北海道のみなさん、こんにちは。
東京は、昨日、「梅雨入りしたと見られる」と報道されました。
でも、もう先週あたりからまるで梅雨のような不安定な天候。
そんななか、なんとしても日差しが欲しい撮影を、
先週から今週にかけて、埼玉・越谷でやっていました。
久しぶりに会うスタッフ、
初めてご一緒するスタッフ、
10年来、20年来の仕事仲間、
今日が初めての撮影現場だと言う新人の撮影助手君、
いろんなスタッフが、総勢40人もいたでしょうか?
ぼくの仕事の現場には、必ずと言っていいほど来てくれて、
なんとなく身内意識を持つ、スタッフもいます。
この大不況の中、元気でやっているかな?
ちゃんと仕事はあるのだろうか?
そんなことも、思います。
たとえば、親しい小道具スタイリストの女性に声をかけます。
「どう、最近?」
そう言えば、なんとなく気持ちが通じて、
うちで食事をするようになったとか、
服は買っていないとか、旅行も近くですませて、
安くて良さそうな宿を探すのだとか、
そんなことを言ってくれます。
ここに来て、CM業界の仕事量が、
相当落ち込んでいるんだな、ということが肌で感じられます。
「今度、ご飯でも食べに行こうよ。」
ぼくにできることは、そんなことぐらいしかありません。
撮影とは、つくづく、「待つ仕事」なのだな、と思います。
それがネライであれば、予算の続く限り、天気を待ちます。
役者は、自分の出番をひたすら待つ精神力を、
持ち続けなければならない仕事です。
そして、ぼくらだって、仕事が来るのを、
ただ待つ以外に、ほとんど手だてがありません。
つまり、営業のない仕事、営業のできない仕事。
そこが、撮影という仕事と他の職種との、
決定的な違いかも知れません。
自慢ではありませんが、ぼくは冗談でも
「仕事を下さい」と言ったことは一度もありません。
と言うのも、かつて自分が会社にいた頃、
盛んに営業をかけてくる人がいて、
ずいぶん嫌な思いをしたという経験があるからです。
何度も電話をかけて会いにきてくれる彼を、
ぼくは、そのうち避けるようになっていきました。
この仕事で、営業はするものではない。
ぼくは、肝に銘じました。
撮影、美術、衣装、音楽など、
それぞれの持ち場はあるけれど、
現場を共有するスタッフである限り、
営業されたからと言って、
その人にお願いしてみようとは思わない。
むしろ、余計なプレッシャーを感じてしまうくらいです。
クリエーター同士、のびのびと、対等でなければいけない。
自分が興味を持つ相手であれば、なおさら、
凛とした距離感を持っていて欲しい。
そう思うのです。
(恋愛にも、それに似たことがありますね。)
では、そんなぼくに、
どうして仕事が来るようになったのか?
もちろん、営業など一切しません。
テレビで目立った、「これは誰がやったのだろう?」
と気になるCMがあって、それをやったのがぼくだとわかり、
いつかこの人とやってみたいと思ってくれる人がいて、
それが徐々に増えて行ったのだと思います。
目立つ。気になる。
それ以上の、と言うより、
それ以外の営業は、ないのかもしれません。
最近、新人が登場しにくいと言われています。
目立つ、気になるCMが少なくなれば、
それに比例して、新人の「営業チャンス」も減ってしまう
のだから、無理もないでしょう。
よく、独立して一本立ちしたカメラマンの方から、
作品集をいただくことがあります。
他に、営業する手段があるかと言われれば、確かに難しい。
でも、ここだけの話、ほとんど場合、
ぼくはそれを見ることがありません。
「自分で、目立ってこい。」
そう思うからです。
新人なのだから、作品集を見ても、
たいした作品があるわけではないことはわかっているのです。
それで、その人の力を推し量ることの方が、間違えやすい。
パワーのある人なら、時間はかかるけれど、
出会うべき人には出会う。
ぼくは、そう信じています。
そのパワーを感じて受け止める力が、
ぼくら、業界の先輩たちになければいけないのですが。
待つ仕事。
営業のない仕事。
どうです?
撮影という仕事、なかなか特殊でしょう?
タフでなければできない仕事だと、つくづく思います。
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 第81回 営業のない仕事
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