PHYSICIAN [医者]
n. 病人には希望をもって迎えられ、健康人には番犬でもって迎えられるひと。
医者は何故嫌われるのでしょう。
偉そうだから?威張っているから?
お金をいっぱい持っていそうだから?
それも脱税とか診療費水増し請求とかして不正に儲けたお金だから?
ちなみに自分が小学生の頃、「医者の息子」とよく言われました。
「医者の息子なんだから奢れよ」とか「医者の息子なんだから保険委員になれよ」とか、あまり良い表現には用いられませんでした。まぁ、一種のいじめですな。幸い自殺を考える事はありませんでしたが(笑)。
医学部に入ったとき、複数の同級生・上級生も同じ事を言われたと言っていましたから全国的に行なわれている風習のようです。
医者は金持ちか?
冗談じゃありません。大学病院の研修医の初任給、いくらか知ってます?忘れもしない僕の時は手取り96,096円でした。1ヶ月間休みなし、泊り込み数知れず、24時間待機。今計算したら、時給134円です!!!!!
当時の慶応大学付属病院は研修医のお給料は出ないと聞いたことがあります。
先輩に怒られ、看護婦に嫌味を言われ、患者に嫌われ、更には体力的にも経済的にも辛い時代を乗り越えて、やっと人並みのお給料が貰える様になるのは卒後3~4年目頃でしょうか。勤務条件は変わりませんが…。
余談ですが、医者になって5年目に自分に初めての子供が生まれた時、役所に届けに行ったら
「あ、武藤さんは低所得者層に入りますからお子さんの医療費は全額免除されます。良かったですね。」
と役人にニッコリ言われ、非常に複雑な気持ちになって帰って来た記憶があります(笑)。
どんな仕事でも同じかと思いますが、真面目にやっているとなかなかお金は貯まらない物だと思います。
かといって、悪魔に魂を売る勇気も無く、自分のポリシーを曲げるだけの柔軟性も無く、細々と地道に診療を続けているDr.が日本に何万人居ると思いますか。
昨今の医療報道には眼に余るものがあります。特に小児科と産科に対するものは吐き気さえ催します。
あるWEB上で、産科の先生の書かれた手記を読む機会がありました。
『良かれと思い、プライベートも、家族も犠牲にして患者さんに接し、できる限りの事をやってきた。激務の続く中、体調を崩すことも許されない。日々精一杯の事をやっていても予測しえない事態は起こりうる。それがろくな裏付けも取らない医療報道によって医者の怠慢だ、医療ミスだとマスコミが囃し立てる。国家試験に合格してもトラブル恐さに新人が来ない。人が減る。仕事が増える。充分な対応を取る事さえ難しくなる。これをまた面白がって(?)週刊誌が書き立てる。(とある産科医師の手記からの引用)
僕もとうとう疲れました。今月で産科医を辞職します。産科医の仕事が嫌になったわけじゃない。むしろ誇りに思っています。しかし自分の家族も守りたいのです。ただ残念なのは今後自分の培ってきた知識と技術と経験を振るう事は無く、これを伝える人間もいないことです。』
このDr.を誰が責める事ができるでしょう。「忙しいのが嫌で安易にお金儲けができる道に逃げた。」と思いますか?小児科の先生にしてもそうです。いつ病態が変化するか解らない、一瞬たりとも気を抜く事のできない子供に対して全身全霊で立ち向かっているDr.を何人も知っています。素直に尊敬できる素晴らしい人間がいっぱい居るんです。
皆さんお願いします。週刊誌やニュースの報道を全てとは思わないで下さい。全てをひっくり返す事実はむしろ表に出ないだけなんです。言えば反発されるのは解っているのでじっと我慢するしかないんです。けど、やっていくしかないんです。根拠の無い中傷記事こそ今後の日本を崩壊させる、それこそ「悪魔の辞典」なんです。
今週は少し感情的になってしまいました。
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