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酒の一滴は血の一滴

第58回 あいさつ

朝会ったら「おはようございます」
昼だったら「こんにちは」
夜は「こんばんは」
別れるときは「さようなら」
感謝の気持ちは「ありがとう」
謝るときは「ごめんなさい」

人間として最も基本的な行為であり、できて当たり前。
ウチの子供がどこかのオバサンから飴もらっているにも関わらず「ありがとう」の一言も出なかった日にゃ、速攻で脳天唐竹割チョップ。
頭おさえながら涙目で「ありがとう」を言わせた事も数知れず。

とっても大事なことですが、時に敢えて挨拶をしない自分がいます。

街中で知っている人と擦れ違う。
向こうもコッチの存在に気が付く。
問題はこの時。
向こうから「先生、こんにちは。」と言ってくれればコッチも「こんにちは」って返せるんですわ。
ただ、向こうが気付いた瞬間に目を逸らしたらコッチも無視しなくてはなりません。
自分的には後ろめたい仕事をしている気持ちはありませんが、何せ肩書きが「美容外科医」なもんだから、余計な詮索をさせてしまうケースもあるのです。

「先生、こんにちは。」
「あ、どーもこんにちは。」
「今度また行きますね。」
「はいはい、待ってますよ。」
「じゃ、さよーならー。」
「はい、どうも。」
「ねぇねぇ、今の人って誰?」
「あたしの行ってるクリニックの先生。」
「何の先生なの?」
「え?び、美容外科...。」
「うそ!○○って整形してるの?」
「してないわよ!ニキビで通ってるの!」
「ふ~ん、ま、別にしててもいいんだけどね。」
「ちょっと!本当に手術とかしてないわよ!誤解しないでよ!」
「そんなに怒ることないじゃない。なんか隠してるんじゃないの?」
「どーゆー事よ!なんか気分悪いわね。」
「こっちこそ気分悪いわ!ちょっと今日はもう帰るね!」
「もう、最低!先生なんかに挨拶しなきゃよかったわ!」

こんな事が有ったか無かったかはわかりませんが、実際問題あってもおかしくないんですね。
考えすぎかもしれませんが、余計な争いを生み出さないためにも、主義に反して無視することもあるのです。時には隠れる事もあるのです。

お願いします。
誤解しないでください。
街中で目を逸らされても不機嫌に思わないでください。確実に患者さんではないとわかっていないと、こちらから挨拶できないんです。
あ、声を掛けてくださるのは全然OKです。むしろ待ってます。


(2008年11月13日)

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