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第77回 電話の困ったチャン

月に2,3回は電話を掛けてくる困ったチャン。
受付が受話器を取ると
「あ、○○ですけど院長先生お願いします。」
と、さも親しげに取次ぎを申し出てきます。

「先生、○○さんって方からお電話ですけど、出られますか?」

「○○さん?誰だっけ?」

「なんか親しそうに院長先生お願いしますって言ってますけど...。」

異業種交流会で会った人かな?
この前の美容外科勉強会で会った業者さんかな?
九州の方の先生でそんな名前の人がいたような気もするし...。
患者さんからの相談か?
ま、どっちにしても待たせたら悪いよね。

「もしもし、医師の武藤です。」

「あ、院長先生ですか?私、株式会社◎◎の○○と申します。」

「はぁ」

「先生、税金対策としてどのような事をしておられますか?」

「税金対策ですか?」

「当社はですね、都内一等地の高級分譲マンションをご購入頂く事で先生の税金が優遇される制度をお勧めさせて頂いておりまして...、」

あぁ、やっちゃったよ。
この手の電話、性質悪いんだよね。
一方的に喋り続けて、あわよくばクリニックどころか自宅にまで押しかけようとしてくるんだから。
断っても断っても食いついてくるし...。

「先日もですね、私立病院の部長先生に購入頂きまして...、」
「分譲数が残り僅かとなっておりまして...、」
「多くの先生方からご好評いただいておりまして...、」
「先生がお住まいになると言う訳でなく、分譲賃貸と言う形で...、」
「物件の管理は当社が責任もって...、」

調子に乗っていつまでも喋り続けています。
「必要ありません。」
「全く考えておりません。」
「迷惑です。」
何と言おうと、面会の予約を組むまでは電話を切る気はないようです。

「すみません、診療時間に入っておりますので切らせて頂いてよろしいですか?」

「あ、申し訳ありません、また後ほど掛け直させて頂きます。」

「いえ、もう結構です。」

「いやいや、先生には是非ともご利用頂きたく...、」

「じゃ、もう切りますね。お疲れ様でした。」

お前が一番信用できないんだっつうの!
はぁ、大事な昼休みが15分も潰されてしまいました。

この手の電話の共通する傾向として

  1. 電話の第1声が馴れ馴れしいほど親しげ
  2. 会社の名前に「メディカル」とか「ヘルス」とか付ける
  3. 目的とする本人に代わるまで要件を明かそうとしない
  4. お金にこだわる
  5. 乱暴に電話を切ると逆切れして何度も掛けてくる。

マンション業界が大変なのか、これを利用して金儲けを企む詐欺の集団がのさばっているのか、その両方か。

先日の夜7時過ぎ、そろそろ帰ろうかと支度をしている時に一本の電話がかかってきました。
この時間は患者さんからの予約申し込みであったり、手術に関する質問が来ることが多いので留守番電話に設定されていても無視するわけにはいきません。

「もしもし、札幌中央形成外科です。」

「あ、もしもし、私○○社の△△と申します。」

「はぁ、」

「院長先生はお手すきですか?」

あちゃ、またやっちゃったよ。
マンションのセールスだ...。
ま、ちょっと時間にも余裕あるし、相手してやるか。

「院長先生にどのようなご用件ですか?」

「いえ、ちょっと個人的な事で...、」

「大事な用件でしたら、予めお伺いした上でお伝えしておきますが。」

「いえ、ご本人でないとお話できないんですよ。」

「○○社の△△さんでしたっけ。」

「はい」

「○○社っていうのは、どちらにある会社なんですか?」

「あの、東京です。」

「東京の何区ですか?」

「院長先生はお忙しいんですか?」

「質問に答えてください。何区ですか?」

「先生、お忙しいんですね。」

「会社の名前の○○ですが、どういう字を書くんですか?」

「あの、先生に直接お話しさせて頂きたいんですが...、」

「ええ、ですからある程度の内容を把握した上で先生にお伝えします。」

「いえ、直接お話ししたいんで...、」

「こちらとしても内容も解らずにお繋ぎすると怒られますから、」

「あの、今日はもう結構です。」

「では、そちらの電話番号をお教えいただけますか?」

「いえ、またこちらからお電話させて頂きます。」

はっはっはぁ!
向こうから自主的に切りやがった。
自称ソウケン社のワタナベ君、更なる修行が必要だね。
暇な時にまた相手してあげるよ。


(2009年07月16日)

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