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SEXY TAXI

おーもとよしのり プロフィール

おーもとよしのり
1965年生まれ.札幌出身、札幌在住。KOUSEI TAXI 取り締まられ役
http://www.khcs.co.jp/

高校卒業後,東京と名古屋でサラリーマンをしてました.
ある日突然,父から召還の命が下り帰札。二種免許を取って,数年タクシードライバーをやりました。
しかし、営業成績が「悪い」ため無線センターに転属.
ところが無線センターで電話応対が「悪い」とお客様からクレームがあり,事務職に異動になりました.
事務職でも仕事っぷりが「悪い」ことから,とりあえず取締役にしておけばいいや,というノリで取締役に任じられ今日に至ります(泣).

第5回 招かれざるお客さま

毎日30人、40人のお客さまがご利用されますが、なかには招かれざるお客様もいらっしゃいます。といっても「おばけ」の類じゃありません。

こんなことがありました。

ドライバーのAさんは、夜の国道を空車で流していました。街灯のない暗い歩道で手が挙がったので停車。一人の男性が乗ると繁華街の居酒屋へ行ってくれとのこと。
道すがら、その男の口から「どうしても許せなかった」「いま殺してきた」と穏やかではありません。
口先だけイキがる人がたまにおりますので、その手合いかと思い、気にもせず適当に返答しておりました。

目的の居酒屋に到着し、お金をもらおうと後ろを振り返ったときです。室内灯に照らされた男性の白いワイシャツは、胸から腹にかけて真っ赤に染まっております。
瞬間、Aさんは頭が真っ白になりました。お金を払った男は何事もなかったように居酒屋に入っていきます。
すぐに無線で会社に連絡。警察が駆けつけ緊急逮捕となりました。

翌日の新聞で殺人事件の犯人だとわかった時には、我々もキモを冷やしました。
こういう方を知らないうちに運ぶことが、まれにあります。

タクシー会社には必ず警察とのホットラインがありまして、何かあるとすぐに警察に連絡できる体制が整っています。逆に事件が発生すると警察から協力要請の連絡が入ります。ドライバーからの情報が、ときに事件解決の糸口になることもあるのです。

強盗や殺人事件があると警察の方がいらして、犯人を乗せた営業車がないか調べます。
1枚1枚日報を調べるのは大変なことだと思います。
コツコツと小さな積み重ねが結果を出すのは、どんな商売でも一緒。

今のタクシーは防犯装置が二重三重に装備されてますので、すぐにアシがつきますし、何よりもタクシードライバーが持ってる売上金なんて、せいぜい1万ちょっとなんです。
リスクに対するリターンを考えるとバカバカしいと思います。

世の風潮は楽をして人生を楽しむことが流行のようで、投資やら何やら、わたしには縁のない言葉が飛び交ってます。
コツコツと稼いだお金で食べるご飯のほうが、おいしいと思うんですが、いかがなものでしょう。

第4回 ライバルは自家用車

先日ガイアの夜明けを視てましたら、年末年始の帰省に自家用車を使う人が増えたそうで。理由は高速道路の料金が格安になったからとか。
なにが起きたかと言いますと、高速バスと新幹線の乗車率が軒並み下がったんですな。
このご時世です。消費者は敏感なのであります。運転がキツくても安い方に流れるのであります。
景気が悪くなりますとタクシーは利用しないで自家用車で、という方が増えてまいります。
自家用車VSタクシー。
一家に一台自家用車の時代になってから、宿命の対決であります。

わたくし、某自動車メーカーに勤めていたときの役員の言葉が忘れられないのであります。「車は家よりも高い。なぜなら4年、長くても6、7年で取り替えるでしょう。すると一生涯で車に払うお金は必然的に家よりも高くなる」
なるほどです。当時はバブルが終わった頃ですから、いまでは「家と車は同じくらいの値段」になるのでしょうか。

さて、自家用車に1ヶ月あたりいくらお金がかかるのでしょう。
250万円の車を7年で使い切ったと仮定します。走行キロは通勤とドライブで1ヶ月600キロ(年間7、200キロ)、燃費はリッター10キロ、ガソリン1リッター120円としますと、
車両250万円÷84ヶ月=29、700円
ガソリン600キロ÷10キロ×120円=7、200円
駐車場15、000円
自動車税、約50、000円÷12ヶ月=4、160円
任意保険、対人対物搭乗者で(人によりマチマチですが)4、000円とします
車検1回目、90、000円、車検2回目、120、000円(古くなると部品交換が必要です)
(90、000円+120、000円)÷84ヶ月=2、500円
タイヤ交換1回40、000円(北海道だとスタッドレスタイヤも買わなくちゃいけません)
40、000÷84ヶ月=480円
消耗品(オイル交換、ウオッシャー液、ワイパーなどなど)1年に10、000円としますと、
10、000円÷12ヶ月=830円

全部合計しますと、
29、700円+7、200円+15、000円+4、160円+4、000円+2、500円+480円+830円
=63、870円
7年も使ってますと、ぶつけた擦った、故障だ何だと別にお金がかかます。
それを考慮すると一ヶ月あたり6、7万円を愛車に注ぎ込んでいるのではないでしょうか。

タクシーで7万円分使い切るとしたら、どれくらい乗れると思いますか。
札幌駅からススキノ駅まで650円ですから、50往復は乗れる計算になります(まぁ、そこまでススキノが好きな方が、いるのかどうかは別として)。
通勤距離が片道5キロだとすると約1、600円です。札幌駅から地下鉄白石駅・地下鉄琴似駅くらいの距離です。20往復は楽勝です。

道行く車を観察しております、ほとんど一台に一人で利用しております。
地球温暖化に大いに貢献していると思うのは、わたしだけではないはずです。

地下鉄や電車とタクシーを上手に使い分けてセクスィーにエコしてみませんか。

第3回「グーンと増える」

お財布が寂しくなると、当然ヒモをキュっと締めます。
すると出て行ったお金の行き先は限られてきまして、タクシーに使う!なんてことは「ぜいたく」だと、こうなるわけです。

タクシーを使うのは、「寝坊して会社に間に合いそうにない」、「部長の小言が長くて、お得意先との約束の時間に遅れるよ」、「ストレス発散で買い物したけど、重くて重くて電車で帰る自信がありません」。まぁそういう困った時に限られてくるわけです。

わたくしどもの商売は他人様が「こまった」ときに売上が増えるという因果な面を持っております。
雨が降る、大風が吹く、なんて時には、待ってましたとばかりに、手を挙げるお客様が歩道にあふれます。会社にかかってくるリクエスト電話もハンパじゃありません。「早くよこせ」、「もっとよこせ」、「やっぱりいらない」とテンヤワンヤになるのであります。売上がグーンです。

「こまった」といえば自然災害があります。
この時もタクシーが大活躍するのであります。マスコミ関係者の方々が「われ先に!」と現場に急ぐものですから、テレビ局やら新聞社のビルから次から次と人が出てきます。
災害現場に到着して「じゃ、待っててね。いいでしょ?」と言われ、まるまる2日間待たされたドライバーもいるのです。2日間メーターを入れっぱなしにすると金額はいくらになるのか・・・なんだかニヤけてしまうのです。
そういうときは次の日に交代のドライバーを送るのですが、4、5日待機させられたこともありました。それも1台や2台ではありません。売上がグーングーンです。

売上が増えるのは、他人様が「困った」ときだけではなくて、「楽しい」ときもあります。
「結婚式」これがあると違います。酒席ですからお客様はタクシーをバリバリ使うのであります。チップも置いていきます。ひとつのホテルで6つも7つもあると・・・またまたニヤけてしまうのです。

そして忘れてはならないのはコンサートです。某ジャニーズ事務所の男の子たちが来ますと、それはそれは大変なことになります。コンサートが終わると会場の周りは人でごった返します。
交差点の信号が青になると、会場から出てこられたお客様が横断歩道を渡ります。ひっきりなしに人が渡るものですから、車は左折も右折もできなくなります。
タクシーが会場に近づくことも、ままならなくなります。利用したいお客様にコンタクトができないのであります。涙目です。
それでも根性すえて、なんとか会場近くまで行くと、「わー」と手が挙がるのです。しびれる瞬間です。会場と近場の駅の往復が何度となくできると、売上がグーングーングーンです。

昨今はお金が回っていないと感じます。
お金は貯めるだけじゃ、コレステロールと同じで心筋梗塞を起こすんじゃないでしょうかねぇ。そう思うのは、わたし一人だけなんでしょうか。
お金は使うべきときにパリっと使う。そんなセクシーな使い方をして景気を回復しましょうよ。

第2回 つんくを越える日

タクシーに忘れ物は付きものです。
ドラえもんに四次元ポケット、ってなもんです。
もちろんドライバーが気をつけていれば、ほとんど防げますが、足下に落ちたものまで目が届きません。

一昔前までの忘れ物ベストスリーは、1位・カサ、2位・サイフ、3位・買い物袋と相場が決まっておりました。
ここ数年のベストは、1位・携帯電話、2位・カサ、3位・買い物袋と、ちょっぴり事情が変わってきております。

つい最近、携帯電話を忘れたという男性からFAXが入りました。
A4の用紙には、びっしりと細かい字で、切々と窮状が書き込まれております。
以下、札幌市内のタクシー会社、全社に送ったという内容です。
「自分はミュージシャンで携帯電話に曲のデータを数百も入れています。どうしてもその携帯電話が必要です。このままでは『つんく』に負けてしまいます。」
当社に該当車両は無かったのですが、その後、見つかったのでしょうか。
心配しております。
携帯電話が見つかってライバル『つんく』さんに打ち勝って欲しいものです。

時に変わった忘れ物もあるわけです。
100万円の指輪ってのが、ありましたねー。
他には、スイカ(丸ごと)、弁当(中身あり)、高級腕時計(酔って外したのかな)、入れ歯(どうしてかな?)、位牌(罰あたりませんかね)、靴(これも酔って脱いだのかな)、と、まぁ個性豊かです。

忘れ物をしないコツ、ご存じですか?
簡単です。シートに座ったら左側に荷物を置く。
降りるときは左側から降りますから、忘れることもないわけです。

忘れ物をしないでSEXYにタクシーをご利用ください。

第1回 みなさん,はじめまして

表題の「SEXY」に惹かれて立ち寄った方も多いかと思います。
TAXIの前にSEXYを付けたのは,ゴロが良かったから.それだけです(笑)

そりゃ昭和40年代にはタクシー料金の代わりに体で支払った、なんてことも実際にありましたけれど。
先輩にこんな話しを聞いたことがあります。実体験ではないです(念のため)。

当時は地下鉄なんて走ってません。バスだって夜は早く終わる。ススキノから帰宅するホステスさん達はお客さんが「ついでにタクシーで送ってやるよ」と言われればラッキー。まぁ、そういう方向に持って行くのがプロのホステスさんでしょうけれど。
たまたま送ってくれるお客さんがいなくて、自分ひとりで帰らなくちゃならないってなると、タクシーしかないわけです。ススキノで泊まるカプセルホテルやらサウナなんて、女性向けはありませんでしたもの。
お給金が出る前だとサイフの中は空っぽです。
ママに前借りをお願いしますが、先週入り用で目一杯借りたばかりです。
そうなるとホステスさんは意を決して、いや、なかば開き直ってタクシーに乗るわけですわ。
想像しちゃダメですよ。
どの男がいいか、いや、どのドライバーがいいか品定めしながらタクシーを1台1台吟味しているホステスさん。『この男は不合格。こんな年寄りはイヤ。あー、惜しいけど合格ラインじゃないわ。その後ろのタクシー。うん、この人ならいい』。
窓をコンコン。
ガチャンコとドアが開いて「北8の東○○まで」と、一言。
車内での会話は少ないのです。女性からすると、「仕方なく」タクシーに乗ったのです。家の前に到着しますと「あの、お茶でも飲んでいきませんか」と誘います。
ドライバーは「ははーん、代金が無いんだな。しめしめ」と話しがまとまります。
今のように人工衛星を使って、現在地が即座に判明するシステムなんてありませんでした。
どこで何をしていても会社にはバレません。

運賃の支払いが終わりまして、ドライバーはスッキリした顔をして、またススキノにお客さんを求めて走り去るのです。

えー、そんなこと本当にあったの?と疑う方。
人生、もっと楽しみましょう。騙されるのも、また一興です。

こんな感じで不定期に更新していきます。
どうぞよろしくお願いします。