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第56回 出演タレントの訃報とCMの関係

北海道のみなさん、こんにちは。

緒形拳さんの突然の訃報。驚きました。
最近、緒形拳さんは、エプソンと、みずほ銀行のCMに出演中でした。まさにこれから、オンエアーを控えているCMもあったようですから、関係者はその対応に追われていることでしょう。ご存知のように、出演者が亡くなると、即刻、その出演CMはオンエアー中止になるのが定石です。

緒形さんが最後に取り組んだ仕事は、すでに報道されているように、フジテレビ系列で、まさに今日からオンエアーが始まる「風のガーデン」です。倉本聰脚本、舞台は北海道、緒形拳さんの、いまとなっては暗示的な役所(末期がんの息子の死と向き合う医師役だそうです)。北海道のみなさんならずとも、興味がわく要素がいっぱい。視聴率もいいでしょうね。もちろん、この番組が放送中止になることなんてありえません。せいぜい、番組冒頭に、追悼の意を表すテロップが流れる程度ではないでしょうか。

この番組の収録は、まだ先月末に終わったばかりのようです。CMだって、つい最近オンエアーが始まったところですから、そんなに前に撮影されたものとは思えません。そこに、ぼくは、緒形拳さんのただならぬ役者魂を感じます。もしかしたら死が迫っているとわかっていても、その間際まで平常心で、一役者として生きることを貫く。その強い意志と覚悟を感じます。

だったら、いっそ、その意志を尊重して、堂々と出演CMを流せばいいのではないか、とぼくは思うのですが、どうでしょう? もちろん、CMはクライアントありきです。クライアントが自社のイメージダウンにつながると判断するなら、仕方がありません。遺族の意志も尊重しなければならないのは、言うまでもありません。出演しているCMの種類にもよるでしょう。人の健康に直接かかわるような商品(食品や医薬品、生命保険など)だったら、さすがにオンエアーは難しいですよね。でも、カラープリンターや銀行のCMなら、それをオンエアーし続けたからと言って、企業イメージや売り上げに、大きな影響が出るとは思えないのです。番組のように、テロップを入れてオンエアーするというような配慮は、最低限、必要でしょうが。

これが、よくあるように、タレントが起こした不祥事だったら、話は別です。おそらく、そういう場合を想定した賠償などについての条項が、契約書に盛り込まれてもいるでしょう。不慮の死であったりしたら、オンエアー続行は、見識を疑われるだけです。でも、今回の緒形拳さんの場合に限っては、その死の間際まで、一タレントとしてある覚悟を持ってCMに出演されたことを、あえて尊重して、オンエアーを続行するという選択肢がありえると思うのです。

クライアントに、強い意志があったなら。
広告代理店に、それを後押しするくらいの気概があったなら。
CMも、何かが変わって行けると思うのです。
こんな時、亡くなられたタレントさんの出演CMが、バタバタと姿を消すのを目の当たりにして、CMは本当に弱いなぁ、とふと思ってしまうのはぼくだけなのかなぁ?


(2008年10月09日)

コメント(1)

名優の訃報、残念です。

みずほ銀行も、エプソンも、凄く印象に残るCMでした。緒方拳さんの役者力なのでしょうね。

CMの続編があるなら観たい。続映してほしい。
そのほうが、亡くなられた緒方さんも喜ぶだろうと思うのですが…。

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