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第84回 北京レポート⑯ 秀水市場

留学中に何度か行ったことのある秀水市場へ。秀水市場は、もともとは屋外にあった大きな市場だったが、2006年に巨大なビルが建てられ、その中に移されてリニューアルした。今の秀水市場は地下鉄の永安里駅直結で、冬の寒いときや雨の日でも落ち着いてショッピングを楽しめ、前より便利になった。

昔の秀水市場は、おおっぴらに世界のあらゆる有名ブランドのニセモノを売っていた。時計、鞄、靴、服...えっ、こんなブランドのものまであるの!?と驚くものもあったが、新しい秀水はそこまでひどくないように思う。中国はWTOに加盟したし、北京オリンピックもあったので、海外の厳しい目が中国にむけられる。中国政府も動かざるを得なかったようで、北京当局の抜き打ち検査も時々あるとのことだった。それでもニセモノはなかなかなくならないのだが...。

今回は、鞄の売り場で店頭に並ぶのを少し見かけたくらい。でも、実際に鞄を見ていると、「オネサン、ヴィトンカバンアル!」などと日本語で話しかけてくる。しつこい客引きは、腕をつかんだりする。そこで立ち止まると、店の奥の見えないところから、ニセモノをじゃんじゃん出してくる。こういうところで買う日本人観光客が多いんだろうなぁ。

ここのお客は大半が外国人なので、店員は英語が堪能・・・とまでは行かないが、みな簡単な会話くらいはできる。片言の日本語ができる人もいる。服装や持ち物から日本人を見分け、オモシロ日本語で話しかけてきたりする。みな大声で話しかけてくるので、威勢のいいお魚屋さんみたい。

ここには、衣料品や鞄、時計やアクセサリー類のほかに、お土産に最適な中国の工芸品も売っている。交渉次第で、その辺のデパートなどより安く買える。私はブランド物には全く興味がないが、工芸品が好きなのでこの秀水に留学時代からよく来ていた。チャイナドレスやその生地で作られた鞄、敷物、ビーズのサンダル、中国チックなキーホルダー、掛け軸、景泰藍の食器、毛沢東グッズ...見ているだけで楽しくなる。留学時代と比べて、商品の質はよくなり、種類も格段に増えた。


価格はかなりふっかけらる場合が多いので、値段交渉をすることになる。頑張り次第で300元が30元になったりもする。
「高すぎるわ~。いらない!」と帰るフリをするのが一番効果的。瞬時に値が下がる。その前に何軒かまわって、相場を知っておくのも大切だ。

あるお店の前に行くと、甲高い笑い声が聞こえた。店員の若い女の子たちが、お客の白人男性と英語で談笑していた。品揃えがなかなかいいお店だったので、シルク生地の鞄を手にとって眺めていると、かわいらしい女の子が一人、私の横にやってきた。
「気に入った?80元だよ」
私はそれには答えないで、
「あなたたち英語が上手ねぇ~~!」
と褒めた。
「そう?どうもありがとう。彼は常連で、よく来ては私たちに冗談を言ったりするのよ。」
彼女は、他の店員に何か話しかけたが、私には聞き取れない。
「どこの方言?」
「安徽だよ。あたしたちはみんな安徽から出稼ぎに来てるの。ここのオーナも安徽の人なの。」
「連休だけど(この日は国慶節の連休中だった)実家に帰らないの?」
「帰れないよ~、忙しいもん。毎日朝から晩まで10時間以上立ちっ放しだよ。」

彼女は19歳。北京に来て2年。従業員の宿舎に住んでいる。くりっとした大きな目に長い黒髪。笑顔が素敵だった。「大変な仕事だよ」と言ったが、いきいきと働いていた。私が日本人だよというと、彼女は日本人客は多いけど、世間話をしたことはないと言って、興味を示したようだった。私たちは、オーナーに隠れて20分くらいおしゃべりをした。

彼女は私が買いたいものを全て最底値で売ってくれた。最後に安徽語で、ありがとうはなんていうの?と聞いたら「シーシー」だよと言ったので、シーシーといって分かれた。
彼女は私の名前をメモし、北京にきたらまた来てね!と言った。

帰るフリをしたり、けんか腰で値切る方法もあるけど、お店の人と仲良くなっても安くしてくれるのだ。その後、彼女にはがきをだしたら、律儀に返事をくれた。たまには物を買うだけじゃなくて、お店の人と交流してみるのもいいと思う。オモシロ日本語を直してあげるのもいいかもしれない。



(2009年02月19日)

コメント(2)

旅先で明らかな偽物をみると、
たしかに安いけど誰がこれを買うんだろう…って思うんですが
名古屋の街では、そういう偽物を持ってる若い子をよく見かけるので
やっぱり、需要があって、供給も減らないのでしょうね(^^;)

地元の人と、交流できたら楽しいだろうな〜〜。
私は、日本語かなり上手な人としか、喋れないので残念です。

>さぶりなさん
偽物にもランクがあるそうですが、どこから見ても、安っぽいし偽物だとはっきりわかるものまで売れるのが不思議ですよね。
韓国では、「完璧な偽物アリマス!」と話しかけてくる売り子さんもいて、おかしくてたまりませんでした。完璧な偽物って・・・。
秀水市場は最近もまた抜き打ち検査があったようですが、いたちごっこですね。
この市場は英語が通じるところも多いので、英語でも交流できますよ~。

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