名曲だと思います。かまやつひろし作曲、園山俊二作詞のアニメソング。
「やつらの足音のバラード」
70年代に小生が見ていたテレビアニメ、『はじめ人間ギャートルズ』の
エンディング・テーマなんですが―。
なんにもない、なんにもないと繰り返される歌詞が印象的でした。
アニメの主人公は原始人の少年です。狩りをすること以外にこれといって
なんにも起こらない暮らし。唐突なナンセンスギャグ。でも、これが楽し
くて笑いました。小生は子どもの頃、ここに出てくるマンモスの骨付き肉
のことを、「ビフテキ」と呼ぶのだと思ってましたっけ...。
その懐かしいテーマ曲を、久しぶりに聴きました。このコラムの第1回目
でもご紹介したキコキコ商店主催のライヴでのことです。
ウクレレを弾きながら歌っていたのは、川口義之さん。チューバとリコー
ダーを吹く関島岳郎さんと、サックス、クラリネット、パーカッションを
演奏される中尾勘二さんとの堂々壮年三人衆によるセッションです。
小生、何の予備知識もなく出かけたのです。キコキコ商店店主である末木
夫妻が、自分たちはこの人たちを呼ぶために店をやっている!とまでいう
ものですから、どれどれ、それでは検証せねばというわけで...。
やぁやぁ、これが実に楽しかったのです。
キコキコ商店は小さなお店です。店内の広さは8畳ほどでしょうか。
そこへサックス、ウクレレ、クラリネット、リコーダー、パーカッション
に大きなチューバまで並んだのです。
小生、クラシックのコンサート会場以外でチューバの音を聴くのは初めて
です。
高らかに歌い上げるだけではないのですねぇ。リズムも刻むし、ハモりも
する楽器でした。今回は、アイリッシュ・トラッドの「シーベック・シー
モア」が、管楽器のみで演奏されましたが、これがまた新鮮で―。
新鮮といえばリコーダーの音色もそうです。ウクレレとともに奏でられた
「本多工務店のテーマ」の素朴な味わいに、小生すっかりヤラレました。
川口さんと関島さんは、【栗コーダーカルテット】というリコーダーをフィーチャーしたユニットにも参加しておいでです。
帰ってから少し調べてみたのですが、彼らのレパートリーの一つ、スター
ウォーズの「ダースベーダーのテーマ」などは、「やる気のないダースベ
ーダーのテーマ」という名で知られているらしいです。
同様にリコーダー・バージョンの「ハイウェイ・スター」なんてのもあり
まして―。
以下は、11月22日のライヴのメモから―。
「ピタゴラスイッチのテーマ」
「川口くんのおすすめトラッド」1、2
「ジャパニーズ・ルンバ」
「やつらの足音のバラード」
「鳥の歌」~パブロ・カザルスで知られる
「平和に生きる権利」~チリの詩人、ビクトール・ハラの作
「ハバナギラ」~イスラエル民謡
「月下の一群」
「夕景」
そしてアンコールは...
チンドン業界では締めの曲だという「四丁目(シチョウメ)」~ヨーイの
かけ声とともに―。
とにかく、まず、三人がなんだか楽し気でした。たんたんと、大まじめに
ふまじめを演じているかのような風情で。技量の確かな三人だからこその
【余裕】のノリなのでしょうか―。いやぁ、とにかく愉快なライヴだった
のです。
帰り道、「やつらの足音のバラード」を鼻歌で歌いながら、小生しみじみ
思いました。音楽って「学」じゃない。「楽」と表記するんだよなぁと。
キコキコ商店店主、末木さんの言葉が胸を過ぎりました。
「うちは、ライヴハウスじゃないんで―」
初めてお会いしたとき、確か彼は三回そう言ったのです。
ライヴハウスじゃないのにライヴを企画する―。
なぜなんだろう?と思っていました。彼が聴きたいからなのだと、今回、
腑に落ちました。まず、思いありき、なのです。末木さんがおもしろいと
信ずるものを、おもしろいと伝えたいからやっている。
それがキコキコ商店スタイルなんですね。
だからライヴハウスじゃない。ライヴそのものです。
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 第9回 キコキコ商店再び。『はじめ人間ギャートルズ』のごとく。
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