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第75回 北京レポート⑧ 北京から内モンゴルへⅣ

留学中、汽車の中で周りの人といろいろな話をしていて、日本人ということがわかると、話を聞きつけて隣の車両からも「日本人」を見に来る人がいた。珍しいから、一緒に写真を撮ってくれ、と言われることも度々・・・。写真に写ってしまえば、同じ黄色人種だし、中国人も日本人もわからないと思うけど、と思いながら写真撮影した。汽車の中も危ないから気をつけるようにと中国の友達には言われていたが、みんな外国人の私にとても親切で、嫌な思いをしたことはなかった。降りてからも、荷物を持ってくれたり、タクシーにタダで相乗りさせてくれたり、外国人が窓口で買うのはたいへんだろうからと、次に乗る汽車の切符を買いに行ってくれたりもした。しーんと静まり返った「柔臥」の寝台に寝転がると、そのころの汽車の旅がちょっと懐かしかった。

寝る前、洗面所に顔を洗いに行くついでに、隣の車両を覗いてみた。隣は「硬座」だった。人がぎゅうぎゅうに乗っている。乗車率は200%くらいか。立っている人は苦しそう・・・。あの状態で12時間も乗るのか。地べたに座っている人もいる。「柔臥」と比べると、天国と地獄だ。「硬座」から「柔臥」には、しっかり鍵がかかっていて行けないようになっていた。

長時間「硬座」に乗ると、夜は大変なことになる。座っていて、うとうとしていると足に何か乗っている。・・・人の頭だ。「無座」(座席なし)の人たちが床に寝ているのだ。トイレに行こうにも通路にも寝ている人が一杯で足の踏み場がない。デッキにも人があふれている荷物を置く棚に上って眠る人も!これには本当に驚いた・・・。

信じられないが、この状態でも車を押した物売りが来るのだ。地べたに座っている人や寝ている人の足を車で轢きながら。轢かれると痛いのでみんな文句を言う。売り子は全然気にして無かったけど・・・。

汽車は夜の7時に北京を出て、翌朝7時に包頭に到着する。私は良く眠れず、朝4時くらいには起きて、窓から北海道の景色に似たとうもろこし畑を眺めていた。中国北方の田舎の風景は、広大な北海道の大地によく似ている。食堂車に朝ご飯を食べに行こうかと思ったが、カップラーメンを売りに来たので、手っ取り早くそれを買って、朝食を済ませる。まだ乗客が乗っているのに、到着の30分くらい前に乗務員がゴミの回収と簡単な掃除に来る。包頭の駅に到着すると、驚くほど寒かった。9年前に、砂漠と草原を見に内モンゴルに来たことを思い出す。そのときは夏だったが、今回は息が白くなるくらいの気温だった。10月に入ると急に冷え込むのだそうで、冬にはマイナス20度以下になるのだそうだ。ホームには漢字に混じり、モンゴル文字が書かれている。この地域にはモンゴル民族が多いのだ。

久しぶりの汽車の旅は、昔「硬座」に乗った時の面白さはなかったけど、快適でキレイで、また乗ってもいいかな・・・と思えた。(「硬座」に長時間乗ると、しばらく汽車に乗りたくなくなる。とっても疲れるので。)帰りも「柔臥」のチケットを買ったのであった。



(2008年12月11日)

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