むときもその時の気分やシチュエーションに合わせて、銘柄、スタイルを選んで飲まれるようになればと日々願っています。

お店で働いていてよく聞かれる事の一つに「一番美味しいのは何?」と聞かれます。これは一番難しい質問です。美味しい物は人によって違います。いろんなビールを機会あるごとに飲み続けていくと大抵の人は自分好みの味に出会えます。人の出会いと通じるところがあり、人にもたくさんの個性、色があるようにビールにもたくさんの個性、色があります。出会った時の喜びは必ずあなたを幸せにしてくれるでしょう。もし、量販店、飲食店で知らないビールがあったら手に取ってみましょう。そこが「あなたの知らない素晴らしきビールの世界」の入り口です。

第二回 ビール税金的考察(1)

ビール、発泡酒は今現在、庶民にとって一番身近なアルコール飲料として定着しています。その一杯のビール、発泡酒にどれだけ私たちが国に貢献しているか(騙されているか、おっと失礼)を税金という観点から考えていきましょう。

最初に知ってほしいのは「発泡酒」という言葉はあくまでも酒税法の区分であって先代達が築いてきたお酒の文化とは全く異なるものなのです。これは私の私見ですが、僅かでも大麦、小麦、大麦麦芽、小麦麦芽を使用した発泡性醸造酒は世界標準で「ビール」と呼ばれてよいものだと思います。

まず、日本ではビールとは何でしょう。大麦麦芽を原材料とする醸造酒です、現在日本の酒税法では大麦麦芽使用比率が50%以上で副原料は米、コーンスターチ等の使用が認められ、ホップ、酵母、水のみで造られたものがビールという区分にあてはまります。したがって大麦麦芽使用比率が50%未満のビールは発泡酒に分類されてしまいます。発泡酒の税区分は三段階にも分かれています。

  1. 大麦麦芽使用比率が25%以上50%未満
  2. 大麦麦芽使用比率が25%未満
  3. 大麦麦芽以外の糖分から醸造された発泡性醸造酒

大手メーカーが発売する発泡酒が2番に相当します。原料の3/4が副原料のビールということになります。俗にいう第三のビールとは3番に相当します。サヤエンドウや、大豆の糖分から醸造した発泡性醸造酒です。

税額をみてみますと、

ビール=1リットル当り¥220
発泡酒(上記1)=1リットル当り¥178
発泡酒(上記2)=1リットル当り¥134
発泡酒(上記3)=1リットル当り¥80
になります。ワインで約¥140、焼酎で約¥200ですからビールの税金があまりにも高いのがわかります。これが日本でビールが高級酒と言われる所以です。

欧米諸国ではビール1本に係る税金の割合が約10%に対し日本では約40%以上になっています。高過ぎると思いませんか?仕事後の一杯のビールは庶民のささやかな幸せな瞬間です。その楽しみにも多額の税金をかけられているのです。

以前、ワインやウイスキーがべらぼうに高かったのをご存知の方も多いと思います。果実酒、蒸留酒の減税に伴い、いつの間にか安いワインや、以前高かったウイスキーが格安で出回るようになりました。

その昔、世界のワインメーカー、ウイスキーメーカーにとって日本は良いマーケットでした。しかし高額な関税、酒税が障害となり流通が困難になってきたため、世界の各メーカー、輸入会社が政府に酒税を改正するよう求めてきました。外圧に弱い日本(おっと失礼)は減税を余儀なくされ今の税率に改正されました。約12年前にビールの小規模醸造が可能になったことは素晴らしいことだったのですが、醸造量の緩和だけであって酒税の改正はされませんでした。今考えれば、すごく中途半端な緩和政策だったと思います。

次は我々庶民が立ち上がる時です!政府に向かってビールの減税を叫びましょう!美味しいビールのために、ビール文化を守るために。そして明日の労働の活力のために!

第一回 私の軌跡

みなさん、こんにちは。「週刊コラナビ北海道」開設おめでとうございます。

これからお付き合いさせていただく植野大作と申します。これも何かの縁と考えこのサイトがより盛り上がるよう微力ながら協力していきたいと思っています。まずは第一回ということなのでより私の事を理解してもらうために私の軌跡でも綴っていきましょうか。

1975年5月13日北海道標津町にて植野家の長男として出生しました。実家は両親二人で小さな居酒屋を営んでいます。

5歳の頃に剣道を始め高校3年生まで続け三段を取得しています。何度も挫折しそうになりましたがその経験が今では私にとってかけがえのないものとなりました。その頃大好きだった剣道漫画「六三四の剣」の中でも出てくる言葉「一期一会」いろいろな人間に出会い数多くの事を学びました。その言葉の意味が年を重ねるごとにより理解し感動を与えてくれているような気がします。本当に感謝です。

高校卒業とともに慣れ親しんだ街を出て札幌に出てきました。

中古車販売店、運送業と職を転々とし、自分の生き方に不安を感じていた時に友達に連れて来てもらったお店が今の職場でもある麦酒停でした。

麦酒亭

外国に興味を抱いていた当時の私にはまさにそこは異国でした。なんともいえない雰囲気、300種に及ぶビール。マスターは髭だらけのアメリカ人、何かを直感したのか、開口一番マスター(以下フレッド)に「ここでは今、バイト募集してないのですか?」と訊いてみたところ、丁度当時のスタッフが辞める一週間前とのこと。

それに対する返答は「いつから来れる?」とフレッド。おいおい、まだ正式な面接もしていないに俺で決まりかよ~。と思いながら「来週には来れます。」と前向きな返事。お互いをよく知らぬまま私の麦酒停勤務が始まりました。それが1995年5月の事。

当時日本は地ビール醸造(小規模ビール醸造)が解禁となったばかりでご当地ビールが全国で造られるようになりました。

その解禁になる少し前にフレッドは「ロスチャイルドサッポロ」(のちに現えぞビール株式会社)という酒類輸入卸業も立ち上げていて日本より約20年早く始まっていたアメリカの地ビール醸造、なかでもフレッドが惚れ込んだ北海道紋別市と姉妹都市でもあるオレゴン州ニューポート市のビール「ローグエール社」に弊社オリジナルビール蝦夷麦酒シリーズを委託醸造させ輸入販売していました。

そして北海道は30社を超えるビール醸造所ができ北海道のビール文化が変わっていく時でもありました。

あれから十年以上が過ぎ、残念ながら競争に敗れてしまった醸造所が増え残念に思いますが、良いビールはやはりまだ生き続けています。日々まだまだ進化しています。私なりのビールに対する価値観、麦酒停のカウンターで起こった事など日々感じたことを少しずつみなさんにお伝えしていければ良いなと思っています。

文章を書くのは苦手な私ですがわかりやすく、面白く表現できるよう努力していきたいと思っています。何卒これからもよろしくお願い致します。