北海道のみなさん、こんにちは。
話を、20年前の雪印チーズ・ロケに戻しましょう。。
ロケ地は、確か十勝・大樹町でした。
誠実にチーズ作りに取り組む人たち、工場で食べたチーズのおいしさ、周囲のすばらしい自然環境・・・いやな思い出など微塵もありません。
それに、CMはその年の広告賞(ACC賞)もいただいたはずです。
それにしても、なぜ雪印と言えば、北海道なのでしょう?
CMで、北海道の自然を描くことが、どうして雪印チーズのイメージ・アップになるのでしょう?
すべての雪印チーズが北海道で作られているわけでもなければ、北海道の自然環境が、チーズ作りにどれだけ影響しているかなんて、はっきりわからないのに。
答えは簡単。
「北海道」という言葉と、北海道の美しい自然を描くことは、即、新鮮な素材やおいしさのイメージに、つながるから。
雪印が雪印である限り、そのイメージから逃れることはできません。
そのイメージを利用しない手はありません。
たいていの人は、雪印製品と言えば、北海道で作られているものだと思い込み、まじめな酪農家や豊かな自然をイメージします。
そして、そのイメージといっしょに、雪印の牛乳やチーズを買います。
少なくとも、あの、事件の前まではそうでした。
雪印=北海道、北海道=新鮮&おいしい。
「北海道」という言葉は、マジックです。
鮮度や素材の良さをアピールする上で、これ以上のコピーはないかもしれません。
最近のミートホープ食肉偽装事件でも、冷凍コロッケのパッケージにはしっかり「北海道のジャガイモと牛肉」がうたわれていました。
そうです、北海道のイメージを利用するのはいいけれど、品質や安全性とそれとは、少なくともそれが加工され、大量生産されるものであれば、何の関係もないのだということを肝に銘じておかないと、とんでもないことになります。
マジックは、どこまで行ってもマジックに過ぎないのです。
・・・なんて、北海道のみなさんには、ちょっと辛口のことを書いてしまったでしょうか?
世界には、それぞれの国で、その地名を出すだけで、おいしさのイメージにつながる場所というものがあります。
アメリカならミルウォーキー、オーストラリアならタスマニア、ドイツならミュンヘン、イタリアだったらトスカーナ、フランスだったらノルマンディーでしょうか?
どこも、美しい自然や気候(主に厳しい寒さ)とセットになって、おいしさのイメージに直結した地名です。
そして、どの国でも、その土地のイメージを、商品名やパッケージ・デザイン、テレビ・コマーシャルに、大いに利用していることは言うまでもありません。
世界に目を向けたとき、雪印が北海道のイメージで商品を広告するのがいかにあたり前で、そしてそうであるが上に、雪印(食中毒)とミートホープ(食肉偽装)の事件による「北海道」のイメージの損失が、どれほど大きなものであったかがわかります。
少なくとも、ぼくの知る限り、ミルウォーキーもタスマニアもミュンヘンも、いまのところ、無傷でおいしさのイメージを保ち続けているはずです。
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