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酒の一滴は血の一滴

武勇伝

晩御飯が食べられない日も珍しく無かった頃、
常にお腹を減らし、体重も今より確実に8k以上痩せていた頃、
食事に対する執着は何故か薄くなっていきます。
しかし、食べなくては力が出ません。頭も回りません。
「食べられれば何でもいい」とか
「とりあえず速攻で腹の膨れるもの」
「冷めていても食べられるもの」
冷えて硬くなったカツ丼を眠りながら食べる先輩もいました。
産科病棟に唯一置いてあるプリンの自販機から10個くらい買って夕飯代わりにする事も日常茶飯事。
既に"食事"ではなく"摂食行動"になってしまいます。

ただ、時にはバイト代がしこたま入った先輩がご飯を奢ってくれます。
「なぁ、何か食いたい物買って来い。金は出してやるから。」
「先輩!マジッすか?」
「おう、何でもいいぞ。鮨か?鰻か?」
「ビッグマックが食べたいんですけど...。」
「あ!? そんなモンでいいの?」
「最近マックの営業時間内に帰れて無いんですよ。」
「わかった、わかった。じゃあ、金渡すから買って来い。」
「あたし行ってきます!」
「そお?悪いね。じゃあ、ビッグマック3つと、ポテトLは5個と...。」
「俺、ストロベリーシェイクも!」
「俺はナゲットね。ソースはバーベキューで。」
「病棟の看護婦さんの分も適当に買ってきてやれよ。」
「は~い!」

「買って来ましたぁ!これ、おつりです。」
「おお、サンキュ。凄い荷物になっちゃったね。」
「でもドライブスルーで買ってきたんで大丈夫です。」
「なるほどね、頭いいなお前。」
「あれ、お前、車持ってた?」
「いえ、持ってませんよ。」
「免許は?」
「持ってません。」
「友達と一緒に行ってきたの?」
「いえ、一人で行ってきましたぁ。」
「免許持って無いお前がどうやってドライブスルーできたの?」
「タクシーで。」
「は?」
「運転手さんにポテト1袋あげたら喜んでました。」
「・・・・・・・・。」
「あ、タクシー代の領収書です。」
「いらねぇよ!」

こんな彼女も風の噂では今は某病院の外科部長だそうです。


(2008年03月20日)

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