「ちょっとオークボ君、イカ持ってきたから料理してよ」
「ナニ言ってんですかナガイさん。イカなんか毎日料理してますよ。そこのネタケースにいつも入ってるでしょ!」
「むふふ。ただのイカじゃないよ。見よ。和歌山沖で釣ったアオリイカじゃ」
大阪の釣り友だちの新築祝いに道産子のカニを送ったら、お返しに和歌山っ子のイカがはるばる北海道まで送られてきました。アオリイカといえば、肉厚で食感良く、濃厚美味なことで知られ、キング・オブ・イカと呼ぶ人もいるほどです。
「うわ、デカイ! これどうやって食べるんだ?」と、食材辞典を取り出すオークボ君。
ツツイカ目、ヤリイカ科、アオリイカ属。本州各地で釣れ、大きいものは3キロ以上にも成長します。
ヤリイカ科というからには、いつもと同じようにさばけば良いはず。オークボ君、まず巨大イカの足をはずした。胴体に手を入れて内蔵を取り除く。そして、手を入れたまま真っ正面に構えて、
「バチコ~イ!」
「アホかっ! 野球のミットじゃないわい!」
「だってナガイさん、手がすっぽり入るイカなんて初めてなんだも~ん」と、泣きまねするオークボ君。正真正銘のアホ目アホ科アホ属。
耳をはずし、サクにおろしたら、これひとつでヤリイカ10杯分ほどの量になりました。イカようにでもしてくださいと横たわるアオリイカを、オークボ君はイカにしてお料理したのかは、イカをごらんください。
●アオリイカづくしお献立●
「やるじゃん!オークボ君!」
「まあ、ざっとこんなもんスよ。ぐびぐび」
まだ開店して間もない時刻だというのに、オークボ君は調子にのってビールを飲んでいます。
「あ~あ、またママに怒られたって知らないよ」
「景気付けっすよ。だいじょぶだいじょぶ。ま、イッカ~なんちて~」
イカげんにしなさい!(つづく)


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