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第31回 Barで暖機運転

行灯を出そうとお店から出ようとした時、ちょうどE氏がビルの入り口に現れた。 

いつもご来店していただく時は、一次会が終わってからなので、この時間帯はきっと、上の階の食べ物屋さんで、ご飯を食べるものだと思い「こんばんは。」と挨拶をすると、「もう開いてるかい?」っと、意外な問いかけに「え?、あっ、もちろんです。」っと、ちょっとおどおど。

「もう一次会は済んだんですか?」とお聞きすると、ご飯を食べに行く予定だった人が、急に都合が悪くなって、遅れることになり時間が空いてしまったとのこと。 

「たまには気付けにカクテルもいいかなと思ってさ。」とE氏。

嬉しいお言葉。 

最近、すっかり食前酒をバーで飲む粋な人が少ない。 

食前酒は19世紀、フランスから始まった習慣で、食欲増進と会話を弾ませるきっかけに、食事の前に1,2杯飲むお酒のこと。 

実はカクテルの王様といわれている"マティーニ"も欧米などでは食前酒としてよく知られたカクテル。 しかし、日本人には少々食前酒としてはきついので、お店で食前酒としてお客様にお出しするカクテルは"スプモーニ"や"キール"を作ることが多い。 

E氏には"ギムレット"と"ダイキリ"を。 両方ともライムジュースを使った酸味の効いたさっぱりしたショートカクテルでアルコール度数もそれなり。 酸味があるので食欲増進にはピッタリのカクテル。 食事前のアルコール摂取は吸収が早いので要注意だけど、"空酒"が美味しく思えるのは事実。

E氏曰く、アペリティフ(食前酒)にこれくらい飲んでおくと、食事の時にお酒をそんなに注文しなくて済むし、胃の暖機運転にもなっていいらしい。

結局、E氏は4杯のショートカクテルを飲んでお店をあとに。

少々、暖機し過ぎたような気もするけど、仕事から解放され、食事までの一人の時間を、ゆったりと過ごされていかれました。

<今夜の酒>

★Bambooバンブー

★Bambooバンブー

食前酒としても飲まれている代表的なカクテル。 スペインの酒精強化ワインとして知られるシェリーと白ワインに香草やスパイスを配合してつくられるフレーバード・ワインのベルモット、オレンジビターをステアして作る。 ショートカクテルとしてはアルコール度数が低く、さっぱりとしているので食前酒としてはお勧め。


(2010年04月01日)

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