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酒の一滴は血の一滴

第78回 お誕生日、おめでとう

「パパ、やっと読み終わったよ...。」

娘が手に持って差し出してきたのは
『13歳の遺言 ~健ちゃんの2500日に及ぶ戦い~ 』

自分の師匠「重田健太郎」、のお母さんが書かれたドキュメントです。
(ちなみに健太郎に関するエピソードはコチラ↓
http://www.colnavi.info/magazine/mutoh/post_111.php
過去に何度も読み直し、
何人もの知り合いに貸し出し、
既にカバーはボロボロ。
(彼のエピソードは当時テレビでも放映されました)
http://www.fujitv.co.jp/ichioshi05/050921humansp/index2.html

久々に手に取り、また読み始めました。
ページをめくるたびに当時の様子が昨日の事のように思い返されます。

読み進めていくうちに、ある事に気が付きました。
彼の生まれたのが1989年7月21日。
あ、もうすぐ誕生日ジャン!それも二十歳の!

たまたま娘が本を読み終え、
自分が手に取り、
読み返す事がなければ気が付かなかったと思います。
彼の命日はしっかり覚えていますが、
誕生日はすっかり忘れていました。

気が付いてしまったからには何もしないでいる訳には行きません。
記念すべき二十歳の誕生日。
何送ろうかな。
やっぱり酒か、酒だよな。
ただウィスキーのボトルをドンっと送っても色気にかける。
何かもうひとつ、大人の男の代名詞。
うん、ネクタイだな。

仕事帰りに紳士服洋品店でネクタイを一本、
酒屋にも寄ってウィスキーのミニチュアボトルを一本購入。
彼の誕生日に間に合うように宅配便で郵送。手紙付き。
気に入って貰えると嬉しいね。

7月21日、ススキノ某所へ彼の写真を胸に
彼から貰ったお人形(通称 ちび健)と一緒に呑みに出掛けました。
大人らしく、スーツを着て、ネクタイを締めて。

まずは居酒屋で軽く腹ごなし。
昆布〆カスベのお刺身を刺身醤油か辛子醤油お好きな方で
奥に見えるのは鴨ネギ串、
本日のお酒は吟醸酒「十四代」

河岸を変えて、改めてVeuve Clicquotで乾杯。
キンキンに冷やした乾杯用のグラスはちゃんと二つ。

マスターが健太郎のために作ってくれた特製ディッシュは
「バナナのクリームチーズ掛け、はちみつを添えて」

最後はThe MACALLAN 12年のオンザロックで〆。

10年以上前にベッドサイドで交わした約束、
「二十歳になったらススキノに呑みに連れてってやるからな!」
男と男の約束だもの、破るわけにはいきません。

しっかし、やるねぇ健太郎!
自分の二十歳の誕生日をこんな形で気づかせるなんざ
かなりの高等テクニックだぜ。

さすがは我が師匠。


(2009年07月23日)

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