なるほど情報ウェブマガジン【週刊コラナビ北海道】毎週木曜日更新

週刊コラナビトップ図書館司書ケイトのであってしまったんだ備忘録

図書館司書ケイトのであってしまったんだ備忘録

第25回 『海炭市叙景』文庫化、決定!!

その映画化に合わせて、「海炭市叙景」を文庫化したい、という呼びかけをツイッター上で私が見たのは先週土曜日のことでした。その後さまざまな方々と連絡を取り、「海炭市叙景」を小学館文庫に入れさせていただくことが、本日決定しました。10月6日の発売となる予定です。
ツイッターってすごい!

4月1日、木曜日でした。
小学館の編集者、村井康司さんのこのツィート(呟き)を、ツイッターの
タイムライン(いまどうしてるのか、140字以内で記すライン)に確認
した時の小生の興奮! お解りいただけるでしょうか?
20年来ずっと訴えつづけてきた佐藤泰志の作品復刊が、そうそう簡単に
運ぶわけはないさと思っていたのです。でも実現してしまいました。
ツイッターってすごい!

3月20日、土曜日朝以降―。
芥川賞候補作家の遺作が絶版のままだという呟きを、実に多くの方がたが
リツィート(=呟きを繰り返すこと)しました。

通常ツイッターのタイムラインには、自分がフォロー(追跡)している人
の呟きしか現れません。が、時々フォローしていない人の呟きも現れるの
です。これが、リツィートです。
自分がフォローしている誰かが、自分がフォローしていない誰かの呟きを
引用したのです。いわば又聞き。(フォローしている人の場合もあり)
ここで、へぇ~と思う者がさらなるリツィートをしたり、引用元の発言者
をあらたにフォローしたり、発言者に返信したりすると、もとはひとりの
小さな呟きが拡散して、遠くまでこだましていくのです。

小学館の村井さんは、豊崎由美さんのリツィートを読まれたそうです。
映画もクランクアップしたというし、「海炭市叙景」は以前の版元である
集英社が再刊するものだとばかり思っていたところ、不意にそうではない
という情報が舞い込んだのです。あとの村井さんの行動は、素早かった!
実行委員とコンタクトをとり、著作権継承者である佐藤泰志の奥様と連絡
をとり、集英社と話をし...。全ての案件をクリアしての復刊英断です。
村井さんが行動を起こしてから文庫化決定まで、なんと2週間足らず!

いったい何が人を動かすのだろう?と、感嘆します。
素人考えで想像するのみですが、出版会議も、プレゼンも、根回し(?)
も全部すっ飛ばす勢いで、この文庫化は決まった気がします。
詩人の金子彰子さん曰く―シンプルな願いが一番届くのかもしれないと。

小生も同感です。小賢しい物言いより何より、この小説を読んでほしいと
いう愚直な思いに勝るものはない。
そう、シンプルには「愚かな」という意味もあるのです。

思えば市民主導による映画製作の資金集めにも、気持は解るが「無邪気」
すぎるという声があり...。
今こそ原作を復刊させたいだなんてこの不景気に、「純粋な」思いだけで
は、なかなか人は動かせないものなんだよと諭して下さる方もあり...。
撮影に入ってからは人や機材の調達にも、「お人よし」の体で乗り切った
場面少なからずあり...。

耳を傾けながら小生、「そうだなぁ」という気持と「そうかなぁ」という
気持の間にいました。
いまは「そうさなぁ」という気持です。
好きになってしまったら、尤もなことにあんまり意義などありません。
諭されたところで、信ずるものの価値が変わるわけではない。
だからそのまま、思いのままに、愚直に、願いつづければいいのだと思い
ます。いつか何かはこたえが出ます。20年越しの悲願「海炭市叙景」の
文庫化が思いもかけぬ経緯で実現したいま、小生、そう確信しています。

それにつけても畏るべしはTwitter(ツイッター)の縁。こんなサプライズ
があるんですから、人間やはりコミュニケーション諦めちゃいけません。
生きてさえいれば...こんな奇跡に立ち会うことだってあるのですねぇ。

ツイッターによれば村井さん、16日に上京する実行委員と一緒に武道館
のジェームス・テイラーとキャロル・キングのコンサートへ行くそうで。
(いいなぁ、キャロル・キング)
昨夜の呟きは、「縁は異なもの!」と結ばれていましたとさ。

※ http://www.ehako.com/news/news2009a/1012_index_msg.shtml
※ http://twitter.com/
※ http://d.hatena.ne.jp/Kaneco/

海炭市叙景


(2010年04月15日)

コメントする


画像の中に見える文字を入力してください。

文字は半角英数字で入力してください。
(画像が表示されない場合、画像のところでマウス右クリック-[画像の表示]を実行してみてください[Windows InternetExplorer, FireFoxの場合])

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 第25回 『海炭市叙景』文庫化、決定!!

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://spiritlink.80code.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/2240