北京に来て、どうしても行ってみたい場所があった。軍事工場の跡地が、ギャラリーとアトリエが建ち並ぶ中国の現代アート展示場として生まれ変わった「大山子798芸術区」。「798」とは、もと人民解放軍798部隊の工場だったことからきている。北京の新しい観光地である。
大山子798芸術区の中はとても広く、小さなアトリエやギャラリーが密集している。ゆっくり見て回ったら、一日ではとても時間が足りない。建物の中だけでなく、外にも彫像や鉄で作られた作品が並んでいる。手が異様に長い銀色の人形、トラとウサギが融合した大きな動物、お腹の出た、ぼんやりとした奇妙な表情をしている彫像・・・外を歩くだけでも楽しめる。もともとの工場の建物をそのまま利用しているところがほとんどなので、れんが造りの建物が多い。大きな展示室に入ったら、「毛主席万歳」の赤い文字が天井に残っていた。なんだかその文字までアートに見えた。
部屋全部が一つの作品になっているところもあった。広い展示室に足踏みミシンが数十台並び、その横には天井に届きそうな布のハギレがつみ上げられた巨大な山が。何を表したいのかは分からないが、圧倒される。アーティストがデザインしたアクセサリーを売るお店もあった。素敵だったけど、私には買える値段じゃなかった・・・。私は無料の展示場しか見なかったが、中には有料のところもあるようだ。とにかく広いので、迷子にならないように気をつける。びっくりしたのは、毛沢東をちょっとコミカルに絵に描いたり、塑像として制作したりしているアーティストがいることだった。以前ならとても考えられないことだ。中国はずいぶん自由になったんだな・・・と感じたのだった。
ここは中国人が楽しむところかと思っていたら 、外国人がとても多かった。特に欧米人。次に韓国人。日本人はその日は全く見かけなかった。そして、全て外国人価格!オシャレなレストランやカフェがたくさんあるが、どこも高い。画集やはがきなど、売っているものも高い。日本で買うのと同じくらい。私の持っているガイドブックにこの798芸術区は載っていたが、日本人にはまだあまり知られていないようで、たまたま最初に入ったギャラリーで、私が日本人だと分かると珍しがられた。そこのオーナーは日本の桜にとても興味があり、そこで働いている男の子も日本に留学経験があるということで、何故か一緒に写真撮影することに。オーナーは、数年前まで景気のいい中国は現代アートバブルで、絵もよく売れたけど最近はね・・・と言葉を濁した。
798芸術区には特設会場もあって作品が時々入れ替わるので、また数ヵ月後に来たら違うアーティストの作品も楽しめる。アート好きな人なら、何度来てもいいだろう。私のように、美術の才能まるでナシな人間でも、一日いても飽きないのだから。
798芸術区は、 北京の中心部からは車で20~30分くらい。近くに地下鉄の駅はないが、最寄の東直門駅からバスが何本かある。バスに乗る勇気のある人は(第66回「北京のバス」参照)乗ってもいいと思うが、東直門からもタクシーでも20分くらい。「大山子798」と告げれば、知らないドライバーはいないだろう。

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楽しそうな場所ですね!
そのうち日本人のあいだでも有名になりそうな予感…
偉い人を題材に作品をつくるとか、ちょっと驚きです。
日本でならまだしも、中国でそれが許されるなんて(笑)
やっぱり時代は、少しずつ変わっていってるのですね。
>さぶりなさん
すごく見応えのあるところですよ~
アート好きな人なら一日中いても飽きないでしょうね。
写真撮影可のところと不可のところがあり、すばらしい作品ばかりで、全部撮影したかったのですが残念でした。
ここは中国にしては珍しく、大半は無料で見学できるので、そこがいいところだと思います。