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第68回 北京レポート④ 花園物語

北京の知人宅を訪問しました。知人は、北京の中心部から少し離れたある「花園」に住んでいます。中国で「花園」とは、日本語の花園の意味とは違い、団地のことです。「団地」とは言っても、さすが中国。規模が違います。30階建て以上のマンションがいくつも立ち並ぶ巨大団地です。

まず驚いたのは、この花園では、セキュリティがかなりしっかりしていることでした。住民の車、タクシー、業者の車等、花園の中に入る全ての車は、入り口で管理されます。入り口で警備員に青い紙を渡され、出るときにその紙を渡さないと出られません。スーツを着た警備の強そうなお兄さんたちが、歩きや自転車に乗って、花園の中を24時間巡回しています。彼らは無線で連絡を取り合って、危険なことはないか、不審者がいないかを常に確認しています。その他に、頼めばタクシーを呼んでくれたり、家の電気などに不具合があったときに、どこに連絡すればいいかなどを尋ねれば教えてくれます。

花園の中をゴルフカートの2倍くらいの大きさの乗り物が走っていて、手を挙げると止まって乗せてくれ、降りたい場所で降ろしてくれます。(もちろん無料です。)花園の中はとても広いので、これはお年寄りや小さな子供を連れているお母さんには喜ばれているようです。
このカートに乗ってちょっとびっくりしたことがあります。私はその日日傘を持っていて、日傘を閉じながら座ろうとしたのですが、運転手が、私が日傘を閉じてきちんと腰掛けるのを後ろを向いて確認してから発車したことです。日本では当たり前のことかもしれませんが、中国のバスやタクシーなどの乗り物に乗っていて、いままでこのような気配りを見たことがなかったからです。セキュリティの充実といい、中国のサービスも変わりつつあるのだと感じました。

花園の敷地の中には幼稚園から中学校までがあり、みなオレンジ色の同じ制服を着ています。子供がいる方の話だと、かなり学力の高い学校なのだそうです。全国から能力の高い教員を集めていて、教員は敷地内の教員住宅マンションに住んでいます。
中国の治安から考えて、他の場所ならありえないのですが、ここはセキュリティがしっかりしているからなのか、小学校低学年くらいの子供が夜の8時過ぎに一人で外で遊んでいるのを見ます。

花園の中には小さなスーパーや、薬局、洋服、雑貨、文房具屋等があり、ちょっとした買い物ならそこでできるようになっています。その他、小さな病院、プールや高齢者のサークル会館、音楽教室等もあります。花園の中央には池があり、噴水が勢いよく吹き出ていました。花や木もきれいに手入れされていて、車道や歩道ににごみは落ちていません。北京のちょっと細い路地に入ったらごみの山だったり、道がガタガタで穴ぼこだらけで、ガラスが落ちていたりする場所もあるのですが、そんなところとは別世界のようです。

この花園の生活を見ていると、日本以上のサービスのように思える部分もありましたが、これだけのサービスを受けるには、やはりそれ相応の管理費を払わないといけないようです。管理費や保安費で一ヶ月に日本円で2万円程度とられるのだそうです。中国は事業をやっている人も多く、非常に平均月収を出しにくい国ではあるのですが、普通のサラリーマンの平均月収が2~4万円だということを考えると、(役職のある人を除く)大きな金額です。これを毎月払えるということは、経済的に余裕のある人が確実に増えているということだと思います。

このような花園が、北京の市内にたくさんあるのだそうです。以前中国に留学していたときは、正直ここまで中国が変わるとは想像もしていませんでした。
本当に中国の経済成長は目覚しく、中国人の生活は様変わりしたのだとこの花園を訪れて改めて思いました。



(2008年10月23日)

コメント(2)

団地を花園…(笑)だんぜん花園のほうが、響きがいいですね!
それにしても、サービスのよさに驚きました〜。
私も花園に住みたいです〜。
このコラムを読むようになって、
なんだか、中国のイメージが変わりました!

>さぶりなさん
そうですよね。花園っていったら、ちょっとイメージ違いますね。
ここの花園は、北京でもサービスがよくて有名らしいです。
海外に長く住んでいたある女性が中心になって作った花園で、管理会社がかなりしっかりしているんですって。
中国は私が留学していたころとはすっかり変わって、もう違う国ですね・・・。
ちょっと寂しいような気もします。

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