普段はごまかしているのですが、季節の変わり目によるものか最近になってから右脚全体に軽いしびれを伴う腰痛が再発してきました。
シップやアンメルツを毎日使っているものの、改善傾向が見られません。
もとはといえば、前期研修医時代に整形外科を研修していた頃、骨折の整復手術で重たい鉛入りのプロテクターを着こみ、患者さんの脚を無理な体勢で1時間以上持ち上げたり、引っ張ったり。手術が終わるころには自分の腰の筋肉と腰椎は決まって悲鳴を上げていました。
そのうちにただ立っているだけであるにも関わらず、ひどい時には15分立っているだけで右足が痺れてくるのです。
時間を見計らって、救急外来で年輩の看護婦さんに泣きつきます。
「お母さん、湿布貼ってちょ。」
「先生、またかい?」
「ちょっと今日はきつい...。」
「若いうちはいいけど、湿布なんかで誤魔化しているようじゃ駄目だよ。」
「先生、ちゃんと整形受診してMRI撮ってもらいなさいよ!」
「そんな事して、ヘルニアが見つかっちゃったら怖いじゃないですか!」
「見つかったらって、足痺れるんでしょ!ヘルニアよ!」
「え~、手術イヤだよ。痛そうだもん。」
「あんた医者でしょ!」
誤魔化し誤魔化し「そのうち治るでしょ」なんて高を括っているうちに、とうとう朝起きても右足がしびれっぱなしになってしまいました。
『うわ、マジでやばいわ』
もう、腰の右側が常に熱を帯び、体を捻ると痺れが強くなります。
そんな時、知り合いの看護婦さんから整体を勧められました。
「大丈夫、全っ然痛くないから。あたしも行ってるけど、終わったら体が宙に浮くくらい楽になるよ。」
「本当に痛くない?」
「痛くないって!」
「ホント?」
「大丈夫だから!」
「ホントにホント?」
「しつこい!」
おっかなびっくり教えられた整体院の門をくぐります。
スタッフの指示でトランクス1枚になり、ベッドの上にうつ伏せになります。
担当でやってきた院長と整体師の人がウニウニと触診をはじめ、何やらブツブツと話しているのが聞こえます。
「うわぁ、先生、腰のところ、岩みたいに硬くなってるわ。」
「これだと右脚全体にしびれが来てるでしょ。」
「左肩も凄いことになってるね。腰痛くなってから随分経ってるね。」
「あら、これはど真ん中からやっていかないとダメだわ。」
もう、すべてがご名答。
「そうなんですぅ...。お願いしますぅ...。」
「じゃ、始めますよ。」
グギッ!
人間は、想像以上の痛みに突然さらされたとき、声を出せないという事実をこの時初めて知りました。
「優しくやっているから、まだそんなに痛くないでしょ。(バキ!)」
『充分すぎるほど痛いって!』
「若い人に多いんだよね、無茶するから。(ボキ!)」
『☆%$*◎△!』
「これは遣り甲斐あるわ!(グギュ!)」
『ギブ、ギブ、ギブ!』
過去の人生が走馬灯のように目の前を流れます。
その合間に脳の中を駆け抜ける電光。
涙が滲み、鼻水もちょちょぎれますが拭うことも儘なりません。
何故にお金を払って痛い思いをしなくてはならないのか。
あの看護婦、絶対ゆるさねぇ!
約50分の整体が終わる頃、ベッドの上には真っ白に燃え尽きた自分が横たわっていました。
最後にクールダウンのマッサージとなり、安心しきっているところに院長が肩をもむように頭上に近づいてきました。
「お、ずいぶん柔らかくなったね。楽になったでしょ。」
「はい、ありがとうございました...。」
「先生の病院って、結構忙しいんですか?」
「いや、この時期は...、」
バキッ!
油断しきったところで、突然自分の首が90°以上捻じ曲げられました。
『☆%$*◎△!』
「はい、お疲れ様でした。今日は十分に水分を取ってくださいね。」
整体院を出ると、体が確かに軽くなっている事に気付きました。
重かった腰はその痕跡さえも残しておらず、身体をどんなに捩じろうとも右足に痺れが走りません。
すげえ!整体!
その後、数年間にわたり腰痛の存在さえも忘れ去られていたのですが、ここに来て再発。
行ったら楽になるんだよなぁ...。
けど痛いしなぁ...。
でもやっぱり行った方がいいんだよなぁ...。
けど痛いしなぁ...。
そんなこんなで、すでに1か月余りが過ぎようとしています。
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う~~~ん。
リアルに痛そうですね。
僕も腰痛持ちなんだけど、激しく痛そうだしなあ…。