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心残り

いよいよ渡米が近付いてきました。
ビザの申請や諸々の手続きもしたし、
英語の勉強もしたし(ちっとも上達はしないけれど...)、
しばらく住む間の必要な化粧品も買い込んだし...。
大分準備も出来上がっています。

英語苦手ゆえ、海外生活に恐怖も感じていたけれど、
ここまで来ると、気持ちは前向き。
「人生、何があるか分からないから面白い!」
今はそう信じて進むのみです。

しかし、ただ一つ、心残りなこと。
...父のこと。

私の父、実は病気です。
末期癌。
3年ほど前に見つかった時から、
「治らないから、やれるまで働きなさい」と言われ、ここまでやってきた。
家族が再び力を合わせ、ここまでやってこれた。

父の調べた情報では、3年後の今、生きている可能性は30%。
まだ若い父の年齢を考えれば、
その30%に入れたこと自体が奇蹟だったかもしれない。

父は今も働いている。
旅行に関わる仕事をしているけれども、
香港や台湾から北海道に来るお客さんたちを、
どうやって喜んでもらえるのかを生き甲斐にして頑張っている。

身体の中は、正直なところ、もうどの薬も気休めでしかないそうだ。
もちろん、強い薬を飲むゆえに副作用も出てくる。
身体はむくんでだるいらしい。
毎月の病院で出てくる検査結果も、悪化の一途を辿っている。

それでもやっぱり、父は働いている。
そんな父を見た病院では、「ビックリ人間」として扱われているらしい。

思う。
人間ってのは、科学云々のデータや技術なんかでは計り知れない
未知の力があるのだろうって。

今の父にとっての、科学で計り知れない未知なる力。
...生き甲斐 笑い。

父にとって、きっと仕事が生き甲斐となっているに違いない。
そんな60歳間際になる父は、今でも海外からくるお客さんたちを喜ばせるため、日本の文化「折り紙」を最近になって覚え始めた。
そして海外からのお客さんたちに喜ばれたことを、家に帰って報告する父は
心から笑って喜んでいる。

そんな生き甲斐のある父だから、私はアメリカに飛び立てる。
父なら大丈夫と信じて。

でも...。
信じていても、やっぱり切ない。

私も父に負けずに頑張らなくっちゃ...。


(2007年08月30日)

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