北海道のみなさん、こんにちは。
先週から今週にかけて、
ぼくは、5日間の夏休みを取りました。
夏休み、と言っても、
気がついたら仕事が一段落したので、
そこにスケジュールを入れないようにして、
別荘のある蓼科に行っただけ。
たまたま夏休みになった、と言ったところでしょうか?
フリーランスで仕事をしていると、こんなものです。
その蓼科では、この10年ほどの間に、
野菜の流通をめぐって大きな変化がありました。
農協などの、従来の流通経路を通さず、
また、個々の農家が軒先で勝手に野菜を売るというのでもない、
余剰野菜、規格外野菜の流通が、すっかり定着してきました。
もっとも大規模なものは、
「自由農園」という名前のチェーン店。
蓼科周辺に3店舗あって、どこも、
別荘族、都会から来た観光客で、大繁盛しています。
「道の駅」のような、
街道沿いの市町村が運営する施設も点在して、
地元野菜のコーナーが、必ずあります。
次々にできる温泉施設にも、
その土地の野菜や加工食品が置いてあります。
パン屋さんやレストランが、
自分のうちやご近所の農家の「余り野菜」を
売っているのも、見慣れた光景です。
農業大学で、学生たちが作った野菜を売るコーナーが大人気。
それが、いつの間にか、農家の人が作る野菜まで仕入れて売る
「ビジネス」に成長しています。
大手のスーパーや、農協がやっているスーパーも、
それに追従する格好で、コーナーを作って、
農家の人が持ち寄る野菜を積極的に置くようになりました。
そんな話を料理研究家の友人としていたら、
「ネット社会はもっとすごいことになっている」とのこと。
規格外野菜などを売るマーケットが、
すっかり定着して、おそろしいほどだ、と、
歓迎を通り越して、むしろ、すでに警戒気味。
「規格外」は、基準も規則もない、
一歩間違えば、闇のマーケットです。
自主流通と言えば聞こえがいいのですが、
むしろ「勝手流通」と言うべきマーケットでしょう。
農家の人たちが集まって、あるいは、
業者が入ったり、町や村の行政が主導してなら、
そこには、暗黙のルールや監視の目を期待できそうです。
でも、個々が「勝手に流通させる」となると、
規格外をいいことに、品質と安全性が
おろそかにされそうで、ちょっと怖い。
実際、蓼科で売られている「規格外野菜」を買って、
時々ふと、これってほんとうに安いのだろうか?と、
疑問に思うことがあります。
たしかに、短かったり曲がっていたりするニンジンが、
5〜6本入って100円は安い。
味も、まったく劣りません。
でも、もともと捨てていたものでしょう。
なかには、傷んでいるものが混じっていることもあります。
「地元」「採れたて」に、
ついつい踊らされて買ってしまった後で、
スーパーや農協で、産地は「遠いところ」だけれど、
大して変わらない値段で売られている、
色、形の安定した野菜を見て、
思わず後悔したことも何度かあります。
ぼくは、ご存知のように、
仕事柄海外によく出かけるのですが、
アジアやヨーロッパ、オセアニア、どこに行っても、
空き時間に、市場を、ちょっとのぞいてみます。
みなさんも、そんな経験、ありますよね?
そして、思いませんか?
日本のように、形が整って、きれいに袋詰めなどされて
野菜を売っている国なんて、ほとんど、どこにもないと。
多少カタチが悪くても、ちょっとばかりしなびていても、
力強くて、なんともおいしそうな野菜が並んでいるものだと。
ぼくは、日本の農業、とりわけ野菜をめぐる
流通のあり方やその問題点、行政の関与の仕方などが、
不勉強で、いまひとつよくわかりません。
でも、野菜の見栄えや形にこだわる、日本独特の文化、
農協での徹底した「規格管理」による価格コントロールが、
「行き過ぎ」であることは、明らかです。
そして、ここにきて、天候不順による野菜で、
「規格外野菜の流通」が本格的に取りざたされているようです。
規格外野菜は、もともとルールとレールから外れた野菜なので、
そこに新たなガイドライン(品質と安全性の基準)を
設けることは難しいでしょう。
ここはひとつ、農家の人のプライドに委ねるしかない。
規格外であっても、ほんとうに新鮮で安全で、
おいしい野菜だけを、流通させて欲しい。
そして、いくら安くても、農薬まみれの野菜はゴメンです。
規格外野菜が売れまくる一方で、多少高くても、
低農薬、無農薬の野菜を食べたいという
「こだわり派」も存在するのです。
しかし、蓼科あたりでも、
地元、採れたて、規格外ばかりが流行って、
低農薬や無農薬の野菜をみかけることはほとんどありません。
こちらはこちらで、また、独自の流通ルートがあるようです。
従来の規格や常識をいったんはずして、
「とにかく安い」から、「ほんとうのおいしさ」へ。
ルール無視ではなく、あやまった基準を見直して、
野菜が、ほんとうにレベルアップするべきときなのです。
いまは、その過渡期。
チャンスと危険性が、混在している気がしています。
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 第87回 野菜をめぐる、チャンスと危険性
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