ハタケシメジは私のキノコランキングの中でも、星組トップクラス級においしいと思われ、香りの良さに加え、火を通して一見クタッとしていてもサリサリとした歯ざわりが心地よい素晴らしいキノコであります。
というのは天然もののお話で、近年栽培に成功し、スーパーに出回っているものは、なかなかそこまでの味わいは醸しておらず、あまり買う気にもなれず。
毎年見つけた時だけニコニコ喜んで、みそ汁、バターソテー、キノコめしなどなど、ありがたく味わわせていただく、ちょ~季節限定の味覚なのであります。

これが天然のハタケシメジ。激ウマ。猛毒ベニテングダケと同じくらいの時期に出現する。
生育条件の整った同じ場所にしか出現しないため、採った時には土や菌をその場で丁寧に落とし、根こそぎ採るのは言語道断と少し残し、帰り際には「また来年ヨロシクね。愛してるよ」と甘い言葉をかけて去るのです。
さほどに大事にしていた、私だけのハタケシメジの場所が、来年からアスファルトの下敷きになってしまうようなのです。
草をこぎ分けて入って行くと、あちこちに無粋な杭が打ち込まれています。ここに新しい道路を造成するかんね、というしるしなのであります。
うう、悲しい。
ガバとシメジの株を抱きしめ、ひとしきり嘆いたあと、なんだかムラムラと腹が立ってきました。この怒りをいったい誰にぶつけたら良いのでしょう。
市ですか。道ですか。民主党ですか。
やっぱオークボくんでしょう。
いざ今生の別れとばかりに、ひとつ残らずシメジを切り取り、その夜遅く鼻息も荒くオークボくんの店に持ち込みました。
市とか道とか民主党のかわりに、オークボくんに八つ当たりしてウサ晴らししてやろうと思ったのです。
ところがオークボくん、すでにビールで酔っ払っていました。

ハタケシメジをくわえて酔っ払っているオークボくん。目ぇ~デカっ!
「え~、これハタケシメジすか~!? 最近気になってたんすよ~」
ぽわ~んとしたフワフワな声で、すか~とか、んすよ~とか言われると、人間怒りを持続できないもんであります。せっかく朝から八つ当たりを楽しみに働いていたのに・・・がっくし。

酔っ払いながらもハタケシメジで作った1品。「ハタケシメジとホタテ貝柱の函館仕立て」。←なんだよこの函館仕立てって、と思ったことでしょう。これは後から「料理の名前なんにする?」とオークボくんにメールしたら、シルバーウイークに函館山の頂上にいたオークボくんが返信してきた料理名なのです。素材や料理法にはなんら関係はありません。アホだね。
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