なるほど情報ウェブマガジン【週刊コラナビ北海道】毎週木曜日更新

週刊コラナビトップディレクターズ・カット

ディレクターズ・カット

第52回 撮影は食にあり⑤ 海外ロケのケータリング

北海道のみなさん、こんにちは。

海外ロケに行く時の楽しみのひとつにも、やっぱり食事があります。
何度か、ここで書いていることなのですが、バブル崩壊以前は、ほんとうに海外ロケが多かったのです。

もっとも日本からのCM撮影隊が多かったのが、ロスアンゼルス。スタッフに人気の居酒屋にでも行けば、絶対と言っていいほど、他の撮影隊に遭遇したものです。
同じ店に、何組も日本から来たCMの撮影隊がいて、
「やあやあ、元気?」「最近、忙しい?」「今回は何の撮影?」「ゴルフの調子はどう?」そんな会話が、飛びかっていました。
日本のビールがあり、吟醸酒や焼酎が飲めて、典型的な居酒屋メニューに、仕上げには、おにぎり、ごはんにみそ汁、蕎麦やうどん、何でもある。もっともスタッフが好んで行く店は、そんなところでした。

ロスにも、サンフランシスコやニューヨークには見劣りするけれど、チャイナタウンがあり、当時勢いを増していたコリアン・タウンがあって、今日は中華、明日は焼き肉という具合。ハリウッドのスターに出くわすようなオシャレでトレンディーな(懐かしい言葉!)イタリアン・レストラン、移民や難民が経営する、インド、タイ、ベトナムはじめ様々な国の料理。
「今日は、何を食べに行こうか?」「最近、おいしいレバノン料理店が人気らしいよ。」それは、サンフランシスコやニューヨーク、シドニーやパリに行っても同じこと。自分の懐は痛めずに、よくもまぁ、いろいろな国の料理を食べたものです。疲れてくると、つい日本食になりがちではあったのですが。

と、そこまでは、撮影のとき以外の、ディナーの話。海外ロケでユニークなのは、撮影の時だけ呼ばれるケータリングです。
いまでこそ、撮影スタジオに、日本でもケータリングを呼んで食事を用意するようになりましたが、以前は海外でしか経験できないものでした。
キッチン付きのケータリングのトラック一台あれば、海でも山でも、スタジオでも、街角でも、家の庭でも、そこに即席のレストランができあがります。広い敷地に、大きなテントを張って、折りたたみのテーブルを並べ、何十人もの、時には100人近いスタッフが、いっせいに食事を取る光景は、壮観ですらあります。

朝、スタッフが現場に集まる頃には、もう朝食の準備ができています。ずらりと、お皿と紙ナプキンを持ったスタッフが並び、トースト、デニッシュ、ワッフル、クロワッサン・・・好きなパンをチョイスし、卵の炊き方をオーダーして、付け合わせに、ハムやベーコン、ソーセージ、それにサラダやベイクド・ポテトなどを取っていきます。
ユダヤ系のスタッフが多いニューヨークなら、ベーグルに、クリームチーズ、スモークサーモンも欠かせません。ランチやディナーのメイン料理には、必ず、魚、チキン、ビーフやラムなどのチョイスがあり、アメリカやオーストラリアならベジタリアン用の料理、フランスなら、チーズとワインは絶対、という具合。もちろん、たっぷりデザートも。
そのうち、日本人スタッフに合わせて、ライスやミソ・スープ、カップラーメンに、日本茶も用意されるようになりました。それほど、海外に、日本からCMの撮影隊が、よく出かけていた時代だったんですね。

そうそう、思い出しました。
ロスでいちばん人気があったのが、パンジャさんという韓国人の女性。朝から、納豆やきんぴら、ごはんにみそ汁、ハムエッグ、要するに、和食党のスタッフたちのツボにはまる料理で人気がありました。ロスで撮影と言えば、ケータリングはパンジャさん。そんな時期が数年続いたでしょうか?
そのうち、ホテルにまで乗り込んで、一部屋借りて、朝食や夕食のケータリングをしていたほどの人気でした。朝から晩まで、パンジャさんのケータリング。まるで、日本で、お母さんが作るような料理が、撮影で疲れたスタッフをホッとさせたのでしょう。
そして、パンジャさん、ケータリングでひと儲けしたのか、気がついたら、ロスの街中に立派な日本食レストランをオープンしていました。バブルの頃ならではの、なんとも景気のいい話ですね。


(2008年09月04日)

コメント(2)

海外に行って、一番の楽しみは食べることですよね!
私は中華圏と韓国しか行ったことがありませんが、imamuraさんのようにいろいろな国を回られることが多いお仕事なら、今までに食べたことのないような料理との出会いもあるのでしょうね。
本当に羨ましいです!!

韓国の方が、日本料理を作るのが上手というのはオドロキです。日本の方とつきあいがあったのでしょうか。外国での長い滞在中に、美味しい日本料理と出会うとほっとすることありますね^^

ここに書いたパンジャさんという人、日本で生まれ育った韓国の人だったと思います。
日本では、韓国籍を隠す傾向にありますが、アメリカだと、みんな、オープンにしますから。
ただ、そのパンジャさんの日本料理、実を言うと、きんぴらが妙に辛かったり、煮物に、お酢が入っていたりして、どことなくコリアンな味でした。
だから、ぼくは、ちょっと苦手だったのです(笑)。

コメントする


画像の中に見える文字を入力してください。

(画像が表示されない場合、画像のところでマウス右クリック-[画像の表示]を実行してみてください[Windows InternetExplorer, FireFoxの場合])

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 第52回 撮影は食にあり⑤ 海外ロケのケータリング

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://spiritlink.80code.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/1312