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第36回 お茶のCM、その周辺のこと。

北海道のみなさん、こんにちは。

何年かおきに巡ってくる仕事のひとつに、お茶のCMがあります。
主に、コンビニで売られるペットボトル入りのお茶です。

緑茶、ウーロン茶、紅茶がまず思い浮かびますが、玄米茶や麦茶にブレンド茶など、さまざまな、数えきれないくらいのお茶が売られています。
そして、最近では俗に「トクホ」と呼ばれる、厚生労働省で特別健康用食品として認可された健康茶がブームです。


ぼくも、振り返ってみると、いろんなお茶のCMを手がけてきました。

お茶のCMを作る現場には、独特の雰囲気があります。
最近では、広告代理店やクリエーターが、商品開発やネーミングから深く関わっている場合が多く、何ヶ月、時には一年以上もかけてやっとCM制作にたどりつくのですから、意気込みが違うのです。

CMのアイデアやトーン、タレントや音楽で、ある程度、売り上げも左右されるので、広告の制作現場にも、クライアントと一体になった独特の緊張感が漂います。


お茶の広告の世界で、商品が売れないことを、「コンビニの棚から消える」という言い方を、よくします。
どんなにCMに広告予算をかけても、コンビニでの売り上げが伸びないとなると、あっという間に(早い時にはわずか一二週間で)、棚から姿を消します。

みなさんがすぐに思い浮かぶような代表的なお茶(お~いお茶、伊右衛門、壮健美茶、生茶、ウーロン茶、午後の紅茶など)が、まず、定番商品としてあり、コンビニに新製品が並ぶスペースは、ほんのわずかしか残っていません。
そこに、各メーカーが力を入れて開発した商品を置いてもらおうと、しのぎを削っている状態なのです。

最近では、コンビニで売られないことがわかっていても、なんとか実績を作ろうと、CM制作に踏みきるケースもあるくらいです。

そんな、熾烈で、涙ぐましいまでの、お茶を巡る広告制作の状況があるにもかかわらず、ぼくのようなCMディレクターが広告制作に関わる頃には、実を言うと、「これは売れそうだな」とか「ダメなんじゃないか」ということを肌で感じてしまいます。それでも、商品 が売れる・売れないに関わらず、制作に関わるうちに、なんとか商品が売れないものかという思い入れも強くなってきます。
だから、CMがオンエアーされる頃には、コンビニに立ち寄ると、売れているかどうか、棚に並んだ商品の動きが気になったり、店員さんに 「どうですか?」と思わず、聞いてしまうのです。


この、お茶がコンビニで売れる・売れないという状況は、ダイレクトに広告制作に返ってきます。すぐに第2弾のCMを、と準備していたのが中止になったり、タレントやスタッフが入れ替えになったり、激しく状況が変化します。

さらに、思い返せば、コンビニを中心に商品が動くようになってから、CM制作の現場の雰囲気が、がらっと変わってしまいました。
売れる・売れないが、一週間単位、いや、その日のうちにわかってしまうのですから、それに振り回されることもしばしば。

そんなわけで、お茶のCMに関わると、なんとも独特な緊張感のなかで仕事をすることになるのです。


(2008年04月10日)

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