「ちょっとオークボくん。ナスが来たよ~!」

「おお、すげー立派なナス!」

「それではワタクシ、1曲歌わせていただきます」

♪ナスが来~れば 思い出す~♪
先日、大阪で良くしていただいている料理屋さん「おばんざい きむら」から、ちょ~立派なナスが届いたのであります。
ピカピカつやつやぷっくり黒光りした、極上の水ナスです。
「♪ナスが来~れば 思い出す~~♪」
・・・もういいからね、オークボくん。
きむらさんでは、数々の美味しいものを味わわせていただいたのですが、このお店で生まれて初めて食べたもののひとつが水ナスでありました。
北海道ではあまりなじみのない種類のナスですが、これが生食でたいへんおいしいもので、丸ごと塩もみして皮に塩をなじませ、手で割ったものを食べたのです。
水気たっぷりの実に淡いリンゴのような香りと味わいがあり、今まで炒めたり焼いたりみそ汁に入れていたナスのイメージがガラリとかわったことを思い出します。
「♪ナスが来~れば 思い出す~~~♪」
「コラ、やめんかい。今月はこの水ナスで料理作ってもらうからね」
「わかりましたっ! 塩もみでいいすかネ?」
いいすかネ?ってオークボくん・・・それはきむらさんで食べて美味しかったってお話した食べ方でしょ。
丸ごとまねっこの料理したって面白くないでしょ~。自分で考えなさい。
と叱咤激励したら、なんだかオークボくんぱちりとスイッチが入ってしまったようで、次から次から料理のアイデアがわいてしまったのでした。

「ナガイさん、水貝って知ってます~?」とオークボくん。知ってるともさ。アワビを塩水で食べるやつだろ? 水ナスにアワビを合わせるなんてゴージャスだね~、と喜んでいたら、塩水には氷とナスしか浮かんでいない。ポカンとしてオークボくんの顔を見たら「水ナスです」って、おい、そのまんまやろ! しかしこれがさっぱりして旨かった。

「水ナスの刺し身でございます」。上の料理の発展系。塩水に10分ほど漬けた水ナスを裂いて、山ワサビとしょうゆで食べる。これも瑞々しさが生かされていて旨い。2個目にはしをのばしたら、オークボくんに「ダメ! 残りは次の料理に使うんだから、写真撮ったらさっさと返してくださいよ」と止められた。ケチ!

「生ハム巻きでございます」。←この敬語、なんかコワいよオークボくん。上の料理で私から取り返した水ナスに、仁木町産のサクランボで作ったジャムをのせ、生ハムで巻いたもの。サクランボのやわらかな甘みと生ハムの塩気が水ナスを引き立てている。

水ナスの田楽。ウニをのせ、ミソだれを塗ってさっとあぶったもの。種を明かせばこのミソだれ、大阪のきむらさんから「かもナス用にどうぞ」と一緒に送っていただいたもの。オークボくん、ちゃっかり失敬して一品作ってます。

あぶりサンマと水ナスのサラダ。脂ののったサンマとジューシーな水ナスの相性ばっちり。しかし、どんだけ料理作るつもりなの~~?!
オークボくん、料理5品でようやくスイッチオフとなりました。
ナスの思い出がまた増えました。
「♪ナスが来~れば~」
いや、歌わなくていいから。
「も~1曲っ! ♪ナス ナス ナス ナス ココ~ナ~ッス♪」
い~かげんにせいっ!!
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