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酒の一滴は血の一滴

小児病棟のX’mas

毎年12月に入った頃より小児病棟は煌びやかな飾り付けが始まります。
ツリーはもちろん、看護婦さんや助手さん、患児のお母さんやボランティアの方が大きなサンタやトナカイの飾りを作り病棟のそこかしこの壁に飾りつけるのです。
毎日の辛い治療を頑張っている子供達に少しでも応援メッセージが送る事ができれば、この飾り付けを見て少しでも「頑張ろう」と思ってくれれば、来年のクリスマスも迎える事ができれば、とその思いは切実です。

このシーズンはイベントも目白押し。病棟のクリスマス会はもちろん、ボランティアの方が人形劇を開催してくれたり、プロの声優の方が慰問に来てくださったりとスタッフは大忙しです。

そしてクリスマス当日、状態の落ち着いている子供達は自宅に外泊するのですが、点滴や酸素マスクを装着している子供たちはこの限りではなく、寂しいような、悲しいような目で出掛けて行くルームメイトを見送るのです。また状態が安定しているにも関わらず家の都合で帰れない子供達も少なくありません。仕方が無いんです。両親ともに医療費を稼ぐ為に深夜まで共働きと言う家は珍しくないのですから。

面会時間の終わった24日の夜、本当であれば一番楽しいはずの夜が妙に静まり返って、帰れなかった子供達が寄り添ってトランプをしたり、テレビを見たり、一人で本を読んでいる風景は笑い声さえも悲しげです。

病院のご飯にチキンなんか付かなくってもいい。ケーキなんかいらない。
お家に帰りたい…。この病気さえなければ、このお腹の中のできものさえなければ、こんな点滴なんか、こんな酸素マスクなんか、こんな…、

担当の子が帰れないでいる主治医の自分にとっては最も行かなくてはならず、そして最も行きづらい場所になってしまうのです。
できる事なら自分が点滴と酸素ボンベ背負って、ウチに連れ帰っちゃおうかな、何て考えた事もありました。

来年は、今年より一人でも多くの子が自分の家で楽しいクリスマスを迎える事ができますように。

Merry Christmas & A Happy New Year!


(2007年12月27日)

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