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第五回 思い込みがテレビCMを作る。

前回、「おいしさのイメージつながる地名」ということで、ミュンヘンやミルウォーキーと書いて、「どこかで聞き覚えがあるなぁ」と思っていました。
そうです、サッポロビールの広告に「ミュンヘン サッポロ ミルウォーキー」(1958年・昭和33年)というのがありました。

♪知っていますか 知ってるかい 
世界のビールの名産地 
ミュンヘン サッポロ ミルウォーキー 
うまいビールの合言葉・・・♪
歌っているのは、ボニー・ジャックスだそうです。
語呂の良さもあいまって、子どもながらに、記憶の片隅に残っています。

「北海道発・おいしさのイメージアップ」に貢献した企業と言えば、なんと言っても、雪印とサッポロビールでしょう。
このふたつの企業が、テレビCMを通して培ってきたからこそ、「北海道=おいしい」のイメージがある、と言っても過言ではないかもしれません。
いや、北海道の大自然と、その美しさ、北海道で採れる食材のおいしさがあってこそ、雪印やサッポロビールの広告が効を奏した。
まぁ、どちらも正解でしょう(笑)。

人はだれでも、自分の経験から得た「思い込み」というものを持っています。
ぼくにはぼくの、北海道への「思い込み」があります。
学生時代(1974年)、ぼくは同級生の友人とふたりで、二週間ほど北海道旅行をしました。
当時流行りはじめた民宿に泊まりながら、北見と古平にある、北海道出身の同級生の実家にも泊めてもらいました。
その時、見たこと、食べたものが、いまでもぼくの北海道観のベースになっています。

一昨年、ぼくはモンゴルまでわざわざ満天の星空を撮影に行きましたが、その時、函館で見た星空を越えるものではありませんでした。
サロマ湖で見た夕日の美しさは、ハワイの夕日だってかすみます。ぼくの記憶の中では。
北見の友人宅でふるまわれたサッポロビールの生を飲んで以来、ぼくはずっとサッポロビールがいちばんうまい、と思い続けています。
古平の友人宅でごちそうになった石狩鍋の具を、ぼくはいまでも鮮明に思い出すことができます。
じゃがいも、しゃけ、バター・・・。
「どこにでもあるけれど、北海道だからおいしい」、そんなイメージを強烈にぼくに植え付けた食材たちです。
学生の貧乏旅行だから、うまいものを食べたって知れていますが、駅弁で食べた「いくら丼」以来、北海道の海産物はうまいと、ぼくは思い続けています。

ひとりひとりの人が、個人的な体験を基に、いろんな思い込みを持っている。
多かれ少なかれ、北海道以外に住む人はみんな、ぼくに似た経験をもとに、「北海道=おいしい」という思い込みを持っているのではないでしょうか?
そして、その思い込みを利用したり、あるいは新たな思い込みを植えつけたりしてきたのが、テレビコマーシャルです。
でも、もうそろそろそんな時代は終わりにしたいものだと、ぼくは最近、思うようになりました。

「ミュンヘン サッポロ ミルウォーキー」の広告を確認されたい方は、こちらで↓
http://www.sapporobeer.jp/ir_company/history/
CMソングを聞いてみたい方は、こちらで↓どうぞ。
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=73884


(2007年07月19日)

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