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第76回 北京レポート⑨水を大切に

北京の繁華街を歩いていたら、池のように大きな水溜りを発見。雨でも降ったっけ?と、考えていたら、傍にいたおばさんが
「水道管に問題があって、昨日から水が溢れてんだよ。もったいないねぇ。どれだけの水が無駄になってるんだか・・・」
と呟いた。水がもったいない。言われてはっとした。

北京の知人に、日本では水道水を飲むことができる、と言ったら、
「日本は綺麗な水が豊富にあるのね。ここは、水不足の国よ」
と言われた。中国では、水道水を直接飲むことはできない。充分に沸かして飲む場合もあるが、水道管が古い家だとたまに濁った水が出ることがあるので、たいていの家では、ミネラルウォーターの機械を設置している。

その知人のお宅に泊めていただいたが、そこでは水を本当に大切に使っていた。お湯を出すために給湯器をつけたとき、熱すぎたり冷たすぎたりする水は、流さずにためて使う。手をちょっと洗うときなども洗面器に水をためて洗い、その水は捨てずに、床磨きのモップを洗ったり、トイレを流すのに使ったりする。食器を洗うときも、水を出しっぱなしにはせず、最低限の水で溜め濯ぎする。すべての中国人がこのようにしているかどうかは分からないが、水に対する意識が日本人とは違うように思った。

北京の街中のバス停で、「水を大切に」というポスターを何度も目にした。TVでも水を大切にというCMが流れている。知人の話によると、北京のような都市部はまだましなほうだが、内陸や田舎のほうでは、深刻な水不足の地域があるという。

ハルビン留学中、よく断水があった。中国人の話によると、水不足を防ぐための市による計画断水なのだそうで(計画停電もありました。停電のときも断水になります)。一度断水になると数日間水がこなかったことも。水がないと何もできない。料理も、洗濯も、シャワーも、トイレも、手を洗うことさえも。長く住んでいる留学生はみな、大きなバケツをいくつも買ってきて、水を溜めていた。日本では、工事などで一時的な断水があっても、普通に生活していて何日も水が出ないということはまずないだろう。水は、人が生きていくのにいかに大切なものかということを再認識させられた。

「日本人は毎日お風呂に入って、水がもったいないです。」
ある日本のTV番組で中国人留学生が言った。同じことを今回知人にも言われた。水は大切なものだと身にしみて分かっているからこそ出る一言なのだと思う。私は今回北京に来て、水の使い方を考え直すようになった。水も限りある資源の一つなのだと、当たり前のことを忘れてはいけないと思った。



(2008年12月18日)

コメント(2)

日本人は、世界でも一番水を大事にしていないかもしれませんね…
私も含め、ですが…
生まれたときから、なんでも当たり前に与えられてきて
今ある環境が、ものすごく恵まれてることに気付けていないなと
思うことがよくあります。

政治に対しても、最近国民は文句ばっかりですが
こんなにインフラ整備されて暮らしやすい国は他にはないですよね。

私も、水資源をもっと大事にしようと改めて思いました!
蛇口をひねればすぐに安全な水が流れてくる、ってこと
世界的にみたら、ちっとも当たり前のことではないんですもんね。

>さぶりなさん
日本に住んでいると、水はタダ、無限にあると思ってしまいますよね。
私は韓国と中華圏しか行ったことないんですが、ヨーロッパのほうでも水は貴重で高いもので、大切に使っていると聞いたことがあります。日本は本当に水に恵まれています。
中国では今公害が大きな問題になっていますが、環境問題に無頓着なのかなと思えば、そうではなく、身近な水の問題などにはとても敏感です。
日本は公害問題などで中国にアドバイスできることもあるかもしれませんが、日本も水を大切にする精神を学んだほうがいいですね。

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