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BARカウンター営業日誌

マスター・タカハシ プロフィール

Bar Piece of Dreamの店主

第13回 一ノ蔵の会

先日、 後楽園ホテルで行われた「一ノ蔵の会」に今年も参加しました。

一ノ蔵は、昭和48年に浅見商店・勝来酒造・桜井酒造店・松本酒造店がひとつになり誕生した宮城の蔵元。

今年で第二十回目を迎えるこの会、今回もたくさんの一ノ蔵ファンが会場に集まり、一ノ蔵を代表する商品のほかに、非売品や限定商品といった18種類のお酒が飲み放題。 酒の肴も充実していて、宮城の特産で作ったおつまみの盛り合わせをはじめ、ポークステーキ、やお寿司など和洋折衷、程よく用意されている。

冒頭には社長、杜氏を含めた社員一同がステージに上がり仕込み歌を披露するが、これがまたちょっと微妙に音が外れているようないないような...。

挨拶が終わる頃にはテーブルの上においてある数種類の酒は一通り飲み終わり、「それでは暫しのご歓談を...」と聞くや否や、みんな一斉にテーブルをはなれお目当ての商品を取りに行く。

徐々にテーブルの上のグラスは増え、しまいには気に入った酒をデキャンタで。
いつのまにか隣にいる知らない人もすっかり友達。

美味い酒に酔いしれる笑顔を見るのはやはりいいものだなぁと思う。
カウンターに入って酒を注ぐ一ノ蔵の人たちもいい笑顔。

自分もあんな調子で日頃働けているだろうか... などと客観的に見てる自分の飲みの足りなさに少し疎外感を覚えながら会場をあとに。

残念ながらこれから仕事...。

お店を開け、あの一ノ蔵の人たちの笑顔を思い浮かべる。

結局、その日きたお客様には「マスター酔っ払ってる?」と散々突っ込まれ、お客を酔わせる前に酔っているふとどきなバーテンで終わってしまった...。

「伝えたかったものは違うんだけどなぁ...。」

幸せのち反省の一日。



第12回 Let's ノミニケーション

いつも仕事前に見るニュース番組で、今日もまた悲惨なニュースが多く報道されていた。
 

そしてその中で最近よく耳にする「携帯の出会い系サイトで知り合った...」という冒頭で始まるニュース、、。


この十年位の間で急速に発達したインターネット。

パソコンや携帯で簡単に情報を検索し、ショッピングをはじめさまざまなサービスを利用できるほか、最近ではブログやプロフといったインターネットならではのコミュニケーションの方法も浸透し、もうバーチャルではなくしっかりとしたコミュニティーの一つとなっている。

距離感を感じさせないインターネットを使ったコミュニケーションはとても良いものだと思う。 しかしその反面、そのボーダレスな世界の中での人としてのモラル、、これも少々ボーダレスになっているのはいかがなものかと思う。

インターネットの中には顔や素性がわからないのをいいことに無責任な嘘や誹謗中傷を書き込んでいるサイトがたくさんある。 インターネットを自分の主張の場にするのはいっこうに構わないが、それにはそれなりの言い方というものがあり、それは人としてのモラルであってインターネットだからといって欠いていいものじゃないと思う。

インターネットがモニターを通じてのコミュニティーの場の一つなら、バーは酒を通じてのコミュニティーの場の一つ。 

基本的にお酒を楽しむお客様の素性は問わないといったところは、インターネットと似ているかもしれない。 

だけど会話をする相手は目の前にいる。

実際、相手の目を見てする会話は、表情やしぐさで同じ言葉でも伝わるニュアンスが違ってくるし、相手の顔色を伺って、言い回しや言葉を選んで会話する。 言葉を発するほかにこういった気遣いも同時にしながらお互い理解しあっていくのが会話というものではないだろうか。そしてそこにお酒があれば、会話はより人間味を増してゆく。

テキスト会話で同じことが出来るだろうか。

世の中どんどん便利になって孤立化が進んでいる現代、そんな会話の気遣いもわずらわしいと思うようになっている人も多い。

でも最近、よく耳にする悲惨なニュースの多くはこうしたリアルコミュニケーション不足のような気がしてならない。

人間誰しもいつも強く誠実でいることは難しいし、また、いつも正しくもなれない。

そんな時の自分が足を運べるバーがあったら、少しは明るい話題のニュースが増えてくれるのではないかと思う。

<今日の酒>

■オリジナルカクテル■

★「ナップ・イン・ザ・サンライト」

ナップ・イン・ザ・サンライト

アニス、バニラなど40種類以上の薬草を使って作られた、イタリアを代表するリキュール「ガリアーノ」がベース。「nap in the sunlight」とは、 "陽射しの中でうたた寝"という意。

<カウンター格言>

★「会話にも雑音が必要」

酒場の会話がリアルコミュニケーションなら、メールはデジタルコミュニケーション。音楽でいったら、レコードとCD。 人に聞こえない音をカットされたCDはとてもクリアな音だが、どこか冷たい。 会話にもレコードの雑音のようなものが必要ということを諭した格言。

第11回 記念頒つ場所

もう、午後八時を過ぎたというのに、お客さんが来ない...。 

もちろん、やろうと思えば仕事はいろいろとあるが、この時間になってお客さんが一人も入って来ないとちょっと凹む。 

さて、どうしたものか...。 

掃除、伝票整理、カクテルの創作、読書、ギターの練習、しまいには現実逃避の策を考えているところに、「マスター!!」っと、とても嬉しそうにSご夫妻が入ってきた。 なぜか今日は一段と嬉しそう。 もうすでにちょっとお酒も入っている感じで、席に座るなりその喜びの理由を教えてくれた。

この春、札幌への転勤が決まったとのこと。
 
今までお二人は名寄に住んでいて、映画や買い物をしに札幌に来たときや、ご主人が出張で札幌に来たときなど必ずといっていいほどお店に寄ってくれるありがたいお客様。 札幌への転勤は3年越しのお二人の夢。 ついに念願叶って札幌市民になれる、今夜はそのお祝いとお知せに来てくれたのだ。

今回の札幌転勤のお知らせ以外にもお二人には、いままでいろいろなお話を聞いている。 嬉しいことや辛いこと、ときには人生の決断の時といったお話まで。

何か特別な事があったときにはいつも来てくれる。
記念すべき日にいつも行く場所...。
お二人にとってこのお店は「記念頒つ場所」なのかもしれない。 
もし自分のお店がお二人にとってこういう存在だったら本当に嬉しい。 

結局、営業はとても暇に終わってしまったけど、今夜は二人の笑顔に救われました。

感謝。

<今夜の酒>

■ オリジナルカクテル■
★SPRING EMOTION

SPRING EMOTION

ウォッカをベースに、イチゴ、抹茶、オレンジ、ミントなどを使って作った甘酸っぱいショートカクテルです。"春を待ちわびる気持ち"をカクテルで表現してみました。

■ モルトウィスキー■
★ハイランドパーク 18年

ハイランドパーク 18年

世界最北の蒸留所。スコットランドの北に大小70あまりの島からなる諸島がある。オークニーとはヴァイキングの言葉(ゲール語)で「アザラシの島」の意とか。コクのあるボディーと絹のような口当たりが特徴で、全モルト中最もオールラウンダーのモルトと言われる。 個性があり燻し香が強い独特の香りとピート香、複雑なアロマとコク深い香りを堪能することが出来できる一本。

<カウンター格言>

★「別れのミーティングはいらないよ。」
言い換えれば"去るものは追わず"。 男女の別れに話し合いは不要。こんな風にあっさり言えてしまうのは恋愛をたくさんしてきたからでしょうか...。

第10回 札幌雪祭り終了

今年も毎年恒例の冬の行事、札幌雪祭りが2月5日~11日まで開催されました。 今年は28年ぶりに大通会場にはスケートリンクがお目見えしたとか。 毎年、いろいろと趣向を凝らしているのですが、なぜかこの雪祭り、あまり地元民には人気がないようで、「カップルで雪祭りを見ると必ず別れる...」なんて噂を聞いたことがあったり、札幌に住んでいるのにまだ見たことがないなんて人も結構いるみたいです。
 
 お店の営業に関しても、この雪祭りは曲者。 街に人は多くてもお店は意外と暇になってしまいます。 たぶん、普段一次会で使うお店が観光の人たちで込んでいると、地元の人は思うようで、雪祭り期間中は飲みに出るのを控えてしまうのが原因、などと自分勝手に分析していますが、もう少し地元民に還元率の高いお祭りにしていただくとありがたいなぁというのが正直なところです。
 
 しかし、個人的に雪祭りはとても思い出深い行事の一つです。 もう、十数年前の話ですが、私がニセコでバーテンダーをしている頃、上司とうまく行かず悩んだことがありました。 当時は指導してくれる良き先輩もいなくて経験も浅く仕事に対しての自信も持つことができず、自分のやっていることが本当に正しいのか判断できず、バーテンダーとしてどうするべきか、一人ではその答えを見つけ出すことができませんでした。 そして考えた末、札幌の有名なバーに足を運びアドバイスを頂こうと思いつき、札幌に来たのがちょうど雪祭り開催中の頃でした。 

足を運んだのは「バー山崎」。開店まもなくカウンターに座り、カクテルを飲みながらマスターが来るのを待つこと二時間程。 最初は緊張して待っていましたが、マスターが来た頃にはカクテルを飲み過ぎてすっかり酔っ払っていました。お酒の勢いもかりて、ずうずうしくもベラベラと自分の悩みを打ち明け山崎マスターには、とてもご迷惑かけてしまいましたが、 たくさんの助言をもらうことができ、そのお陰で胸のつかえが取れた気がしました。 

そして、お店を出て大雪が降る中、たくさんの人が足早に行き交う大通会場を一人爽快な気分で歩いたことを毎年、雪祭りの時期になると思い出します。 今年は結局、雪祭り会場に足を運ぶことが出来ませんでしたが、私にとって雪祭りはそんな郷愁にひたれる大切な冬の行事。 来年はゆっくり観て歩けたらなぁ、と思うのですが...。

<今夜の酒>

■オリジナルカクテル■
★LOVIRINTH(ラビリンス)

LOVIRINTH(ラビリンス)

ジンをベースに、パルフェタムール、チェリーブランデーを使って作った甘酸っぱいショートカクテル。 LOVIRINTHは、迷路、混迷を意味する"Labyrinth"と、愛を意味する"Love"を合わせた造語。 「真の愛とは?」、そんな言葉の奥深さからイメージして作ったカクテルです。 


■ 旬のミクソロジーカクテル■
★甘夏とジュニパーベリーのウォッカマティーニ

甘夏とジュニパーベリーのウォッカマティーニ

甘夏のような中晩生柑橘類全般には、ビタミンCの含有量は非常に多く、低カロリー。さらに酸味の主成分であるクエン酸が疲労回復に効果を発揮。柑橘類特有の成分は毛細血管を強化し、血圧の上昇を防いだり、血液をサラサラにする効果がある。
ジュニパーベリーは、強い利尿作用と解毒作用があり、体内の余分な水分や毒素を排出し、膀胱炎、通風にも効果があるといわれています。

<カウンター格言>

★「人生は楽観的、計画は悲観的、実行は楽観的に。」
とある社長さんが説いた"行動を起こすとき"の心得。

第9回 謹賀新年

年が明け、今年2008年もまたいろんな人と出会い、いつもの人たちと楽しい時間を過ごしたいと思っていましたが、今年はまず始めにお別れが待っていました。古いお客様の転勤です。

開店当初からのお客様なのでもう7年近くのお付き合い。 7年近くお付き合いしていると、ただの客様とバーテンでは割り切れないところも出てきます。 こんな書き方をすると誤解を招いてしまうかもしれませんが、もちろん恋愛感情ではありません。
正確に答えるのは難しいですが、一言でいうなら、長い時間をかけてつくってきた“信頼”のようなものでしょうか…。 何年も連れ添った夫婦が、「あれ」、「それ」と言って理解してしまうような感じ…。(だと思います。(^_^;) 

“信頼”が伴ったお客様とバーテンダーの間にはある意味これに似たものがあるような気がします。 「いつもの…」なんかはまさにそう。 ときには会社の同僚、友人、親にだって言えないことまで時には打ち明けてくれたり、またときにはお互い励ましあったりしていくうちに余計な気遣いや言葉がいらなくなる。 こういった関係をお客様とバーテンダーの間で築くことができたなら、お店はお客様にとってより良い安らぎの場になり、また、バーテンダーにとってもより良いサービスが出来る喜びの職場になるような気がします。

その分、こういったお客様との別れは辛いものになりますが…。 でも、またいつかその方が帰ってきたときに、変わらずその信頼が持ち続けられるお店であるよう今年も頑張って行きたいと思います。

第8回 七周年を迎えて

12月1日は当店の開業記念日。 お蔭様で今年も無事7回目の開業記念日を迎えることが出来ました。 やはり毎年開業記念日には、初心忘れるべからずではないけれど開業当時のことを思い出します。 7年前、この店舗に惚れ込んで、それまで住んでいた旭川を離れ、まったくと言っていいくらい土地勘のない札幌に来て、右も左もわからない状態で仕入先の選定や備品の調達、地下街を歩くたびに迷子になって涙目になっていたのを思い出します。 正直、オープンの時は不安と希望が半々。 「3ヶ月赤字が続いたら昼間も働かなきゃ」っと、アルバイトニュースを買ったこともありました。 オープンして一ヶ月、元旦に引いたおみくじは、なんと「凶」…。 さすがにこのときは自分の行く末が不安になりました。 

しかし、低空飛行でありながらも、今日まで開業当時の想いそのままに営業を続けてくることが出来たのは本当にありがたいことです。振り返れば、そこにはいくつもの出会いがあって、そういった人たちに助けられ、今の自分があり、そして、このお店を通して皆さんから与えられてきたものは、今の私にとって何よりもの財産となっています。 お店を続けて行く事は、毎日が葛藤の日々ですが、皆さんから教わった良い事は忘れず、そして立ち止まらずの精神で、これからもお店を続けて行きたいと思います。

これからも、Bar ピース・オブ・ドリームを何卒よろしくお願い致します。

ライブ
7周年のイベントに念願だったお店での初ライブ

<今夜の酒>

マッカラン グランレゼルバ 12年

★マッカラン グランレゼルバ 12年

スペインでオロロソシェリー酒を熟成させ、払い出した直後の樽(―空き樽)のみを使い、シェリー樽由来の重厚な味わいと、フルーティーさを醸し出すこだわりの逸品です。「グランレゼルバ」とはスペイン語で「特別に貯蔵された」という意味です。 ジンジャーのスパイシーな香りや樽香とともに、フルーツケーキのような甘さとオレンジの爽やかな風味が広がります。

■シネマカクテル~映画「ウエイトレス」~■

★My baby gives me a new life pie

My baby gives me a new life pie


ウォッカをベースに、クッキーリキュールや卵白、ザクロシロップ、チョコレートを使って作ったまるでお菓子のようなカクテル。 


■旬なミクソロジーカクテル■

★イチゴとバジルのフローズンカクテル

イチゴとバジルのフローズンカクテル

イチゴはフルーツの中でも特にビタミンCが豊富で、中サイズ10個で1日分の必要量を満たします。そのほか、食物繊維であるペクチンには、血中コレステロール値を下げ、善玉コレステロールを増やす働きがあり、ビタミンCとともに生活習慣病に効果的。
バジルは古くから精神的疲労をやわらげる作用があるといわれている。ビタミンやミネラルが多く、中でもカロテンが豊富。また抗菌作用が強いので風邪などの予防や胃腸の働きを活性化するため、消化促進や食欲増進にも効果的。 

<カウンター格言>

★「後ろめたいんじゃなくて、後ろメデタイんだって!!」

女性問題で責められている男性が苦し紛れに出したオヤジ的ダジャレ。

第7回 出張バーテンダーズ

先日、琴似の「コンカリーニョ」という小劇場で“カクテル&ダンスパーティー”というイベントがありました。 50年代~70年代のダンスミュージックを中心に“音楽”と“酒”を楽しもうというのがこのイベントの目的。 しかし、“コンカリーニョ”は普段劇場として使われているので、それを一夜限りのディスコに変身させるのはとても大変でした。 “酒”を楽しむといっても、ただ単に缶ビールやプラスチックカップで出すカクテルではなく“プロが作る美味しいカクテル”。 それがこのイベントの大きなこだわりの一つでもありました。 もちろんカウンターなどはなく、まずはカウンターをどれくらいの大きさにするのか、どこに設置するのか。スタートはそこからでした。 次に、冷蔵庫・水道が無いところでどうやったら美味しいカクテルを作ることが出来るのか、そのための準備とセッティングにはイベント当日まで本当に頭を悩ませました。

イベント当日、私を入れて6人のバーテンダーが集まり、午前中から準備が始まりました。 お酒や備品のセッティング、大量の果物を洗ったり、ジュースを絞ったりといった作業をテキパキと指示することなく率先して進めてくれました。
やはりそこはみんなプロのバーテンダー。場所は変わってもやらなきゃいけないことは把握しているんですね。 

いよいよ、開場の時間となりお客様がご入場。 あとは普段通りカクテルを作るだけ。ジャズの演奏から始まり、チャチャ、ルンバ、ロックンロール、ソウルなど様々なジャンルの音楽に老若男女問わず楽しむことができたイベントになりました。 

日頃、それぞれ違うカウンターに立っているバーテンダー達も、このときはお客さんと同様にみんな楽しんでいたようです。 酒場に勤める者として何が自分にとって幸せと思えることなのか、、。それは突き詰めてゆくとあまり場所は関係ないのかもしれませんね。「人の笑顔のそばに自分の注いだ酒があること。」 
今回のイベントを通じてそんなことを強く思いました。 
今回協力してくれたバーテンダーの方々、本当にお疲れ様でした。
そして、ありがとうございます。
またこんな機会があることを願っています。

<今夜の酒>

■オリジナルカクテル■

★Flamme(フラーム)

Flamme(フラーム)

カナダのケベック産100%ピュアなメイプルシロップを使ったホットカクテルです。 メイプルシロップはかえでの樹液を煮詰めたもの。 ミネラルが豊富で、他の甘味料と比べて低カロリー。 フラームとはフランス語で”炎“という意味。


■旬なミクソロジーカクテル■

★ラ・フランスとスターアニスのマティーニ

ラ・フランスとスターアニスのマティーニ

ラ・フランスは日本梨と同じく、水分と食物繊維が比較的多いので便秘改善によいでしょう。カリウムも日本梨と同様に含まれているので高血圧予防に効果があります。 また、フラバノールやアントシアニンなどのポリフェノールも含まれているため、がん予防にも効果が期待できます。
スターアニスは胃腸の働きを促進させたり、喉の炎症を鎮静させるのに効果的なハーブです。


<カウンター格言>

★「人生は固定金利じゃダメ。変動金利で行かなきゃ」

人生素敵に生きるには自分への投資も必要ということ金融用語を用いて表現した格言。

第六回 お客様との距離

いつも大抵11時を回ってからご来店するお客様、今夜もやはり11時を過ぎてカウンターに座った。「何かお勧めのモルトを...。」と注文を受け「どんな感じのモルトがお好きですか」と尋ねると、「スッと飲めるやつ...。」といわれたので、グレンマレー12年 シュナンブランウッドをお出しした。 このウィスキーは、本来個性が強いスペイサイド地方のスコッチだが白ワインの樽で寝かせることですっきりとした味わいになっている。 お客様は一口飲み「美味しい」といってくれた。 その後、会話が続くと思ったがお客様は目を閉じで二口目を口に含み、じっくりとそれを味わう。 一言、二言声をかけてみるが話は続かず、すぐにお客様の視線はグラスに戻ってしまう。 こんな時はお客様が一人になれる距離まで離れ、お客様がいつこちらに視線を振ってきても気が付くよう注意しながら見守る。 結局、お客様の視線はグラスから離れることはなく3杯目を飲み干し席を発つ。 少しは気持ちのタガは緩んだろうか...。 せめて、良い寝酒になってくれればいいのですが...。

<今夜の酒>

シネマカクテル~Edith Piaf~
映画「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」は、誰もが一度は耳にしたことがある名曲「愛の賛歌」、「バラ色の人生」を歌ったエディット・ピアフの波乱に満ちた人生を綴った物語。

★Edit Piaf~エディット・ピアフ

「完璧な愛」という名前をもつ、スミレをイメージされる色と香りのリキュール「パルフェタムール」をベースに作ったスパークリングカクテル。 このカクテルは、歌に生き、愛に生きたエディット・ピアフの人生そのものをイメージして作ったカクテルです。
Edit Piaf~エディット・ピアフ

★Hymne a l'amour(イム・ア・ラムール)~愛の賛歌~

こちらはパルフェタムールを使ったショートカクテル。 名曲「愛の賛歌」の歌詞からイメージして作ったカクテルです。

Hymne a l'amour(イム・ア・ラムール)~愛の賛歌~

<カウンター格言>

★「輪廻の回数で、人の説得力は変わる。」

たまに若いやつで妙に説得力のある話をする人やリーダーシップを取れるやつがいるがこれは輪廻の回数ではないか、、根拠はまったくないが妙に納得した言葉。

第五回 一歩前へ

早い時間訪れるお客様が一通り飲み帰った後、ドアを恐る恐る開け覗き込むように一人一見のお客様が入ってきた。 メニューをお渡しすると、隅々まで舐めるように見て、ギムレットを注文。注文をした後、今度は店内を舐めるように見渡す。 「同業者だろうか...」などと思いつつ、ギムレットをお出しする。 貸しきり状態の店内、いきなり話しかける雰囲気にもならなかったのでしばらく距離を置いていると、「お水をください。」とオーダーを受けた。まだギムレットは半分以上残っている。 お水をお出しする際、「もうどこかでたくさん飲んでいらしたんですか?」と声を掛けてみると、「はい。」とはにかんで笑った。「実は9月に母と二人でカフェバーを開店するので、今日は勉強のためにいろいろなお店を回って歩いてたんです。」と彼はギムレットをすんなり飲めない理由を話した。

それからは、しばし質疑応答の時間が続いた。 メニューに関してやお店作りのこと、提供するサービスについてなど彼が不安に思っている様々な疑問や問題を聞き、私は自分の開業時の頃を思い出しながらそれに答えた。 「夢が夢じゃなくなるその一歩手前に必ず不安で怖くなるときがあります。未来の失敗を恐れ逃げ出すか、それとも後悔しない人生を選ぶか、その最後の一歩を踏み出す勇気は自分がどれだけその夢実現のために頑張ってきたかどうかだと思いますよ。」と私は最後に彼に言った。 きっと彼は今、6年と8ヶ月前の私と同じ場所に立っているように思えたから。

<今夜の酒>

OBAN 14 YEARS OLD

「OBAN 14 YEARS OLD」

西ハイランドの中心地オーバンは、古くから天然の良港として知られてきた所で、かつては羊毛やウイスキー、スレート石や昆布を積み出す港町として栄えてきた。オーバンとはゲール語で「小さな湾」の意。ハイランドモルトとアイラモルトの中間の性質を持つといわれ、そのバランスは絶妙である。



第四回 夏の終わり...

お盆を過ぎた北海道は急速に秋へと季節が変わり始める。毎年、お盆時期の営業はいつもとは少し違う雰囲気になる。今年も例外なくお盆の休みを利用して帰省してきた人や道外から観光で来た人の割合が多かった。 転勤などで札幌を離れていたお客様にも久々に会うことができるのは嬉しい。 久々の帰郷に学生時代の同級生や以前の同僚を連れてくるお客様も多く、それぞれの近況報告を酒の肴に飲む交わす光景は実に楽しそうで、ほんの少し羨ましく思ったりもする。 観光で札幌に来たお客様にはお勧めのお店や観光ルート、できるだけガイドブックに載ってない地元で人気の場所やお店をご案内したり、時にはお土産の手配などもお手伝い。 短い北海道の夏、ひとときの盛り上がり...。

行灯をしまいに外に出るともう秋の風の匂いが...。 

この酒場で過ごした時間が少しでも、お客様にとってこの夏の良い思い出として残ってくれるといいのですが。

<今夜の酒>

THE GLENLIVET 12YEARS OLD

「THE GLENLIVET 12YEARS OLD」

1824年 ジョージ・スミスの蒸留所は、政府公認第一号の蒸留所となり、その後多くの蒸留所がグレンリベットの名声にあやかろうと、グレンリベットを名乗ったり、そのスタイルを模倣したりするなどしました。そこで1884年裁判においてグレンリベットの高い品質が公認され、ジョージ・スミスのグレンリベットだけが定冠詞「THE」をつけてTHE GLENLIVETと名乗ることが認められまし
た。オレンジや花のようなエレガントな香りがあり、バランスのとれたシャープな味わいを持つ。


第三回 沖縄の土産話

1ヶ月間、石垣島に行っていたお客様が久々のご来店。 色白だった肌は小麦色に変わっていて水着の痕がくっきりついている。仕事を辞めしばらくの間、心の洗濯?または、自分探しをするらしい。 大学を出てすぐ就職した彼女にとっては、これが社会人になって初めての人生の長期休暇。 石垣島への1ヶ月間の旅行の話を彼女から出発前に聞いたときには旅への不安もあったようだが、満面の笑顔で沖縄での思い出を語る今の彼女はとても自信に溢れているように見えた。 石垣で撮った100枚近い写真。私も5月に石垣島に旅行したこともあって、それを酒の肴にずいぶん長い時間石垣島の思い出話に花が咲いた。最後はもう一度石垣に行くと宣言しお店を出た彼女。 今までご来店した時には必ず注文していた甘口のフローズンカクテルを今日は一杯もオーダーせず、「甘くないロングカクテルで…。」と一杯目をオーダー。 心変われば飲み物変わる? この次に彼女が来た時にオーダーする一杯目は何だろう…。 そんな期待と沖縄の風に満たされた夜でした。

<カウンター格言>

「会話は筋肉が必要」

人を説得するには、心意気そして相手を引き込む会話が必要。あれこれ相手に話題を振って相手を取り込むには時には長期戦に及ぶことも。会話だって筋肉が必要。おしゃべりを正当化させようと出てきた言葉。

<今夜の酒>

シュナンブランウッド

「グレン・マレイ 12年 シュナンブランウッド」

スペイサイドモルト。シュナンブランとは、白ワイン用の葡萄品種で、シュナンブランを使った白ワインを寝かせた古樽で熟成させたもの。この白ワインの古樽の熟成により、もともと軽く飲みやすい味わいに加え、微かに果実味を帯びた華やかでフレッシュな香りと風味が感じられる。


第二回 良き仕事、良き仲間、良き職場との出会い

先日、5ヶ月ぶりにお師匠と再会した。 前回会ったときは私が東京へ行き、お師匠のお店での再会だったが、今回は札幌で行われたNBAの大会観戦のために来札していたので私のお店での再会となった。以前、NBA全国大会で準優勝、ビフィータ世界大会で優勝した経験を持つ今ではその業界では有名になってしまい、お師匠と言ったら他から怒られるかもしれないが自分にとってはやはりお師匠と呼ぶべき尊敬する人である。

最初に出会ったのは14年前、北海道のサホロにある“クラブメット”。 東京から期間限定のリゾートアルバイトとして来ていた私はただのウエイターの仕事をするはずだったが、人数不足ということでカウンターの中へ。 当時、お酒を飲むのは好きだったが、お酒のことはほとんど知らず、ましてやカクテルなんて作ったこともない。「ここにあるお酒の種類と成分を覚えないとお酒触らせないから」とチーフバーテンダーに言われ、「偉そうに、好きでカウンターに入ったんじゃないっての!!」と内心思ったのは事実である。正直、その頃はバーテンダーという仕事は低俗な仕事だと思っていた。そのチーフバーテンダーの鼻を明かしたかったこともあってお酒の種類と成分を必死に勉強した。すると、今まで知らなかったお酒の世界にはまり、たちまちバーテンダーの仕事に興味を持ち始めていた。知識もさることながら、カクテルを作る技術や接客の心得、バーテンダーとして学ばなければいけないことはたくさんあったが毎日とても楽しく仕事が出来た。

カクテル


そのとき、私にこの仕事のウハウを指導してくれたのがチーフバーテンダーのサブとして働いていたカンコさん(お師匠)であった。厳しさの中に思いやりがあり、女性でありながら芯が通っていて男顔負けの気性で、当時23歳だった私は「こんな女性もいるんだ・・。」とちょっと驚いたが、同時に、初めて尊敬できる人に出会ったような気がした。

ここでは「バーテンダー」という「良き仕事」との出会いがあったが、もう一つ「良き仲間」との出会いもあった。シーズンピークなると週末は宿泊客が600人近くになるホテルクラブメット。 当然その忙しさは半端じゃない。300人前後のお客さんがショーの後に一気にバーにやってくる。それを8人で対応した。引っ切り無しに入ってくるオーダーを汗だくになりながらこなしていく。仕事が終わるとぐったりだったが、不思議と爽快感と充実感に満たされた。 決してその時は仕事ができる人間ではなかったが、自分が出来ることを最大限にやろうという努力と仲間を助けようとした気持ちが、そういった気持ちにさせてくれたのではないかと思う。 尊敬できる上司と信頼できる仲間、この二つが揃うことで自分の実力以上の力を出せる「良き職場」になるんだということもそのとき学んだ気がする。

あの時、この人たちに出会わなければ、今もこうしてカウンターに立っていることはなかったに違いない。 そして、そのとき教わったことは今も尚、自分のベースになっていると思う。 今では、こうしてごくたまにお師匠と会うだけになってしまったが、会う度にこの大切な思い出は新鮮に甦ってくるような気がする。

<カウンター格言>

「モルトウィスキーの個性と女性の好みは通ずるものがある。」

ウィスキーの味を語るときに、華やかさ、香り高い、スウィート、優しい、スパイシー、スモーキー、バランスが良いなどという言葉をよく使う。 「そう思いませんか?」とお客様に尋ねられ、そのときは「はい」とすぐに返答できなかったが、あとでよく考えてみると「確かにそうかも」などと思ってしまった格言。

<今夜の酒>

ノッカンドゥ

「KNOCKANDO(ノッカンドゥ)」

熟した果実のような濃厚な香りがあり、スィートでふくやか。とくにフィニッシュが長く、スペイサイドの中でも個性的な美酒。ノッカンドぅとはゲール語で、「小さな黒い丘」、あるいは「小さな黒い塚」を意味する。
クラブメットで働いていた当時、バーボンしか知らなかった私が初めて「スコッチウィスキーってこんなに美味しいものなのか!!」と感動させてくれたお酒。


第一回 「崖っぷちでイナバウアー」/アードベック

新しい年度が始まりました。まだ着慣れないリクルートスーツを着た若者たちが多く歩いていました。物事の始まりには誰もが何かを期待するもの。4月はそんな気持ちにさせてくれる月なような気がします。

私もこの春5年ぶりに引越し、なんとなくマンネリ化した生活を一新したいと思っています。そして、この”気まぐれ営業日誌”も日々過ぎて行く営業の中で、少しでもカウンターを挟みお客様と共有した時間を何かの形で残したいという思いから始めることにしました。

何もしなければただ過ぎて行く時間、、。日記を書くことで、その日起こった楽しいこと、反省することなどをピックアップし、自分を戒めの材料になったり、仕事にメリハリをつけ、そして何よりその日一日一日をもっと大事できるのではないか、、。 

はっきり言って文書の才能はまったくありません。 学生時の国語の成績は常に「もっと頑張りましょう」または2とか3、、。 

毎日だとプレッシャーになって続かないと思ったので“気まぐれ(不定期)”ということにさせていただきました。 もちろん、バーに来るお客様の個人情報を守るのはバーテンダーの基本。 特定のお客様を連想させるような事柄は一切書かないつもりです。 あくまでも私の主観で書きますので、文の内容が多少ぼやけてしまうかもわかりませんがご了承くださいませ。

<カウンター格言>

「崖っぷちでイナバウアー」

これは、日々支払いに終われもうお金も貸してくれるところもない、、。そんな状況下に置かれたお客様から出た言葉。 人間どんな状況下に置かれてもユーモアが言える心の余裕を持ちたいものです。 「必ず道はある」そう信じることが運命を切り開く第一歩かもしれませんね。

<今夜の酒>

アードベック

「ARDBEG 10 years(アードベック 10年)」

スコットランド、アイラ島で作られているシングルモルト・スコッチウィスキー。ゲール語で「小さな丘」あるいは「小さな岬」というこの酒は、アイラモルトの中で最もピート香やスモーキーフレーバーが強い。